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受け継いでゆく価値観 〜 永和システムマネジメント社長 平鍋 健児 2016年04月11日


目次

第3話 つくり方も目的と文脈から考えるっていうこと

平鍋の顔平鍋
ソフトウェア開発って、信頼できるかどうかってすごく重要じゃないですか。

倉貫の顔倉貫
重要ですね。

平鍋の顔平鍋
それは、ものづくりをするときのコミュニケーションもそうだし。人と人とのコミュニケーション7層モデルの物理層は信頼関係らしいので。だから、信頼関係を持っている人とどれだけつながっているかというのは、ソフトウェア開発の中ですごく重要なことですよね。

倉貫の顔倉貫
ソフトウェア開発で信頼が重要って、世間における常識になっていますかね。僕らや僕らの周りにいる数十人、数百人ぐらいは常識だと思っている人たちがいるんだけど、日本全体なのか、一般常識としてソフトウェア開発に信頼が重要って思っているのかどうか。

平鍋の顔平鍋
なるほど。難しいですね。契約が重要って思っている人もいますよね。

倉貫の顔倉貫
でも、僕もよく「納品のない受託開発」をやっていると「ものすごく信頼関係がないとできない仕事ですね」って言われるんですけど、逆に、信頼関係がなくてできる仕事なんてありますかって聞き返します(笑)。

平鍋の顔平鍋
分かる。でも、コモディティ化するとそうなるんでしょうね。発注っていうのはどこから来ているかというと、責任分界点を決めて、その先に複数のベンダーがいれば相見積もりを取ることができて、同じ品質のものを同じ値段で納めるんだったら、取り替え可能だという前提に基づいてますよね。

倉貫の顔倉貫
なるほど、コモディティ化。

平鍋の顔平鍋
ソフトウェア開発が取り替え可能でできると思ったのが、たぶんSIなんだと思うんですけど(笑)。

倉貫の顔倉貫
ああ、SIってのはソフトウェア開発をコモディティ化したんだ。ある意味ですごい発明だ。

平鍋の顔平鍋
ええそうんなんです。ただ僕らは、その方向は間違っているんだろうなってボヤッと思っていて、自分たちの中ではそんなことはしていないつもり。

倉貫の顔倉貫
そこが大事なポイントかなと思っていて、ソフトウェア開発をコモディティと思うのかどうかの入り口で間違えちゃったから、やっぱり信頼よりも契約のほうが大事だし、人よりもコストだし、みたいな話になってしまうんですよね。

平鍋の顔平鍋
その通りですね。

倉貫の顔倉貫
そこの入り口を間違えたところ、ボタンを掛け違えたところって、どうすれば直していけるのかな。僕も平鍋さんもソフトウェアありきで生きてきて、ずっとソフトウェアで仕事をしてきたので、ソフトウェアの特性がわりと分かっているというか。

平鍋の顔平鍋
だから、工業って思ってないもんね。

倉貫の顔倉貫
そうなんですよ。ソフトウェアのプロダクトを一人でデザインしてプログラミングするところを経験している人は、ソフトウェア開発ってそんなコモディティ化できるものじゃないってことは、すごく分かっている。

平鍋の顔平鍋
分かっている。仕様を書いて発注すればできると思っていない。

倉貫の顔倉貫
思っていないし、作ってみて触ったら絶対違うって言って作り直したくなることも知ってる(笑)

平鍋の顔平鍋
そういう意味でいうと90年代にソフトウェア工学というものが流行ったよね。例えばCMMIとか、UMLとか、工学的に伝えることができる仕様というものはあると。

倉貫の顔倉貫
そのアプローチはありましたね。

平鍋の顔平鍋
それがもしできれば、製造と思われていたプログラミングが自動化できるみたいな流れとかもあったし、ソフトウェア工場的な考えもあったし。でも時期が早すぎたのか、もしかしたらソフトウェアの本性を見誤ったのか、どっちかで。だから、工業モデルだったり、建設モデルに行ったんだけど。その後に、、、

倉貫の顔倉貫
ええ、工学に対するアンチテーゼが出てきた。

平鍋の顔平鍋
そう、2000年でアジャイルというのが出てきたときに、アメリカには受託型でなくスタートアップやプロダクトを世界に提供しているベンダーが多いからだと思うけれども、どうやったら早く良いソフトウェアをつくれるかって考えたときに、「いや、そういう工学的なアプローチは違う」ってなって、今の状態があると思っている。

"

倉貫の顔倉貫
スタートアップだと製造じゃないという考えの人たちが多い感じはしますよね。インターネットの影響も大きくて、つくって終わることがなくて、ずっと直し続けないとサービスの価値が落ちてしまうし、直していく前提でいるなら製造してもダメだっていう。

平鍋の顔平鍋
そうですね。あと、基幹系業務システムのソフトウェア、B2Cサービスのソフトウェア、さらに、組込みシステムのソフトウェアをつくるのは、同じソフトウェアといっても別物と思ったほうがいいねって最近思ってきて。

倉貫の顔倉貫
というと?

平鍋の顔平鍋
ソフトウェアは、ビジネスをつくる材料だと思うんですけど。建築には基礎として材料力学みたいなものがあって、例えば材料としての鉄があったとして、その鉄が建築になるのか、あるいはなんか別のものになるのかで全く鉄自体が違うというのがソフトウェアの特性だと思っていて。

倉貫の顔倉貫
できあがるものによって、材料そのものが全く違ってくるという話ですね。

平鍋の顔平鍋
なんか鉄以外のいい例が本当はあるといいんだけど(笑)。

倉貫の顔倉貫
そうね鉄と言ったら、またちょっと建築っぽくなって、メタファーが建築に戻っちゃうから(笑)。

平鍋の顔平鍋
でも、大きな産業ってそうなんですよね。鉄なんかは車になったり建材になったりするときに、鉄は鉄で1つの確立された界面を持って話ができる。いい鋼材とは何か。鉄の混合の割合によって高価な鋼材もあれば、安価な鋼材もあるし、それぞれの用途があって良いんです。

倉貫の顔倉貫
鉄の業界として、鉄だけを追求できるんですね。

平鍋の顔平鍋
ただ、ソフトウェアってそんな風に切れなくて、どう使われるかって所まですごく侵食しちゃうんですよね。

倉貫の顔倉貫
わかります。ソフトウェアは、ソフトウェアだけで切り離せないですね。どっちかっていうと、組込みのハードウェアや事業のサービスだったりっていう結果になるところに密着してる。

平鍋の顔平鍋
密着してるんですよ。これは僕が調べた範囲からの仮説なんですけど、2000年以降のソフトウェアの論文の中に「ビジネス」とか「価値」とか、そういう単語の出現率が急上昇している。かたや電気電子工学や建築工学、さらに自動車工学にいたっても、そこの領域を調べたときにビジネスとか価値っていう言葉が出てくるのが少ない。

倉貫の顔倉貫
あー面白い切り口ですね。ソフトウェアだけビジネスと切り離せてない。

平鍋の顔平鍋
うん。ある意味で切り離せないっていうことの証拠だと思ってるんですよね。ソフトウェアがどういう対価に変わるかというところまで見ないと、そのソフトウェアの本性が分からない。

倉貫の顔倉貫
僕はアジャイルという言葉よりも、もともとの候補だったビジネスアラインドっていうほうが結構しっくりきてるんですよね。ビジネスというか、その対象の本質に沿って作るという感じが。

平鍋の顔平鍋
ソフトウェアは対象のことを考えてつくりますよっていうことですよね。

倉貫の顔倉貫
そうです。その達成したいものに寄り添って、組込みだったら組込みの成果物に対して、そこに一番フィットするやり方でつくるという。事業だったら事業システムにフィットするやり方でつくるし、経営のシステムだったら経営に一番フィットするやり方でつくるっていうのが、画一的じゃないつくり方がいいって感じがします。

平鍋の顔平鍋
つくり方も目的と文脈から考えるっていうことでしょうね。

次回へ『第4話 ソフトウェア開発をコモディティとするか』

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