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高齢化による「大廃業時代」を阻止する!M&AプラットフォームMAfolovaの挑戦|エン・ジャパン株式会社 2019年10月15日

2017年、経済産業省は「127万社が廃業予備軍である」というデータを発表しました。日本にある99%以上の会社が中小企業であり、そのうちの約3分の1が、後継者が決まっていないため廃業の危機に瀕していることになります。高齢化による廃業の増加は、雇用の喪失に直結します。

この問題を解決していくのが、M&A(企業同士の合併・買収)プラットフォームの「MAfolova」(マフォロヴァ)です。

このサービスを企画・提供するのは、人材採用・入社後活躍サービスの提供を主な事業とするエン・ジャパン株式会社。プロジェクトを担当する同社の藤田俊輔さん、時澤勇人さん、そしてソニックガーデンのプログラマ・中谷一郎に開発のエピソードを聞きました。
(聞き手:ソニックガーデン取締役 安達輝雄)


M&Aを仲介するサイトは幾つかあり、買主と売主の間に入ってM&A交渉をサポートするか、売り案件・買い案件をサイト上に掲載し、両企業を交渉に導くのが役割です。

その中でも、エン・ジャパン株式会社が提供するM&A仲介サービスは「売り情報」を非公開のまま「買い手」を探せる「非公開型」であることが最大の特徴です。

また、現在MAfolovaには150社以上の「M&Aアドバイザー」が登録しています。「M&Aアドバイザー」とは、ベンチャー企業から老舗企業まで質の高い多数の売却案件を保有しているM&Aの専門家。買収を希望する企業は、「どんな会社を買収したいのか」業種や地域、金額などの買収ニーズを登録するだけで、全国の「M&Aアドバイザー」から、良質な売り案件を受け取ることができます。

3ヶ月で90社への営業という頑張りに支えられた初期フェーズ

安達の顔安達
「MAfolova」について最初にご相談を頂いたのが2017年9月でしたね。実際に開発が始まったのは?

一郎の顔一郎
相談を重ね、初回相談から3ヶ月後に開発に着手しました。LP*やユーザー画面のデザインを固める作業を始め、最初のLPが完成したのが2018年の2月頃ですね。

LP:ランディングページ=検索エンジンなどからダイレクトにアクセスが生じるページ=「MAfolova」においてはトップページ

藤田の顔藤田
LPをリリースすると同時に、「M&Aアドバイザー」の開拓を始めました。MAfolovaでは、豊富な「M&Aアドバイザー」の存在がキーとなるので、私はほとんど出社せず、「M&Aアドバイザー」への営業活動に専念していました。

エン・ジャパン株式会社 藤田俊輔さん

一郎の顔一郎
その頃、藤田さんは3ヶ月で90社のアポを取ったと伝説になっていて、本当にすごいと思っていました。そこまで頑張れたモチベーションは何でしたか?

藤田の顔藤田
1日に3~5件の訪問を週5でやっていたので、大変さはありましたが、踏ん張りどころだと思っていました。前職でも新規事業の立ち上げを経験しており、苦労の後に必ず成果や達成感があると分かっていたので、頑張れましたね。

一郎の顔一郎
初期の大変な時期、本当に藤田さんの頑張りに支えてもらいましたね。週1の定例ミーティングでも、営業先からのフィードバッグをもらっていました。

週1回の定例ミーティングはオンラインで。プロジェクトの大事なポイントはオフラインの「合宿」で

安達の顔安達
サービスをリリースし、「M&Aアドバイザー」が150社にまで増え、今はどういうフェーズになりますか?

藤田の顔藤田
二期目に入り、確実にマネタイズしていくというフェーズですね。一期目のうちに想定していた成約数を実現できなかったので、成約の前段階で売上を立てられるスキーム作り、つまりキャッシュポイントを増やすことに取り組んでいます。

一郎の顔一郎
キャッシュポイントを増やす施策についてより深く議論できたのが、2回目の合宿の時でしたね。

安達の顔安達
合宿とは?

一郎の顔一郎
私は愛知県に住んでいて、エン・ジャパン株式会社さんは東京にオフィスがあります。なので週一の定例ミーティングでは、テレビ会議を利用しています。けれど合宿では、上京して朝から夜までオフラインで顔を合わせて会議をし、夜はそのまま飲みにいくこともあります(笑)

合宿の様子:ソニックガーデンの自由が丘ワークプレイスにて

安達の顔安達
画面越しではなく、実際に対面して、長い時間議論を交わすことを合宿と呼んでいるのですね。

藤田の顔藤田
これまでソニックガーデンさんとは2回合宿をしています。2回目は、弊社の中で「サービスについて深く話し合う時期が来たよね」という判断の元に計画し、そこに一郎さんが参加して下さることになったんです。

一郎の顔一郎
今後の方針を決めるミーティングをオフサイトでやると声をかけて頂きました。ソニックガーデンのプログラマである私が参加した目的は、開発マイルストーンなども見えづらい状況だったので、参加することで、その後作るものが見えやすくなる思い、参加させてもらったんです。

オフラインで深まった関係性があったからこそ、最初の成約をチームとして喜び合えた

安達の顔安達
一般的には、サービスの将来を考える時、開発企業が参加するというのは稀ですよね。

藤田の顔藤田
実は1回目の合宿でも、コアなメンバー以外に、弊社の新規事業開発室のアドバイザーに参加してもらい意見を聞きました。そこで多様な意見を聞くことの重要性を実感していたので、一郎さんに来て頂けることになり嬉しかったです。

安達の顔安達
一郎さんは何か有意義な意見を申し上げられましたか?(笑)

藤田の顔藤田
もちろんです(笑)私たちだけでは普段考えている領域から出ることはできませんでしたが、違う視点から見てもらうことで新しい発想が出てくるので、非常に助かりました。

安達の顔安達
時澤さんも合宿に参加されていましたよね?

時澤の顔時澤
はい。合宿でサービスについての理解が深まり、共通認識を持てたことで、それ以降の定例会議がより滑らかになりました。ソニックガーデンさんは「MAfolova」やお客様について理解した上で、意見を出し、開発をリードしてくださいますが、合宿を経てより本質的な議論をできるようになりました。

エン・ジャパン株式会社 時澤勇人さん

安達の顔安達
一郎さんも何かありますか?

一郎の顔一郎
お客様と直接会うと楽しいですね(笑)オンラインで週一回お会いしてはいましたが、合宿でリアルにお会いしたことで、ぐっと変わる部分がありました。あそこで会っていたからこそ、最初の成約があった時に一緒に喜び合えたような気がします。

藤田の顔藤田
あの時は盛り上がりましたよね。PCの画面上に喜びの絵文字が飛び交いました(笑)

頻回にミーティングがあるから、納期や責任の押し付け合いが起こらない開発スタイル

安達の顔安達
藤田さんは、前職で新規事業の開発もされてきたとのことですが、当時と今回のソニックガーデンとの開発で、違いはありますか?

藤田の顔藤田
そうですね。前職では社内にシステム部門がありましたが、お互いがお互いにボールを押し付け合うような…「この機能の開発を〇日までに行ってください」「そんなの絶対に無理です」という応酬がありましたね。

安達の顔安達
同じ社内の別部署だと、そういうことがありがちだとはよく聞きますが。

藤田の顔藤田
険悪とまでは言いませんが、そんな形だからうまくいかないんだろうなとは思っていましたね。けれどソニックガーデンさんとの間にそういう不満はないですね。

一郎の顔一郎
週単位で優先度の高い機能から開発を進めるスタイルなので、押し付け合いにはならないですね。

左:株式会社ソニックガーデン 安達輝雄 右:株式会社ソニックガーデン 中谷一郎

藤田の顔藤田
そうですね。頻回にミーティングをしているからこそお互いに意見を言えますし、 ボールのキャッチボールができている状態で開発を進められるので、すごくいいやり方だなと感じています。

安達の顔安達
エン・ジャパン株式会社様には、別チームの方々が企画・運営されている「pasture*」というwebサービスの開発でソニックガーデンをご利用頂いてきました。今回「MAfolova」の開発にあたり、ソニックガーデンのこのような開発の進め方について事前に何かお話を聞かれていましたか?

pasture:フリーランスと企業間の煩雑なタスクの依頼・発注から月末の請求管理までワンストップで行え、業務委託先・タスクのスキル・実績の見える化も実現できるフリーランスマネジメントシステムです。

藤田の顔藤田
はい。「納品ベースでの開発だと、開発側は想定工数を超えたくないからという理由で開発する・しないが交渉ごとになるけれど、ソニックガーデンさんとはそうならない。とても合理的な進め方」だと「pasture」チームから聞いていたので、今回開発をお願いすることにしました。

安達の顔安達
この開発スタイルを気に入って頂いたのが、弊社をお選び頂いた理由なんですね。

藤田の顔藤田
そうですね。もうひとつの理由は、「MAfolova」というサービスの面白さを共有できることが、一緒に作っていく際にはとても大切だと思っていたので、私たちのサービスの根本、「買いニーズを集めてマッチングを促す」という点に可能性を感じて頂けたのが大きかったですね。

安達の顔安達
時澤さんは、ソニックガーデンとの開発はいかがですか?

時澤の顔時澤
ソニックガーデンさんはたくさんの開発をご経験されているので、「こういうことを実現したい」というこちらの要望に対して、「他のサービスではこういった事例がありますよ」というように、提案の引き出しが多いですね。

安達の顔安達
ありがとうございます。

事前資料のおかげで、ディスカッションが活性化

安達の顔安達
時澤さんは、議論を進めやすくするために、定例ミーティング前に様々な資料を作られているそうですが、負担ではないですか?

時澤の顔時澤
資料を作ることで、僕自身の考えを整理してアウトプットした状態で開発に臨めるので、負担には感じていません。他での開発を経験したことがないので、ソニックガーデンさんとのこの形がデフォルトになっていますね。

安達の顔安達
もう少し資料の内容を詳しく教えて頂けますか?

時澤の顔時澤
何を実現したいのか、その理由をデータとしてまとめたり、反映してほしいお客様の意見をまとめたりしています。ソニックガーデンさんが見て、「これを実現したいならこういった方法があるよ」という風にディスカッションが活性化することを意識しながら作っています。

一郎の顔一郎
実現したいことと、「そもそも」なぜそれを実現したいのか理由を書いてくださり、さらには画面設計をした上で、その裏でこういう風にデータが更新されてほしいという、もはや設計と言っても差し支えないところまで資料が完成されていますよ。

安達の顔安達
時澤さんが前もってそこまで考え抜かれていると、システムのプロとしてプレッシャーはないですか?

一郎の顔一郎
ありますね(笑)時澤さんの考えよりさらに深い「そもそも」論を考えたりします。とは言え時澤さんの意見を覆すことが良いものを作ることではないので、僕の話を聞いて時澤さんがブレなければ、そのまま作ってもいいと思っています。

安達の顔安達
お互いにある意味プレッシャーを掛け合っているんですね(笑)

時澤の顔時澤
自分の意見が全て正しいとは思っていないので、ソニックガーデンさんが別の視点から意見をくれることで、アイデアが醸成されて、さらに良い機能開発に繋がっていると思います。

先週の会議で決めた仕様が、今週の会議では触れるという衝撃

安達の顔安達
これまでを振り返って印象的だった出来事を教えてください。

時澤の顔時澤
僕は4月からシステムのディレクションを担当しているんですけれど、正直なところ初めてのディレクションだったので、最初はゆるい感じでスタートしていくのかと思っていたんです。

安達の顔安達
そうではなかったですか?

時澤の顔時澤
はい。初回から一郎さんに鋭い質問や意見を大量に投げられ、「これはマズい」と焦りました(笑)自分自身が本気で方針を固めていかないと、開発が一切進まないなと感じたことがすごく印象に残っています 。

一郎の顔一郎
優しく「どうしましょうね?」と言っていたつもりですけどね(笑)ただ、勢いで変なものを作ってしまうと後が大変なので、慎重に進めることは重要ですね。

時澤の顔時澤
今はすごく円滑に開発が進んでいますが、最初の頃はそんな感じでびっくりしました 。そのおかげで、今のように事前に資料も作りこむという文化ができました(笑)

安達の顔安達
藤田さんは、何か印象に残っていることはありますか?

藤田の顔藤田
最初に「MAfolova」の開発が始まった時、週単位で開発を進めていくスタイルがとても衝撃的でした。「じゃあ次までにここまでやります」と決まり、翌週には実際にシステムとして形作られたものを触れるのはすごく新鮮でしたね。

安達の顔安達
前職だと、少しずつ開発していくスタイル、いわゆるアジャイル開発*はされていなかったのでしょうか?

アジャイル開発:従来のウォーターフォール開発(初めにシステムの仕様を決め、期間内に開発し納品する方法)と異なり、優先度の高い機能から少しずつ開発を進め、短い期間で改善と開発を繰り返していくスタイル

藤田の顔藤田
していなかったですね。前職ではシステム部門との打ち合わせは月に1回くらいで、あとはメールベースだったので、出来上がったシステムに関して揉めたりすることもよくありました(笑)

「MAfolova」でM&Aを加速させ、黒字倒産を減らし、雇用基盤を守りたい

安達の顔安達
今後のシステムやサービスの改善を含めてソニックガーデンとどういうお付き合いを望まれているかを教えてください。

藤田の顔藤田
月額固定で、コストを抑えた状態で今のように関わって頂けることに感謝しかありません。今後もこの関係性が継続できればと考えています。必ず「MAfolova」を黒字化させたいという想いがあるので、そこに向けてのお力添えを頂ければと思います。

時澤の顔時澤
これからサービスをさらにグロースさせていくにあたって、僕の持っている知見では全然足りないような領域のソリューションが必要になってくると思います。そこに関して豊富なシステム開発のご経験からの意見を頂きたいと思っています。

安達の顔安達
一郎さんはどうですか?

一郎の顔一郎
外部の開発者というよりはチームのメンバーとして接してもらえてますし、自分自身もそういうつもりでやっているので、今のように一緒に悩み、一緒に喜び、一緒に進んでいけたらなと思っています。今後ともよろしくお願いします。

安達の顔安達
では最後に「MAfolova」に対する想いを聞かせてください。

藤田の顔藤田
2025年までに高齢化問題により黒字倒産を選ばざるを得ない会社が約40万社にのぼると言われています。

安達の顔安達
社長が高齢化により退きたいが、後継者がいないから「倒産」を選ぶということですね。

藤田の顔藤田
はい。多くの会社が倒産してしまうということは、そこで働いている社員が職を失うということです。これはかなり社会的な問題になってきていますが、M&Aを加速することで、倒産を防ぐことができます。

安達の顔安達
M&Aが成立すれば、倒産を免れ、社員は働き続けることができますね。

藤田の顔藤田
そうです。雇用であったり雇用基盤を守りたいというのが一番の想いなので、幸せなM&Aを増やしていけるよう、これからも頑張っていきたいと思います。

一郎の顔一郎
チームとして共に頑張っていきます。今日はありがとうございました!


取材を通しての感想は「なんて楽しそうで強そうなチームなんだ!」に尽きます。

お互いの個性や強みを理解し合った上で、遠慮することなく真摯に意見を交わし合える。発注者と開発者の関係ではなく、同じビジョンに向かい、ひとつのサービスを創り上げる。こういった関係性を、きっと「最高のチーム」と呼ぶのではないでしょうか。

互いを尊重し合う、笑いの絶えないチームですが、取り組んでいる社会的課題は、日本の未来にとってかなりインパクトの強い問題です。この国に住み、この国で働く人々の生活が穏やかで幸せであるために、「MAfolova」のさらなる飛躍を願います。


ライティング:岡田由美子
早稲田大学第一文学部在学中より、物書きを目指してひたすらに原稿用紙に文字を埋める日々を過ごす。卒業後、EC系のベンチャーで新規事業の開発に取り組む。現在は二児の育児の傍ら、インタビュー記事や、商品紹介のキャッチなど、また文字の世界へと戻る。

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