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納品のない受託開発で気づいた、「無茶ぶり」の受け取り方

ライティング:遠藤大介
Androidアプリで起業したこともある強者。 ソニックガーデンの技術の切り込み隊長として、様々な新しい技術に挑戦するプログラマ。縁の下の力持ちでもあります。

ソニックガーデンでは「納品のない受託開発(通称n2jk)」という、お客さまと一緒にシステムを作り上げるサービスを提供しています
このサービスは月額定額の顧問スタイルで行っているのですが、お客さまのビジネスの方向性やフェーズの違いがあるため各プログラマに様々なノウハウや気づきが蓄積されています

各々の気づきをみんなで共有するべく、ソニックガーデンでは「俺のn2jk」というイベントを開催しています
この記事では昨年末に行われた「俺のn2jk 2022」で私の発表した内容を紹介しようと思います


目次

    n2jkとは無茶振りされることと見つけたり

    私はソニックガーデンに入って10年ほど経つのですが、その中で色々なお客さまと一緒にシステム開発を行ってきました
    あらためて見直してみると、やはりビジネスにはいくつかのフェーズがあるなと実感しています

    0 → 1 のフェーズ、1 → 10 のフェーズ、10 → 100 のフェーズ・・・

    良く見かける言葉ではあるのですが、それが実感として身についてきた気がします
    そして、フェーズが変わるとプログラマとしての適切な振る舞いが変わるなと思っています

    例えばですが、0 → 1 のフェーズではそもそもエンドユーザ像すらも不確定な場合が多いです
    このフェーズではいかにMVPをミニマムに作って仮説検証を早く回すかという所に注力しますが、これが 1 → 10 やそれ以上になった場合に「仮説検証を早く回すより、しっかりと複雑な機能を作り込む方が大事」という状況になったりする場合もあったりします
    そのため、ビジネスが今どのフェーズにあるのかをプログラマも絶えずキャッチアップして、今はどういう判断をすべきかを思考停止せずに考え続ける必要があります

    ビジネスが成長するとは

    プログラマの視点でビジネスの成長を見た場合、ビジネスの成長とは技術的にも商売的にも未知のチャレンジが連続して続くことだと思っています
    また、0 → 1のフェーズと 1 → 10 のフェーズではプロダクトオーナーの持っている情報の質も色々と変化する場合が多いと感じています

    ソニックガーデンで一緒にチームビルディングプログラムをやってくださった楽天大学の仲山学長の作った公式に

    「判断 = 価値基準 x 入力情報」

    というものがあるのですが、ビジネスが成長してフェーズが変わっていこうとしてる際は価値基準と入力情報の両方ともに変化していく場合が多い気がしています

    そのため、例えば案件の初期のころは「ミニマムな機能を最速で作る」という価値基準だったものが「顧客から引き合いの多い機能をしっかり作る」などに変化していたり、入力情報も「この機能は想定する顧客にヒットするかわからない」といった物から「パイロットユーザから切望されている機能がある」というものに変化していたりすることがあったりします

    そうなってくると、いかにそういった変化を拾い上げるかが大事になってくると思います
    そして、その拾い上げた変化は「無茶振り」に見えたり聞こえたりする場合がそれなりにあるなというのが正直な所感です

    無茶振りを相談できることが価値では

    ここまで振り返っての気づきは、「無茶振りを相談できることが価値なのでは?」というものです
    長いお付き合いの中で、一見すると「無茶振り」に思えるものが出る際はプロダクトオーナーもとても困っている場合が多いなと思います
    対外的なお付き合い的にどーしょもない場合であったり、ものすごいビジネスチャンスが目前に転がり込んでいたり、時には資金的な問題であったり・・・

    そういった時にこそ「相談にのってくれる」「共に考えてくれる」「一緒に走ってくれる」、そう感じてもらえる関係性こそが真のパートナーなのではないかと思いました

    こんなことを考えてる際に、そういえば大好きなフレームワークのメッセージが変わっていた事に気づきました

    Ruby on Rails scales from HELLO WORLD to IPO.

    なんとも欲張りな感じがとても良いですね これを見て

    SonicGarden scales from HELLO WORLD to IPO.

    なんて事を言えるようになる日を目指すのも楽しそうだなと思っています

    最後に

    もちろんなんでも「無茶振り」して欲しい、という話ではないです
    言葉にするとありきたりな感じではありますが、困ったときこそ頼ってもらえる、相談してもらえるという「頼れる存在」で在り続ける為に切磋琢磨することが大事なのではないかということに改めて気づいたという話でした

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