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「自分の頭で考え、創造性を発揮できるプログラマになるために」私たちがふりかえり文化を大切にする理由

ソニックガーデンの大切なカルチャーのひとつである「ふりかえり文化」。ソニックガーデンのメンバーは、全員がふりかえりの時間を必ず取り、自身の成長や、内省の機会とすることを習慣化しています。どうして、ソニックガーデンではふりかえりを大切にしているのか?ソニックガーデンにおけるふりかえりとはどういう意味があるのか?本記事では、「ふりかえり文化」の根底にある考え方について解説します。


目次

    ふりかえりでの「内省」を通じて、「自分自身の経験から学び」を得る

    最初に、ソニックガーデンにおけるふりかえりの概要について説明します。

    大前提として、ソニックガーデンではふりかえりを「いいプログラマになるため」に行うものと捉えています。いいプログラマになるために、ふりかえりでの「内省」を通じて、「自分自身の経験から学び」を得ていく。内省については、後で詳しく触れますが、この前提はぜひ覚えておいていただきたいです。

    もう一つの特徴として、ソニックガーデンのふりかえりでは、ふりかえりを行う本人が主体となります。若手メンバーがふりかえりを行う際は、「親方」と呼ばれるベテランプログラマとペアで行うことがほとんどですが、話をする時間は若手メンバーが圧倒的に長いです。親方がフィードバックをすることはありますが、それはあくまで若手メンバーの内省が捗るようにするものです。

    「上司との面談」とよく勘違いされることもあるのですが、全く違うものになります。面談は、多くの会社にとっては上司から部下に対してアドバイスや不足している点を指摘したり、評価をする機会かと思いますが、ソニックガーデンのふりかえりではそうしたことを目的としていません。

    こうした違いを理解してもらったうえで、ふりかえりはそれを行う本人がいいプログラマになるための場であり、親方はそれをサポートする存在だと認識していただけるといいかと思います。では、ここで言う「いいプログラマ」とは何なのでしょうか?

    ソニックガーデンにとってのいいプログラマとは「創造性」を発揮できる人

    ソニックガーデンでは、プログラマの仕事を「再現性のない仕事」と捉えています。ですから、ソニックガーデンのプログラマは昨日と今日ではやる仕事が常に変わってきます。

    この「再現性のない仕事」において、しっかりと成果を出せるプログラマが、ソニックガーデンにおける「いいプログラマ」です。では、再現性のない仕事で成果を出すために、何が必要かというと、それが「創造性」になります。

    一方、こうした再現性のない仕事と対をなすのが「ルーティンワーク」と言われるものです。マニュアルがあって、そのマニュアル通りに仕事をしていくため、昨日と今日で同じことを繰り返し行うことになります。そのため、「創造性」は必要とされず、言われた通り、マニュアル通りに手を動かすことがよいとされます。

    創造性というと、才能のある限られた人しか持てないと考える人もいるかもしれませんが、それは違います。というのも、ソニックガーデンでは創造性という言葉を「自分の頭で考える」という意味で使っています。ですので、センスがあるないという話ではなくて、鍛錬を積めば誰でも創造性を発揮できる。つまり、自分の頭で考えて仕事ができるようになると私たちは考えているのです。

    納品のない受託開発には、自分の頭で考えることが求められる

    先ほどルーティンワークは創造性を必要としないと述べましたが、それは「自分の頭で考える余地がない」ということだとも言えます。そういった仕様書通り、お客様の要件通りにコードを書くような仕事へのスタンスは、ソニックガーデンが追い求めるプログラマ像とは違ってきます。

    これは、ソニックガーデンが納品のない受託開発を軸にしていることが大きな背景にあります。この納品のない受託開発では、「何を開発すればいいか」「どういうソフトウェアが必要か」からお客様と一緒に考え、開発を進めていきます。こうした開発スタイルでは、昨日まで進めていた方向性を見直し、今日からは違う方向性で開発を進める、といったことが当たり前のように起きます。常に自分の頭で考え、最大限の成果を出せるような開発をお客様と共に追い求めているからです。

    つまり、納品のない受託開発を行うプログラマは、「自分の頭で考える=創造性を発揮」し、再現性のない仕事の中で成果を出すことが求められているとも言えます。こうした力を養うために、ソニックガーデンではふりかえりを重視しているのです。

    ふりかえりをしない=成長機会を逃している

    この創造性を育むために重要となるのが、「内省」です。ふりかえりとは、内省をすることだと冒頭に述べました。この内省によって、自分で考える力、創造性が養われていきます。内省というのは、自分のこれまでの経験から、学びを得て、成長に繋げることです。

    ふりかえりは、「鏡に映る」を意味するリフレクションとも言います。自分と向き合い、何ができるようになったか、何ができなかったか、できるようになるには何をどう改善すればいいかといったことを、すべて経験の中から学んでいきます。

    ただ、この内省というのは意識していないとやらないまま時間が過ぎてしまいます。内省をしていないということは、再現性のない仕事においては「成長機会を逃している」とほぼ同義。ですから、ソニックガーデンでは、若手の内から必ずふりかえりをする習慣を付けるようにしています。

    内省スキルがついてくれば、ふりかえりの時間を取る頻度はどんどん減っていきます。ただ、ふりかえりの時間を取っていないからといって内省していないわけではありません。内省スキルが高まれば高まるほど、日頃から自然とふりかえりができるようになっていくのです。わざわざふりかえりの時間を取らなくても、どんな経験からでも自然と学びを得られる状態とも言えます。

    ただ、いきなり一人だけでその境地までたどり着くのは難しいため、若手メンバーは「鏡役」としてベテランプログラマを相手に、時間をかけて内省スキルを鍛えていくことになります。そうやって、経験をもとに学び、自分で考え、改善する力が付いていけば、創造性を発揮できるようになり、再現性のない仕事でも成果を出せるようになっていくのです。

    成長に繋がる変化を積み重ね「いいプログラマ」になっていく

    こうした、ふりかえりに対する考え方は、採用サイトのTOPページに掲げている「変化の哲学」とも密接に関わってきます。ソニックガーデンでは以前から「Embrace Change 変化を受け入れ変わっていくこと」「Fearless Change 変化を恐れず自ら変えていくこと」「Social Change 自らの変化を周囲に広げていくこと」という3つのChangeを大事にしてきました。それを改めて採用サイト向けに表現したのが「変化の哲学」です。

    ふりかえりを通じて、自ら学びを得ていくのは、変化の哲学を実践するうえでもとても重要なことだとソニックガーデンでは考えています。

    ただ、一言で「変化」と言ってもいろいろあります。闇雲に変わろうとしたり、自分で考えずに周りに流されて変化するのは戦略性がないですし、成長につながりません。また、予測不能な未来を予知して、それに合わせて変わっていこうとするのも、リスクが高いですし、変化が無駄になる可能性もあります。

    ソニックガーデンではこうした変化を求めるのではなく、ふりかえりを通じた変化を大切にしています。なぜなら、そうした自分の経験に基づいた変化は、必ず自分の成長に繋がり、無駄にならないと考えているからです。「どう変化していくのか」も大切で、私たちが重視する変化を実現するためにふりかえり文化がある、とも言えます。

    また、ソニックガーデンでは、ふりかえりの頻度を高めることも大切にしています。例えば、1年に1回だけしかふりかえりをしないとなると、変化が大きすぎて、変わろうと思っても、なかなか変われません。そのため、ふりかえりを小口化することが大切になってきます。内省スキルが発展途中の若手メンバーであっても、一週間に一回であれば、仕事の仕方を変えることはできます。先ほども言ったように、そうやって自分で考えながら、変化していく積み重ねが「創造性の発揮」に繋がっていくのです。

    2つの成長でいいプログラマに

    このように、ふりかえりはソニックガーデンのプログラマが成長するための欠かせないカルチャーとなっています。最後に、成長について、改めて整理してみましょう。私たちが考える成長は大きく2つに分けられます。

    1つは、いいコードを書けるようになること。これには、ふりかえりとは別でコードレビューという文化があります。いわゆる、技術的な成長です。この観点での成長はプログラマにとってはとても大事ですし、成果に直接的に繋がってきます。

    もう1つが今日話しをした、ふりかえりを通じて、創造性を発揮できるようになるという意味での成長です。自分の頭で考えて、改善や仕事ができるようになる。これは、ソニックガーデンが大事にしているセルフマネジメントにも密接に関わっています。ふりかえりによる成長は、セルフマネジメントの5段階において視座が上がっていくことにも関連しています。詳しくは、代表倉貫のブログ記事に書いてあるので、興味のある方は読んでみてください。

    この2つの側面で成長し続けて、再現性のない仕事で成果を出すのがソニックガーデンにとっての「いいプログラマ」と言えるのです。こういったプログラマ像であったり、成長のプロセスを理解し、共感していただけるとうれしいです。

    ライティング:長瀬光弘
    エディター・ライター。メディア運営やコンテンツ制作、コピー開発などコトバに関わる幅広い領域を手掛ける。得意&好きなテーマは組織づくり。岐阜県在住。
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