社内勉強会SG-Tech「RubyKaigi 2026 函館 参加報告会」レポート
ソニックガーデンの社内勉強会「SG-Tech」では、技術の話を中心に社内で知見をシェアしています。 5月のテーマはRubyKaigi 2026(函館)ということで、現地参加したソニックガーデンメンバー5人が集まっての参加報告会となりました。
本レポートでは、勉強会の模様と、RubyKaigiでのソニックガーデンメンバーの様子を、まとめてご紹介します。

(スケジュールを見ながらセッションをふりかえりました)
函館に5名が集まった
RubyKaigiは、Rubyの国際カンファレンスです。世界中からRubyistが集まる年に一度の場で、今年は函館での開催となりました。Ruby on Railsを全社標準の技術として採用しているソニックガーデンではメンバーが継続的に参加しており、今年は5名が現地参加しました。
SG-Techの冒頭では、参加者それぞれにRubyKaigi 2026を一言で振り返ってもらう「チェックイン」から始まりました。セッション数が多く、参加者によって見ていたものが違うので、まずはひとりひとりの体験を聞くところからスタートします。
nobo「なんかちょっとRuby詳しくなったかも」
ikeko「初参加でしたが、思ったより人と話せて楽しかったです」
jnchito「意外と、RubyKaigiは初参加でした」
※jnchito=伊藤淳一は『プロを目指す人のためのRuby入門[改訂2版]』などの著書もあるベテランです。
nitami「ずっといい天気で、桜も満開で、北海道に来るなら今の時期だなと思いました」
tkawa「食べ物が美味しかった……」

持ち帰ったもの──気になったセッション
チェックインのあとは、各自が印象に残ったセッションをざっくばらんに共有しました。参加者によって見ていたものが違うので、報告会ではじめて知る内容もありました。
Matzが「AIと一緒に」作ったコンパイラSpinel
勉強会の中で真っ先に話題にあがったのは、Rubyの生みの親であるMatz(まつもとゆきひろ)氏がキーノートで発表した「Spinel」です。RubyのAOTコンパイラで、ソースコードを事前に機械語へコンパイルして単体の実行ファイルとして動かすツールです。
tkawa「以前から作りたいと言っていたのに、ずっと時間が取れなかったと話していました。それが今回実現したのは、Claude Codeを使い始めたからだと。自分ではほとんどコードを書かずに、AIと対話しながら作ったそうです」
ベンチマーク上では10倍以上の速度向上を示すケースもありましたが、現時点ではRubyのサブセットのみ対応で、RailsやRubyGemsはまだ未対応です。すぐに実用になるものではないものの、「作りたかったが手がつけられなかったものが、AIによってついに実現できた」という事実は印象的でした。
tkawa「Matzは去年のRubyKaigiでは、AIがプログラマーから一番楽しい部分を奪っているという話をしていたのに、今年は自分もそうしている。コードを書く行為よりも、何かを作るために考える部分を楽しんでいるということかもしれないですね。ニコニコしながら話していたので、楽しそうではありました」
泥臭く、地道に──Dateクラスの性能改善
nobo「メンテナーが地道にチューニングしているのを見て、同じ人間なんだなと思いました」
noboがそう語ったのは、「Back to the Roots of Date」というセッションです。RubyのDateクラスの一部メソッドをC言語からRubyで書き直して性能を向上させた取り組みが紹介されました。
条件によってはCよりもRubyの方が速くなるケースがあるそうです。途中でAIが生成したコードが1400%速かった事例も出てきましたが、「全部インライン展開されていてメンテナンスできないコード」だったため採用されず、速度と可読性の間で地道に改良を重ねていく、という内容でした。
「何気なく使っているライブラリを、地道に改善し続けている人がいるんだなと思うと、ありがたい」という感想も上がりました。
Ruby 4.0の新概念「Box」
Ruby 4.0から試験的に導入される「Box」についても話題になりました。アプリの中に仮想的な実行環境を分けて持てる仕組みで、Gemのバージョンを用途ごとに分けたり、モンキーパッチの影響範囲を限定したりといった使い方が想定されています。
今回のRuby Kaigiでも複数のセッションで言及されていました。「まだ使いどころのイメージがわかないけれど、面白いと思って聞いていた」という声が印象的でした。
著者本人による本の販売
会場には書籍の即売コーナーが設けられ、伊藤の新刊『技術記事を書く技術』もそこで展示・販売されました。

持ち込んだ新刊100冊が完売したとのことで、著者の手売りと会場の熱量が合わさった力を感じました。
(兵庫から来た伊藤を囲む、東京と愛知から来た弟子 in 函館)
行った人だけ、ではない学び
SG-Techの良さのひとつは、カンファレンスに参加できなかったメンバーにも体験が届くことです。セッションの技術的な内容だけでなく、会場の雰囲気、コミュニティでの交流、食事の話まで──「行ってきた人が語る」ことで、現地にいなかった人もその場の空気を受け取る会となりました。
ソニックガーデンには、技術を極めようとする仲間がいて、イベントに参加したり、社内勉強会で語り合ったりする日常があります。
そんな職場に興味のある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。
【経歴】広報担当。SIerと出版社を経て、2024年にソニックガーデンに入社。
【ソニックガーデンで働く面白さ】他で聞いたことはないが、言われてみれば納得できるな、という仕事がたくさんあること。