AI活用を語り合う。社内勉強会SG Tech:「AI活用事例の知見共有会」レポート
ソニックガーデンの社内勉強会「SG Tech」運営担当者の後藤です。
ソニックガーデンでは、新しい技術をキャッチアップし、お互いの知見を共有するための社内勉強会「SG Tech」を不定期で開催しています。
今回の記事では、先日開催した「SG Tech: AI活用事例の知見共有会」の模様をレポートします。 ソニックガーデンの社員がどのようなAIに注目し、活用しているのかをまとめていきます。
開催の経緯:お客さまへの価値提供をもっと高めるために
今回の勉強会が企画されたきっかけは、仮想オフィス「world」でのちょっとしたやり取りでした。
「お客さまに対して、AIの活用事例をどのように話せば良いだろうか?」というトピックが立ち上がり、それなら社内に散らばっているAI活用の知見を集めて、回答の題材にできるような機会を作ろうということで、今回の共有会が実現しました。
事前アンケートには36件もの回答が
勉強会の開催にあたり、事前に「AIツールの具体的な活用事例」や「AI活用を通じて解決したい課題・懸念」について社内アンケートを実施しました。すると、36件もの回答が集まりました。
アンケート結果には、プログラマらしく、
- アイデアの壁打ち、Webサイトのモック作成、コード生成
- コーディングや既存実装の解析、エラーログを投げて解析や修正、知らないサービス・ツールの検索
といったコーディングに関わる使い方はもちろん、開発しているソフトウェアの中での活用として
- お問い合わせの一次回答サポート
- 音声入力した情報の校正
といった事例、 さらには、バックオフィス系の、
- 広報担当:記事作成において、Zoomが文字起こししてくれるので圧倒的な時間短縮になっている。
- セキュリティ担当:JIS規格などの入り組んだ日本語を構造化して整理している。
といった、プログラミングの支援以外にも様々な場面でAIが活用されていることがわかりました。
共有会で盛り上がった4つのトピック
当日はアンケート結果をもとに、参加者とともにざっくばらんに深掘りを行いました。その中で特に盛り上がった4つの話題をご紹介します。
1. 問い合わせ対応を効率化する自作「RAG」エージェント
カスタマーサポートを担当するメンバーからは、「マニュアルに書いてある内容の問い合わせ」をAIを活用しつつどのように捌くかが課題として挙がりました。
これに対し、他の社員が社内向けに開発していた「SG Knowledge Agent」というツールが紹介されました。RAG(Retrieval-Augmented Generation: 検索拡張生成)という、生成AIに外部データの検索結果を読み込ませて精度の高い回答生成をする技術を用いたツールです。

こちらは社内のGoogleドライブのフォルダを指定すると、その中のファイルを読み込んで学習(RAG)し、内容に沿って回答してくれる独自のエージェントを作れる仕組みです。こちらを利用すれば、例えば社内ドキュメントをベースにしたAI回答ボットを簡単に構築でき、サポート業務の効率化などに活用できるとのことです。
仕組みの概要についてはツールを開発した本人のブログ記事が公開されていますので、詳細はこちらをご覧ください。
2. 「Claude Code」を安全に使うための社内ルール
プログラマ陣から多く挙がったのが、Claude Codeのセキュリティに関する話題です。便利な反面、意図しない操作を防ぐ必要があります。
ソニックガーデンでは、後述する「AIワーキンググループ」を中心に、Claude Codeに「やらせてはいけないこと」を定義しています 。例えば、.env系のファイルの操作や、rm -fコマンドの実行を禁止するといった設定です。

ローカル環境で安全に動かすためのセットアップや、便利な「スキル」の共有方法についても活発な意見交換が行われました。
3. 「Gamma」を使った効率的なスライド作成
資料作成の話題で挙がったのが、スライド自動生成サービスの「Gamma」です 。あるメンバーは、Gammaにマークダウンなどの形式で情報を渡し、大枠のスライドを生成させてから手直しし、年次の報告書を作成しているとのことでした。
一方で、Gammaのデフォルトの設定では限定URLを知っていれば誰でもアクセスできる状態になってしまうなど共有権限の設定には注意が必要だという、活用するうえでの実践的なナレッジも共有されました。
4. Geminiのモードを使い分けた記事作成
広報のメンバーからは、Geminiを活用したインタビュー記事を作成する方法が共有されました。 ポイントは、Geminiの「思考モード」と「プロモード」の使い分けです。

思考モード(設計・企画向け): まず、取材メモを読み込ませて構成案を作成させる。行間を補った気の利いた構成を作ってくれる。
プロモード(執筆向け): 構成が固まったら、そのままプロモードに切り替えて執筆を依頼。思考モードで執筆させると構成を無視しがちだが、プロモードなら構成を守って的確に内容を補完してくれる。
この使い分けにより、取材の翌日には記事の初稿が完成するという圧倒的なスピードを実現したとのこと。ただし、AIが知らないコンテキスト(社内の文脈など)は、人間が手動で調整する必要があるそうです。
AI-WGでの継続的な研究
ソニックガーデンでは、今回のような単発の勉強会だけでなく、「AI-WG(AIワーキンググループ)」という社内コミュニティが日常的に活動しています。
ワーキンググループ専用の掲示板があり、新しいAIツールの情報、便利な使い方、そしてセキュリティ上の注意点などが日々共有され、議論されています。
AIの進化は非常に早いため、こうした仕組みで常に最新情報をアップデートし合っています。
今後について
今回の「AI活用事例の知見共有会」は、部署の垣根を越えて現場の知見が飛び交う有意義な時間となりました。
ソニックガーデンでは、単にAIを「導入する」だけでなく、現場でどのように使いこなし、価値に変えていくかを考え、日々実践しています。今後も励んでいこうと思います。
