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【#3】仮想オフィス「world」はソニックガーデンそのものである!

私たちらしい働き方のつくりかた

フルリモート化を経て、若手社員を中心に各地のワークプレイスで働く選択肢も持つようになったソニックガーデン。それは、常に自分たちらしい働き方を模索した中での変化でした。

そんな、「私たちらしい働き方のつくりかた」を全3回の特集記事としてお届けします。

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同シリーズの記事一覧
【#1】1人のメンバーの思いを叶えることがフルリモートの原点だった 【#2】変化し続ける働き方 〜僕たちは、オフィスに行きます〜
【#3】仮想オフィス「world」はソニックガーデンそのものである!

ソニックガーデンの働き方の変化を追う特集シリーズ「私たちらしい働き方のつくりかた」。

第3回目は、ソニックガーデンのメンバーが自ら開発を続けるオンライン拠点「world(ワールド)」の変遷を追います。その “小さくて広い世界”が萌芽したのは、まだソニックガーデンのメンバーが10名にも満たない頃。居心地のいい世界をプログラマらしい方法で生み出していく、別の視点での「働き方のつくりかた」をお届けします。

目次

    「せっかくだから、作ろう」

    2013年、岡山在住のメンバー・野上を迎え、ソニックガーデンでは地方在住リモートワーカーが2名になりました。すでに前例があることから、野上のリモートワーク自体については特に抵抗もなく始まりましたが、リモートワーカーが複数になったということで初めて、コミュニケーションの手法についての問題が顕在化します。

    当時のソニックガーデンでは、リモートワーカーと渋谷のオフィスをできるだけ地続きにするために、Skypeを朝から晩までつなぎっぱなしにしてお互いの音声を共有していました。しかし、リモートワーカーが増えたことで、複数の発言が重なる、話題がすれ違うなど、コミュニケーションのもつれが生じるようになったのです。

    これはいかん、ということでコミュニケーションの中心をチャットへ移行します。しかし、ひとつのチャットルームに社員が全員揃っていると、音声チャットと同じような問題が発生し、ますますコミュニケーションがぎくしゃくしてしまう事態に。

    ※当時の様子がわかるブログ記事。
    「「リモートワーク(在宅勤務)を導入するためのポイントと残された課題」

    雑談を共有してこそ生まれる連帯感を大切にしたい。この時点で世の中に存在するチャットツールでは、その思いを叶えてくれるような形のものはありませんでした。

    自分たちのニーズに合ったものがなければ作るしかありません。そして、自分たちの手にはそれを作る技術がある。

    「せっかくだから作ろう」、この言葉を皮切りに、開発が始まりました。

    オンライン上に「社屋」を建てる

    開発は入社間もない野上が担当しました。ほんの数日で完成したそれは、参加しているメンバーひとりひとりの専用チャットがありつつ、お互いのチャットをいつでも見に行き、書き込み合えるというもの。ここにひとつずつ必要な機能を積んでいく形で進化させていこう、そう考えました。

    シンプルだった「ソニックガーデンチャット(仮)」が最初に搭載したのは「顔が見える」機能でした。リアルタイムの動画を繋げてしまうと情報量が多過ぎますし、まして音声がついてくるとそれはオンライン会議になってしまいます。かといっていつも同じアイコンでは存在感が薄い。お互いに「そこにいる」ことがより実感し合えるものにしたい。これを叶えるために考え抜き「2分おきに自動的に撮影を行い、表示する」という形にしました。

    自由に交流できるチャット、顔が見える機能、そして掲示板とを統合させることで、ツールの基礎が出来上がりました。ソニックガーデンはこれをオンライン上の「社屋」と定義し、社員全員が毎日出社する「オフィス」となったのです。「仮想オフィス」という呼び方を始めたのはこの頃。本格的に運用を開始すると同時に「Remotty」と名付け、ひとつのサービスとして世に出してみよう、ということにもなりました。

    「world」誕生

    Remottyは、対外向けの製品ですが、自分たちが毎日出社する事務所でもあります。付けてみたい機能、便利かもしれない機能、足りない機能、バグの修正…思いついたことも必要なことも何でもスピーディに反映させ、検証し、その度にビルを改修増築するように進化し続けました。

    毎日のように新しいことが起きるRemotty。ソニックガーデン社員にとっては日常ですが、外部のユーザーにとってはそうではありません。ある日ログインすると見たことのない機能が増えている。なんとなく見た目が変わっている。これに戸惑うユーザーもまた多かったのです。

    ソニックガーデンにおけるスピード感を、必ずしも全てのユーザーが求めているわけではありません。かと言って、アップデートの前にはリリースを出して、テストをして…と対外的な手順を踏んでいると、ソニックガーデン社内で求められている動きには追いつけず、あまつさえ「鈍い」とさえ思えてしまいます。このジレンマを解消するために、ユーザー向けのRemottyとソニックガーデン社内向けのRemottyを正式に分離させることになりました。

    その時、社内向けRemottyに付けられた名前が「world」。Remottyと区別するためだけに何となく付けられた名前でしたが、今やworldはソニックガーデン自体の存在を形作る、ソニックガーデンそのものです。振り返れば実に運命的なタイミングだったのかもしれません。

    ソニックガーデンそのものであり、世界である。

    ここからRemottyはユーザーニーズに沿った製品として、worldはソニックガーデンによるソニックガーデンのためのオフィスとして、それぞれ独自の進化を遂げることになりました。

    いくつかの機能が試運転されましたが、Zoom連携を強化し会議室を可視化する機能と、社内をフロア分割する機能。この大きな2つの機能が搭載され、worldは「ソニックガーデンオフィス」としてひとつの大きなステージに辿り着きました。現在、worldは、野上から石澤へと管理が引き継がれ、細かいリフォームや修理を重ねながら安定稼働を続けています。

    2023年11月時点のworld全体図

    worldを運用することは、自分たちの家を大切にメンテナンスしながら暮らすことに似ています。

    どんな社屋でどんなふうに仕事をするのか、それを考えることは、経営そのものの在り方に直結しています。独自進化を遂げたworldは、ソニックガーデンの組織づくりの独自性や創造性を体現できる場所。われわれの手で作り上げ、われわれと一緒に成長する、ソニックガーデンそのものであるとも言えるのです。

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    ライティング:土佐 光見
    ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、現在はフリーランス。 趣味は読書、観劇、俳句。
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