"「納品」をなくせばうまくいく" 出版記念〜突撃検証!「納品」をなくせばうまくいくのか!?~3/3


【不定期連載:突撃!隣のソニックガーデン】
ママライター岡田による、ソニックガーデンの人や文化を探るためのインタビュー企画。この連載は、その時その時の熱い人、熱い話題、だけではなく、個人的に気になるアノ事ソノ事についてまで、楽しく聞き出してしまおうという企画です。
ソニックガーデンCEO倉貫義人氏の著書 “「納品」をなくせばうまくいく” を読んで、湧き上がった疑問…。「納品をなくせば本当にうまくいくのか!?人生はどう変わるのか!?」「納品」をなくした開発をすることで実際にどういった変化があったのか、倉貫さんが経営者として実現しようとしていることは実際にメンバーの生き方にどの程度影響しているのか、答えを求めてソニックガーデンエンジニアに突撃取材を決行! 題して「納品をなくせば◎◎だった!」を全3回に分けてお届けする今企画。本日は第3回「遠藤さん&上田さん編」をお送りします。
遠藤 大介さんへのインタビュー
Androidアプリで起業したこともある強者。ソニックガーデンの技術の切り込み隊長として、様々な新しい技術に挑戦するプログラマ。縁の下の力持ちでもあります。
エンジニアとして技術を磨く事に邪魔が入らなくなった
ソニックガーデンに入る前に起業していたこともあって、ソニックガーデンに入ったから劇的に変わった点ではないのですが、「納品のない受託開発」では技術を磨くことに邪魔が入らないというのが、エンジニアとして一番幸せなところです。僕は綺麗なコードを追求することが好きです。その方が機能追加するのも保守するのも楽だし、そこを追求する事で自然と知識が増えて、より速く、より効率よくソフトウェアを書くことができるようになるからです。
「納品のない受託開発」は月額定額で一定の価値を提供することとなっているので、作業の効率化のために全力で努力しても何も問題がおきません。名前の通りで納品がないので、ソフトウェアはずっと機能追加や改善を続けていきます。そのため、コードを綺麗にたもっておかないとすぐに開発スピードがダウンして価値を提供しにくくなってしまいます。 だからこそ、綺麗なコードを保つために努力することが、お客さまに価値を提供し続けるための原動力になります。つまり、自分がやりたい事をやれば、それがお客さまの価値につながるという好循環になっています。
エンジニアリング以外にも考えるべき事が増えた
もともとインフラ周りから設計・実装・運用と、ひと通りやっていたんですが、それに加えてお客さまのビジネスに対する理解力も必要になりました。
それ以外にもデザインやマーケティングなど、守備範囲をどんどん広げていかないと価値を提供しきれない世の中になってきていると感じています。最近はインフラもソフトウェアもどんどんハードルが下がって来ているので、エンジニアとしての価値の提供の仕方が多様化してきているでしょう。
そんなわけで、個人的には将来の不安が増えています(笑)やればやるほど、エンジニアリングの世界も奥が深くて底なし沼ですし、デザインやビジネス周りもいわずもがなです。果たして自分がそれについていけるのか?という危機感はどんどん強くなっています。
ただ、不安は増えているんですが、それと同時に楽しさも増えています。よく言えば制限がないので自由度が高く、悪く言えば色々なことを自分でやらなければいけないので、自分が関わる世界がどんどん広がっているんです。
思ってたよりもプレッシャーはすごい
今のペースだと毎週価値を提供する必要があるので、プレッシャーは結構すごいです。これに関しては想像していた以上かもしれません。 納期まで一ヶ月ある場合なら気分的にも時間的にも余裕があるんですが、「納品のない受託開発」の場合は、お客さまとのミーティングは一週間毎にあり、そこで成果を見せなければいけないので、ある意味毎週が納期みたいなものです(笑)時間的な忙しさがそれほどあるわけではありません。残業しまくってるわけでもなければ、休日出勤してるわけでもないんです。ただ、なぜかすごく忙しく感じます。多分密度がすごい濃いんですね。
働く時間という概念がずれてきた
基本的にいつ働いても成果さえ出ていればOKなので、仕事の時間というものに対しての認識が変わってきました。家で仕事したり、オフィスで仕事したり、早起きして仕事したり、逆に夜に仕事してみたり。働く時間に関しても成果さえ出していれば自由なので、色々試行錯誤できるのが楽しいです。特にソフトウェアは集中できるタイミングで一気に作ったほうが効率良いので、自分にとってベストな時間帯を模索する楽しみがあります。
上田 幸哉さんへのインタビュー
ソニックガーデン最年長プログラマ。納品のない受託開発を世に広め、ソフトウェア産業に革命を起こすのが使命。 将来はソニックガーデンからの暖簾分けを視野に、技術とビジネスを磨くべく日々精進中。 モットーは「一歩を踏み出す勇気」。
「納品のない受託開発」というモデルで働ける喜び
6月からジョインしたばかりなので、「納品のない受託開発」についてはまだ経験が浅いです。ですが、これまでずっとソフトウェア・システム開発に携わってきて、一括受託のやり方については違和感がだんだんと大きくなっていました。
プロジェクトマネージャや顧客(主に下請けだったので、エンドユーザではなく、自身に対しての発注元)と接するようになり、その構造・やり方については、なにかおかしいと強く思うようになりました。
また、いわゆるPGやSEを経験してある一定の年齢になると、管理層への道が用意され、技術の現場から離れてしまうのも、それで良いのか?という疑問もずっともっていました。ソニックガーデンの掲げるビジョンやミッションには共感していたので、このような環境・方向性のもと仕事ができるようになったことがとても嬉しいです。
技術力と、お客様と同じ方向を向いて一緒に進むという意識・考え・習慣
やることや仕事のイメージは事前に修行期間をもっていたので、違和感はありません。しかし、仕事に対するスピード感、スキルはとても高いものが必要になることを改めて実感しています。それらがあっての「納品のない受託開発」です。基本はソフトウェア・システムでお客様の問題や悩みを解決するので、その基盤となる技術力は基本中の基本です。しかし、それだけではダメで、プラスしてお客様と同じ方向を向いて一緒に進むという意識・考え・習慣がとても大切です。
技術力はメンバー中いちばん下手くそなので、日々スキルアップと吸収が求められるし、それに対して近道はなく、ひとつひとつ確実に身に着けていこうと思っています。それらは、なかなかしんどいですが、その先にあるもの、自分の向かう方向が間違っていないと信じているので、進むのみです。
まずは、一人前の「納品のない受託開発」ができるエンジニアになり、メンバーから認めてもらうこと。そして、その延長にお客様からの信頼をいただくことができるはずだと考えています。向かう道を見定め、目の前のひとつひとつの課題を乗り越え吸収することが、今の自分のすべきことです。
それぞれのメンバーとは別々の時間でお話を聞かせてもらいましたが、「プログラマとして一生やっていく自信がついた」と多くのメンバーが語ったことが印象的でした。倉貫さんのビジョンが実現されているし、それに共感し、応える実力のあるエンジニアだからこそ、ソニックガーデンで「納品のない受託開発」に携われるのですね。そんな彼らでも、「プレッシャーはある」と教えてくれました。「責任」という言葉では簡単すぎるほど、覚悟や意思を持って仕事に臨んでいるのだなと感じました。
皆さん、お忙しいところお話を聞かせて頂きありがとうございました!
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