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"「納品」をなくせばうまくいく" 出版記念〜突撃検証!「納品」をなくせばうまくいくのか!?~2/3

【不定期連載:突撃!隣のソニックガーデン】

ママライター岡田による、ソニックガーデンの人や文化を探るためのインタビュー企画。この連載は、その時その時の熱い人、熱い話題、だけではなく、個人的に気になるアノ事ソノ事についてまで、楽しく聞き出してしまおうという企画です。

ソニックガーデンCEO倉貫義人氏の著書 “「納品」をなくせばうまくいく” を読んで、湧き上がった疑問…。「納品をなくせば本当にうまくいくのか!?人生はどう変わるのか!?」「納品」をなくした開発をすることで実際にどういった変化があったのか、倉貫さんが経営者として実現しようとしていることは実際にメンバーの生き方にどの程度影響しているのか、答えを求めてソニックガーデンエンジニアに突撃取材を決行! 題して「納品をなくせば◎◎だった!」を全3回に分けてお届けする今企画。本日は第2回「西見さん&伊藤さん編」をお送りします。

第1回「前田さん&野上さん編」

西見 公宏さんへのインタビュー

ユーザにとっての「わかりやすさ」を追求するユーザー・エクスペリエンスのエキスパートを目指すプログラマ。清く正しく美しいソースコードが好き。将来はハワイでプログラマをすることが夢。

エンジニアとして最善だと思えるものをお客様に提供できるようになった

納品のある受託開発では、必ずしもエンジニアとして最善のものが、納品するものとして最善なものとは限りません。 例えば「テストの自動化」というテーマ1つとっても違います。エンジニアとしては「テストコード」があれば安心してコードを追加することができますし、継続して開発していくことを前提とすれば、既存コードへの影響を考えなくて済む分、生産性も高まります。 しかしそれはあくまでエンジニアとしての立場での話で、マネージャの立場からすれば「そのテストコードを書く工数はどうするんだ」という話になります。

エンジニアの矜持としては、いくら納品するものだからと言っても、ずっと保守していけるようなコードにしたい。そのためにもテストコードを書きたい。エンジニアとして、自分が作り出すプロダクトを精一杯良いものにしたいのです。しかし納品というビジネスモデルがそれを許さない。

「納品のない受託開発」では契約が続く限り、エンジニアがプロダクトの動作に責任を持ちます。エンジニアが動作に責任を持ち続けるので、安定して動作させるためにテストコードを書いたり、改修しやすいようにソースコードを読みやすく変更したり、今後のプロダクトの方向性を見据えて設計を変更したりする合理的な理由があります。つまりエンジニアとして最善だと思えるものをお客様に提供できるようになったので、これはエンジニアとしてはとても嬉しいことなのです。

気兼ねなくエンジニアとしての研鑽を積めるようになった

エンジニアとして最善のものを提供できるようになったので、気兼ねなくエンジニアとしての研鑽を積み続けることができます。これはエンジニアとしての最善≠仕事の最善だったときには違う話でした。エンジニアとして研鑽を積むことが仕事の改善につながらないので、研鑽を積む理由がありません。趣味の世界です。

納品がなくなって、エンジニアとしての価値が直接お客様への価値になりました。これによってエンジニアとしての研鑽を気兼ねなく積めるようになったというのは、個人的にも大きな変化でした。

エンジニアとしての将来に不安がなくなった

気兼ねなくエンジニアとしての研鑽を積めるようになり、エンジニアとしての価値=自分の仕事の価値になったことで、エンジニアとしての将来にも不安がなくなりました。エンジニアとしては、将来の技術の変化についていけるか?というのは大きな不安です。「ついていけないし、エンジニアではなくて違う働き方をする必要があるのかもしれな、でもついていけないからって働き方を変えるのは正しいことなのかな?」と、そういった不安にさらされるわけです。 もちろんエンジニアとしての研鑽を積んでいない人が将来の技術の変化についていけるはずがないです。

伊藤 淳一さんへのインタビュー

SIer、社内SEを経て、ソニックガーデンに合流。保守性、拡張性の高いシンプルなコードを追求するプログラマ。将来の夢はプログラマをみんなの憧れの職業にすること。

優先順位を付けざるを得なくなる

これまでの一括請負のやり方では、納期と見積もりが必要なので、使うかどうか分からない機能もとりあえず範囲に含める必要がありました。機能の漏れをなくさないと、納期前に機能追加・機能変更のリクエストが頻発して、大変なことになるからです。 その結果、仕様が膨らみ、仕様が複雑になり、プログラムも複雑になり、結果として工数もかかり、お金もかかりました。そして納期があるということは、そのラインまでにバグ無しで全てを納品しなければいけないので、直前は徹夜続きのような状態になります。

しかし、「納品のない受託開発」は毎月定額、つまり、毎月作れる量が決まっているので、優先順位を付けざるを得なくなるんです。その結果、お客様もプログラマも本当に必要な物を探します。すぐにいらない物は後回しにします。一括請負なら確実に仕様に含まれてたはずの機能も、思いついたけど後回しにして、そのまま放置している場合も多々あります。そもそも、あまり必要のない機能だったということです。 お客様にもエンジニアにも余計なことをしなくなりました。システムそのものも研ぎ澄まされていくと感じています。

お客様のビジネスに踏み込むようになった

「納品のない受託開発」は毎月定額です。お客様に、私たちの提供するサービスに満足して頂き、長くお付き合いを続けて頂くことが大事なんです。長くお付き合いをして頂くことで成り立つビジネスモデルでもあるからです。 なので、お客様のビジネスが繁盛して貰うことが何よりも大切です。そのために、お客様のビジネスに踏み込んで考えて意見を出すようになりました。お客様とは「一心同体、二人三脚」という感覚です。

作ったものの価値を実感できる

間に下請け孫請けが入ることもないので、お客様と直接やりとり出来ることが、エンジニアとして非常に嬉しいです。自分の作ったプログラムが誰にどうやって使われているのか分かることで、作ったものの価値を実感できるし、やり甲斐にも繋がっています。

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(Social Change! 株式会社ソニックガーデン SonicGarden 代表 倉貫義人のブログ)

ライティング:岡田由美子
早稲田大学第一文学部在学中より、物書きを目指してひたすらに原稿用紙に文字を埋める日々を過ごす。卒業後、EC系のベンチャーで新規事業の開発に取り組む。現在は二児の育児の傍ら、インタビュー記事や、商品紹介のキャッチなど、また文字の世界へと戻る。
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