"「納品」をなくせばうまくいく" 出版記念〜突撃検証!「納品」をなくせばうまくいくのか!?~1/3


【不定期連載:突撃!隣のソニックガーデン】
ママライター岡田による、ソニックガーデンの人や文化を探るためのインタビュー企画。この連載は、その時その時の熱い人、熱い話題、だけではなく、個人的に気になるアノ事ソノ事についてまで、楽しく聞き出してしまおうという企画です。
このたびソニックガーデンCEO倉貫義人氏の著書 “「納品」をなくせばうまくいく” が出版されました。アマゾンでも人気の一冊、私も早速読ませて頂きました。そして、湧き上がった疑問…。
「納品をなくせば本当にうまくいくのか!?人生はどう変わるのか!?」 これは、突撃するしかありません!
エンジニアメンバーにインタビューする許可を、倉貫社長から頂くことに成功!想像も出来なかったソニックガーデン社員の本音が聞ける突撃取材、題して「納品をなくせば◎◎だった!」を、全3回に分けてお届けします。
倉貫さん、おめでとうございます!



メンバーに突撃!「納品」をなくせば○○だった!
皆さん、ほとんどが「納品のない受託開発」以外のお仕事をしてきた時代があると思います。当時と、今の「納品のない」仕事をしている現在で、変化はありましたか?
働き方の変化、気持ちの変化、将来像の変化などが例ですが、見た目の変化や家族の変化など、どんなことでもかまいません。
では、本音でご回答お願いします!
前田 直樹さんへのインタビュー
2011/08から1年間アイルランドのダブリンに滞在していた、Rubyだけでご飯食べてるフリープログラマ。夢は世界中回りながらプログラミングし続けること。
精神的肉体的余裕が生まれた
従来型の受託では、期限が早い段階で切られてしまうことによるシワ寄せが、実装・テストフェーズに来ていたため、無理な残業を強いられることも少なくなかったです。
しかし、納期を定めないことにより、一定のペースで仕事が出来るようになり、精神的にも肉体的にも追い込まれるようなことが減ったと感じています。
もちろん納期が全くないわけではなく、小さな締切りはたくさんあります。例えば、m月d日までには必ずxxという機能が必要になるというようなケースです。ただし、そういった内容も、最短でも一ヶ月前までには伝えてもらうようにお願いをするなどして、なるべく無理をしないで済むように自分自身でコントロールすることが可能になりました。
生涯プログラマでも大丈夫だと確信
かつてはプログラマー35歳定年説なんていう都市伝説を真に受けてキャリアを考えていたこともありましたが、今では一生涯プログラマーでも大丈夫だと確信しています。
毎日成長していると思えるし、楽しくやりがいもあります。もちろん大変なこともありますが、それはどんな仕事でも同じです。上には上がいますし、今はまだ自分のことをずば抜けて優秀なプログラマだとは思えませが、それでも安定した収入を得ながら好きなことを仕事に出来るというのは何事にも変えがたいと感じています。
ソースコードを美しく
以前は、納品物に含まれるからという理由で必要性のよく分からない大量のドキュメントを書いていましたが、大半のドキュメントはすぐに陳腐化し、意味のないものになっていました。今はドキュメントを書かないので、ソースコードを如何に読みやすく、メンテナンスしやすくするかということを考えるようになりました。仕様もドキュメントではなくテストコードで動く仕様書として表現するようになりました。
当事者として自ら提案出来るようになった
従来型のやり方では、プログラマが作業する段階では、既に詳細設計書が決まっており、それに基づいて作るだけという状況が多かったです。そのため、こうした方が使いやすいんじゃないか?といったことをプログラマが提案することは出来ず、決められた通りに作るだけでした。「納品のない受託開発」では、ソフトウェアは常に変化していくものという前提に基づいて作業を進めていくので、最初に決めたものは絶対ではなく、本当に必要なものだけをお客様と直接やりとりしながら作り上げていきます。その過程で、当初必要とされていたものでも作らないことがあったり、逆に突然必要になったものを作ったりということが頻発するようになりました。
作るものに対して、当事者として積極的に関わり、自ら提案できるようになりました。
プライベートの変化
いつどのように仕事を進めるかという裁量がかなり大きくなりましたが、これは言い換えると、何かあればいつでも対応しないといけないということでもあります。
土日に障害が発生した場合、当然対応が必要になるため、基本的にパソコンを持ち歩くようになりました。また、ネットワークの繋がらないような場所には極力行かないようにもなりました。何が言いたいかと言いますと、いい面ばかりではないよということです(笑) とはいえ、メンバー全員がネットワーク圏外なんていうことはまずないので、そこはお互いさまで支え合っていける部分ではあります。
野上 誠司さんへのインタビュー
ものづくりが大好きなプログラマ。様々なプラットフォームでの開発を経験しており、暇さえあればプログラム組んでいます。特にモバイル・アプリケーションでの経験が豊富です。
将来のことを考えすぎなくなった
以前勤めたいたシステム会社だと、10年後、20年後の自分を上司や先輩を見ながら考えることが結構あったんですが、最近はあまり考えなくなりました。
将来に対して、ある程度なんとかなるだろうという感覚が持てるようになったのかもしれません。今の仕事のやり方でより価値を出せるよう精進していけば露頭に迷うことはないだろうという自信がついたのだと思います。
お客様と同じ方向だけを向いていられる
納品型のプロジェクトだと、やはりコストとのバランスや社内政治などの本筋ではないことも色々考えなくてはいけませんでした。今は、そういった事柄に時間を割く必要はなく、
お客様のチームとして、お客様のビジネスを成功させることだけに集中できるようになりました。お客様のプロジェクトに対して、お客様と同じ方向だけを向いて進めていけることで、ストレスはなくなりました。
成果に対するプレッシャーが増えた
「納品のない受託開発」では、毎週、お客様に成果を見せる必要があります。お客様に満足して頂ける結果を作り続けることで、月額定額が成り立っているからです。金額に見合わないと判断されてしまえばお付合いはそこで終わってしまうので、成果に対するプレッシャーは増えました。
楽しい!
総合的に自分らで判断して仕様を作るので、作ってても楽しいです。自分自身でおかしい仕様だなと思いながら作るプログラムは、作っていても楽しくないものです。
あわせて読みたい
プログラマの採用のときに見極めるTIPS〜テクニック・インテリジェンス・パーソナリティ・スピード
(Social Change! 株式会社ソニックガーデン SonicGarden 代表 倉貫義人のブログ)
