自分たちの仮想オフィスを自分たちで良くする 〜1日で11機能を本番リリースした「開発合宿」レポート
ソニックガーデンの弟子たちは、普段は各地の親方の元に散らばって働いています。しかし、そんな弟子たちがリアルに集合して開発に没頭した「開発合宿」を3月に開催しましたので、その様子をレポートします。
いつもは毎月の恒例行事として社内ハッカソンを開催していますが、今回はイレギュラーな形で
・ハッカソンではなく、要件を指定した集中開発。
・普段はオンライン開催なところを、岡山オフィスに弟子が集合し、リアルな「開発合宿」
という特別なイベントでした。
お題はバーチャルオフィスの機能追加
開発テーマは、自社開発のバーチャルオフィス「world」の追加機能。
ソニックガーデンでは朝になるとメンバーがworldにログインし、そこでチャットしたり、オンライン会議をしたりしながら、一日を過ごします。もう10年以上、この仮想オフィスとともに働いてきました。
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毎日使う中での様々な改善要望が積み上がっており、今回その追加開発を一気に進めるべく、弟子を集めての「開発合宿」となりました。
バーチャルオフィスの改善を、リアルに集まって開発する、という試みです。
ペアを組んでひたすら開発
当日は集まったメンバーでペアを組み、積み上がったworld改善要望を各ペアに割り振って実装に入りました。ペアは弟子同士を基本としつつ、「親方ペア」もありました。
worldは10年以上メンテナンスを続けてきたシステムで、機能も多く、コードも入り組んでいます。弟子だけでは手を出しにくい領域もあるし、万が一事故が起きて機能が止まると全社の業務に影響します。
(この合宿、平日にやっておりますので、弟子以外のベテラン達は普通にworldにログインして働いています)
だからこそ今回は親方を巻き込んでの合宿。コードレビューの体制をきちんと整えた上で、作った機能はその場でどんどん本番にマージしていく、というスタイルで進めました。
ほしかった機能が続々実装
この日作られた機能は11個に及び、全てを当日本番に反映するという特急スケジュールで開発を進めました。
作った機能は、
- 思い出機能: 各種イベントをworldにリアルタイム投稿しつつ、それを蓄積して過去の出来事をふりかえる機能。[「思い出にコストをかける」という方針](https://kuranuki.sonicgarden.jp/archives/35819)を、オフィスにも反映したもの。スマホ版も合わせて開発。
- API整備: worldと外部サービスを連携するためのトークンを追加。
- メンションからプロフィール表示: 掲示板のメンションをクリックするとプロフィールが表示される。地味だけど欲しかった機能。
- みんなへのお願い: world上で社員向けの依頼を作る機能の刷新。
- タスク管理の改善: worldに最近追加されたタスク管理機能の強化。
などなど、普段使っていて「こうなったらいいのに」と思っていたものが、次々と形になっていきました。
1日で機能を形にするため、開発ではAIを積極的に活用しました。worldの膨大な既存コードをAIに読み込ませるような、AI開発の知見の共有の良い機会になりました。
極めつけは総勢16人でのモブプログラミングで、せーじ親方がClaude Codeを使いながら開発する様子を囲んで学ぶ場となりました。終わった後に弟子たちがすぐ自分たちのペアで試し始めていたのも、合宿ならではの風景でした。

社内への中継
この日の様子は、「思い出機能」によって、他の社員にも公開されました。 (このリアルタイム中継を実現するため、思い出機能のコア部分だけは、せーじ親方が「AIと2晩で作った」とのこと)
他の社員が普段通りworldで仕事をしていたら、タイムラインに知らない画面が現れ、現地の様子が実況されてきました。

各地で働いているメンバーが、world越しに話に加わります。

開発で駆け抜けた一日は、このままオフィスでの打ち上げになだれ込み、盛況のうちに終わりました。
弟子たちの感想
参加した弟子たちに感想を聞いてきました。
sota(弟子1年目、広島から参加)
兄弟子とペアを組んで、AIツールの使い方を教えてもらいながら進めたのですが、お題の機能を午前中のうちに動くところまで持っていけたことに驚きました。
結局親方のレビューで画面の見づらさを指摘されたのですが、早く作れた分、デザイン改善まで取り組めました。
misamisa(弟子3年目、瀬戸から参加)
当日教わった、既存画面のスクリーンショットをPencil(AIデザインツール)に渡してモックを作り、そのモックをClaude Codeに渡して設計・開発、という手法を試しました。
普段は違う拠点にいる同期とのペアだったので、AIの設定どうしてる? みたいな話を隣でできるのが良かったです。オフラインだと距離が縮まる感じがありますね。
nitami(弟子5年目、東京から参加)
「思い出機能」のモバイル版を開発しました。なんとか夕方に完成させて、「スマホで撮った写真をそのままアップできる」というモバイルの強みを打ち上げで発揮できたので良かったです。
あとは、帰りの新幹線で、後輩の弟子とペアオペしたのも思い出深いです。実は、開発した機能の一部に問題があって削除することになり、車内で一緒に対応しました。これはリアルならではの出来事でした。
リアルに集まって、文化を引き継ぐ
バーチャルオフィスを実際で集まって改善する、という今回の合宿は、普段はなかなか出来ないリアルでの交流や切磋琢磨の場となりました。
親方ペアが開発する姿を肩越しに覗き込んで、自分でも試してみる。終了間際に本番マージして歓声が上がる。翌日はみんなでメンバーの自宅を訪問したり、焼肉を食べに行く。普段は各地に散らばって働いているからこそ、集まったときの密度が濃いものになりました。
合宿を仕掛けたせーじ親方に感想を聞いたら「弟子たちが楽しそうにしてたから、良いんじゃない」と一言。弟子にとっても、親方にとっても、良い合宿だったようです。
自分たちの働く場所を、自分たちの手で、楽しみながら良くしていく。ソニックガーデンが大切にしてきた文化が、弟子たちに賑やかに引き継がれた合宿でした。