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「事業のコア」を押さえることで会員サイトのリプレースに成功 | ワーク・ライフバランス社 事例 2019年02月18日


株式会社ワーク・ライフバランス(以下、WLB社)は、残業が多く生産性が低いとされる日本の働き方に早くから警鐘を鳴らし、労働環境の改善を進めてきた、働き方改革のパイオニア的企業です。民間企業はもちろん、働き方を変えることは難しいと考えられていた製造業やサービス業、行政・研究機関など1,000社以上の改善を手がけ、現在も多くの組織からコンサルティングの依頼が殺到しています。

今回ソニックガーデンは、WLB社が認定するワーク・ライフバランスコンサルタントの養成講座に関するシステムをリプレースしました。担当プログラマは、坂川雅俊と西見公宏。WLB社の工藤真由美さん、吉田拓真さんと一緒に、開発を振り返ります。

「本当は、こんなはずではなかった」システムをリプレース

WLB社は、社員全員がコンサルタント。働き方改革に悩む企業それぞれの課題を見つけ、労働環境の改善プランをオーダーメイドで提案しています。そのコンサルティング方法を公開し、ワークライフバランスを学ぶ場として提供しているのが養成講座です。講座の受講者は、企業の人事担当者やWLB社と同じ志を持つ企業・個人が中心。講座修了後は、認定ワーク・ライフバランスコンサルタントや認定上級ワーク・ライフバランスコンサルタントの資格が得られ(一定の条件あり)、WLB社から活動の支援を受けることができます。

この養成講座の運営を管理するシステムが、今回リプレースを行ったWLBC養成講座会員サイト(以下、WLBC会員サイト)です。本サイトは、受講の申込みや各講座の課題提出・出席管理のほか、受講生・修了生を対象としたコミュニケーションの場として活用されています。また、認定ワーク・ライフバランスコンサルタントとして活動するための資料公開や同資格の継続更新にも対応しており、まさに養成講座のポータルサイトともいえる存在です。しかし、養成講座の認知が広がり、受講生が増えていくにつれて、WLBC会員サイトには課題が見えてきたのです。

株式会社ワーク・ライフバランス 工藤真由美さん。
同社の創業メンバーとして、組織をリードしてきた。

工藤の顔工藤
以前使っていたWLBC会員サイトは、既存のパッケージをカスタマイズしたシステムでした。そのため不必要な機能も残り、受講生から使い方の問合せばかりが殺到する…という状態に困っていたのです。問合せ専門の担当者を必要とするほどで、1日中メールと電話の対応に追われていました。

当時を振り返るのは、WLB社のパートナーコンサルタント・工藤真由美さん。そしてワーク・ライフバランスコンサルタントの傍ら、養成講座の運営事務局を担当している吉田拓真さんも、同サイトのシステムには課題があったと話しました。

吉田の顔吉田
便利になるようにとシステムを導入したのに、目視でチェックが必要など、手動で対応することが多かったですね。システムを使うと、余計に時間がかかってしまうという状況でした。

株式会社ワーク・ライフバランス 吉田拓真さん。
同社に転職後、内閣府や建築関連企業など、多様なクライアントを担当してきた。

もちろんシステムは改善を重ねていましたが、根本的な解決につながらないという日々が続いていました。この相談を受けたWLB社担当のプログラマ・西見公宏は、WLBC会員サイトが本来担うべき役割を、次のように再定義したといいます。

西見の顔西見
養成講座の本質は、受講生を増やし、WLBさんと一緒に働き方改革を進めていくコンサルタントを増やすことです。WLBC会員サイトがあることで、講座と関係のない問合せ対応が増えてしまうことは、本末転倒ですよね。そこで、まずは問合せの数を減らすことを優先したいと考え、WLBC会員サイトのリプレースを提案しました。

コミュニケーションが、システムに対する信頼と安心感を作る

以上の経緯でスタートした、WLBC会員サイトのリプレース。ソニックガーデンの開発手法は、要件定義を決めずに、本当に必要な機能を最適な順番で小さく開発していく「納品のない受託開発」です。従来の開発手法を経験している工藤さんは、その違いを次のように語ります。

工藤の顔工藤
要件定義にそって開発した以前のWLBC会員サイトは、どのようなシステムになるのかが、納品されるまで分かりませんでした。また、要件はビジネスの進捗に応じて変わっていくものです。ですから、いざ完成したシステムを実際に使ってみても、"もっとこうすれば良かった"という悔しさがありました。
一方、ソニックガーデンさんの開発は、"事業のコアな部分を教えてください"という質問からはじまります。すると、コアな部分を押さえた必要最低限のシステムが出来上がってくるのです。そのため私たちは、システムを実際に触って確かめ、少し違うなというときは、話し合いながら軌道修正ができます。そして次に必要な機能を開発していくという手順は、とても心地よいものでした。

ソニックガーデンのプログラマ・西見公宏。
初回の無料コンサルティングからWLB社と関わり、そのビジネスに強く共感している。

また、工藤さんたちの本来の仕事はコンサルタント業。そこで、西見と一緒にWLB社を担当するプログラマ・坂川雅俊は、次のような視点で開発を進行していきました。

坂川の顔坂川
全体をシミュレートして、先のステップを常に考えていました。その上で、工藤さんたちが余裕を持って対応いただけるよう、早めに作業依頼をしています。また、スケジュールが厳しいときは、注力するべきところを押さえ、全体をゆっくりめに進行できるよう話し合いました。スケジュールは、守ることではなくて、何を根拠に進めるかが大切です。その点に気をつけると、不必要なことが削減でき、柔軟な対応ができるようになります。

ソニックガーデンのプログラマ・坂川雅俊。普段は広島県からリモートワークで開発に関わる。

この、先を見据えたコミュニケーションと納品のない受託開発で「システム開発を安心して前へ進められた」という工藤さんと吉田さん。リプレースの重要工程であるユーザー移行についても、事前のコミュニケーションが安心感を生みました。

ユーザー移行で重視するポイントは、リスクのない方法をとること。そこでソニックガーデンは、段階的なユーザー移行を提案しています。それは、養成講座の新規会員を新しいシステムで受け入れ、旧システムからの会員を少しずつ移行していく方法でした。

坂川の顔坂川
ポイントは、通常業務に負荷がかからないようにと考えたことですね。一斉に移行をすると、トラブルが発生する場合があります。リプレースがきっかけで、問合せが増えてしまうという可能性を防ぎたかったんです。

また、新しいWLBC会員サイトではUIにこだわりました。意図している通りのユーザーアクションが取られるか、先に新規ユーザーで検証をすることも考えられています。 しかし、本サイトの改善は大きな課題だったはず。一刻も早く、新しいシステムへ移行したいという気持ちはなかったのでしょうか。

工藤の顔工藤
私たちとソニックガーデンさんは、いつもチームとして話し合う土台があります。データ移行についても"なぜ段階的に行ったほうがいいのか"という理由を、しっかりと話してくださいました。その説明がなければ、私たちもすぐにシステムを移行させたいという焦りが出ていたかもしれません。

リプレースで、問合せ0を実現。受講者へ質の高いサポートができるように

このような取り組みを経て、WLBC会員サイトのリプレースは完了しました。 以前は毎日10件以上、ときには20件から30件の問合せがありましたが、今では問合せのない日が通常というほどに改善しています。

さらに、受講者へプラスアルファのサポートができる余裕が生まれているとのこと。「受講者を増やすだけでなく、より良いコンサルタントを輩出するという、講座のあるべき姿に向けた仕事ができるようになりました。本当にありがとうございます」と吉田さん。

また受講者からの評判も高く、WLB社からのレスポンスが速くなったとの声が多いそうです。前向きな改善につながるリプレースが実現できた理由は、チーム力であると西見は考えます。

西見の顔西見
僕たちは、クライアントと開発会社という関係ではなく、チームなんです。僕たちのほうから、"今、大事にしていることは何か。そして、どのような未来を描いているのか"とWLBさんに尋ねることもあります。それらを目指し、一緒に成功するために何をしたらよいかを考えていく。やはり、知恵はみんなで話して生み出していくことが大事ですね。

ビジネスの質を高め、新しいことへの挑戦をサポートするシステム開発

ソニックガーデンとの取り組みで、システムへの印象が変わったという工藤さんと吉田さん。工藤さんは、新しいことをチャレンジしていく後押しになったと話します。

工藤の顔工藤
私たちは、今あるサービスをもっと良いものへ変えられると信じていますし、それに終わりはありません。以前はサービスにシステムが追いつかないのでは…とためらうことがありましたが、ソニックガーデンさんの開発は、足踏みせずにやるべきことを突き詰めていくほうが大事だと教えてくれます。

また吉田さんも、仕事へのモチベーションがあがったそうです。

吉田の顔吉田
ソニックガーデンさんのすごいところは、先を見据え、もっと良いサービスになるようにと開発を進めてくださるところです。私はシステムに対して、"単に便利にする・作業を効率的にするためのもの"というイメージを持っていましたが、今回このイメージを覆されました。ソニックガーデンさんに関わって頂いたことで、私たちの仕事の付加価値は高まり、私自身も事務局の仕事に更なるやりがいを感じるようになりました。

全員がプログラマ、そしてリモートワークが基本と、働き方への取り組みを進めてきたソニックガーデンにとって、WLB社は強くシンパシーを感じる企業です。西見と坂川は、次のような思いで開発を進めています。

坂川の顔坂川
WLBさんは、世の中に意義のある事業をされていらっしゃいます。働き方を変え、社会をより良いものにしたいという活動の一端を、開発で担っているという気持ちで取り組んでいますし、関われることが嬉しいです。今後も、WLBさんが本当に叶えたいことをお聞きして理解し、僕らからも提案を行い、対話を重ねながら良いものを開発していきたいと思います。

西見の顔西見
WLBさんの組織運営は、ソニックガーデンと似ているところがあります。とくに、採用ですね。企業理念に心から共感できる仲間と、少数精鋭でビジネスをする。強みですが、スケールするという意味では弱みでもあります。そこを僕らがITの力でサポートし、WLBさんの事業をもっと加速させたいです。

WLB社の設立から12年。働き方改革への注目度も高まり、ようやく認知が広がってきたと実感する機会が増えたという工藤さんと吉田さん。しかし、地域や会社規模を問わず、より全国へワークライフバランスを浸透させていかねばなりません。「ワークライフバランス実現の手法や手段に悩む方へ、どのような形で情報を伝えていくか。それを考え広める支援を、ぜひソニックガーデンに協力いただきたい」と話しました。

取材したお客様 株式会社ワーク・ライフバランス https://work-life-b.co.jp/
サービス:WLBC養成講座会員サイト https://wlb-c.com/

[取材・構成・執筆/マチコマキ]

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