インタビュー

キリンの挑戦に伴走した4年。「何が必要かわからない」場所から、前例のない価値を創る。

Cowellnex株式会社さま

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Cowellnex株式会社は、健康に関連する研究・事業を行うキリンホールディングス株式会社のグループ会社です。

『納品のない受託開発』が伴走するのは、調剤薬局版置き薬サービス『premedi』。調剤機会の少ない「ロングテール在庫」に特化し、薬局経営の問題を解決します。

『premedi』は、ありそうでなかった、誰も見たことのないサービス。実証実験を繰り返すことで輪郭を作り、必要な機能を少しずつ開発しながら成長してきました。そんな事業の始まりから、ソニックガーデンの開発責任者との関わり方、事業の「価値」を考えることなどについてお話を伺いました。

インタビューに参加された皆さん

Cowellnex株式会社 premedi事業責任者。2015年にキリンに新卒入社。2019年にキリンビジネスチャレンジへ事業案を応募し、翌年、最終選考を通過。2022年、調剤薬局に向けた新規事業「premedi」をローンチ。2025年5月、同サービスが「日本新規事業大賞 by Startup Japan 2025」にて大賞を受賞。キリンビジネスチャレンジの運営にも携わり、数百件の新規事業の支援を行う。
株式会社ソニックガーデン プログラマ 開発責任者。大学卒業後 SES、SIer でシステム開発の経験を積み、2019年にソニックガーデンに入社。 2021年の開発当初から開発責任者として 「premedi」のプロジェクトに関わる。
Cowellnex株式会社 premedi事業責任者。2015年にキリンに新卒入社。2019年にキリンビジネスチャレンジへ事業案を応募し、翌年、最終選考を通過。2022年、調剤薬局に向けた新規事業「premedi」をローンチ。2025年5月、同サービスが「日本新規事業大賞 by Startup Japan 2025」にて大賞を受賞。キリンビジネスチャレンジの運営にも携わり、数百件の新規事業の支援を行う。

社内新規事業制度から立ち上がったサービス

まず始めに、御社の概要についてお聞かせください。
田中の顔田中
Cowellnex株式会社はキリンと協和キリンの共同出資により2024年9月に設立されました。研究開発、ベンチャー投資、事業開発の相互連携によりイノベーションを創出し、健康を取り巻く社会課題の解決を通じてお客様の潤いある暮らしの実現をサポートします。
その事業のひとつに、今回『納品のない受託開発』が伴走している『premedi』があるわけですね。こちらについてご説明いただけますか?

田中の顔田中
キリンホールディングスの社内新規事業制度を使って最初にアイデアを出したのが『premedi』でした。

『premedi』は調剤薬局の在庫の管理に関する課題解決から発想しています。
調剤薬局では、よく処方される薬とは別に、頻度は低いが確実に求められる「ロングテール在庫」の取り扱いが経営を悩ませます。在庫を持てば廃棄リスクが増え、持たなければ患者の要望に応えられない、多くの薬局が抱えるジレンマです。

『premedi』は、この負担の大きいロングテール在庫を「置き薬」として小ロットで提供し、使わなかった薬は同じ薬価で買い戻すという、これまでにない仕組みを実現しました。在庫リスクを大幅に軽減しつつ、薬局が地域の患者に広く医薬品を提供できるサービスです。

何が必要かもわからない場所からのスタート

『納品のない受託開発』にご依頼いただいたのは、確か2021年頃と記憶しています。われわれソニックガーデンにご相談いただいたきっかけはなんだったんでしょうか?
田中の顔田中
2019年に会社にアイデアを提出して、2020年に社内選考を通過して事業化を目指すことになりました。

そうするとちゃんと予算も付いて本格的に稼働し始めることになるんですが、試験的にしろ、サービスを動かすにはシステムという形で使っていただけるように管理しなきゃいけないですよね。とはいえ発売前ですし、どこまで需要があるか、どんな機能が必要なのかはまだわからない。実証実験を繰り返しつつわかったところから実装していきたいなと考えました。
ないものをつくる、何が必要かもわからない。という状況だったのですね。
田中の顔田中
そのとおりです。いろんなシステム会社に見積もりをとったんですが、普段付き合ってるようなシステム会社は、しっかりと要件定義をして開発をするというスタイルの会社ばかりになります。そもそも要件定義と言われても、何の機能が必要なのかもまったく見えていない状況です。開発のスコープを決めろと言われても相当厳しいな、と思いつつ探す中で、ソニックガーデンさんを紹介してもらいまして。

アジャイル開発というものについてもその時初めて知ったんですが、新規事業にはぴったりのスタイルです。予算的に限られている中で、事業の規模やタイプに合わせてコンパクトにスタートできるというのもメリットです。それがもう他と比べても圧倒的に魅力的に映りまして、ご一緒させていただくことにしました。
ありがとうございます。担当エンジニアである伊野波さんは、開発責任者として最初から関わっていたんですよね。

伊野波の顔伊野波
そうですね、開発当初から担当させていただいています。最初は、薬局さんが使った在庫を補充するという機能しか決まってませんでしたね。
田中の顔田中
そうです。在庫システムの最低限の要件ですね。買ったらプラスされて、使ったらマイナスされる。これだけ。
伊野波の顔伊野波
お客さんに処方した薬品を補充するというのをウェブで管理するものを作りました。
それだけ聞くと、正直既存のサービスでありそうですね。いわゆる在庫管理システムですよね。
田中の顔田中
それが意外とないんです。『premedi』があるようでないサービスだなと実感する最初のポイントでした。在庫システムなんですが、「在庫」を管理してるわけじゃなくて、あくまで「置き薬」の管理です。一部だけ切り取った在庫を管理するので、普通の在庫システムとは思想が違うんですね、だからパッケージではどれもフィットしなかった。

さらに『premedi』は使わなかったら薬をお戻しいただける仕組みです。この「戻す」が難しくて。そんな仕組みないんですよ、普通の商品は売ったら終わりですから。
確かに独特な仕組みですね。売った後も管理し続けて、また戻ってくることがあるかもしれない。
田中の顔田中
そうですね、だからこそ『納品のない受託開発』で、一緒に考えながら作り上げていくことが必要だったのではないかと思っています。

事業の成長を支え続けるパートナー

開発開始から4年が経ちますが、まだゴールではなく、やりたいことが湧き続けている、というような状況ですか?
田中の顔田中
出てきますね。サービスが安定したらしたで、別の課題がどんどん生まれています。最初はとりあえず実証実験なので、外側だけ作るというのがスタートでした。お客さんの反応を見ながら中身を作っていって、進むうちにわかってくる必要な機能を搭載していってという具合です。
田中の顔田中
集客用のランディングページを作っていただいたこともありました。実は『premedi』は売れない時期も割とあったんです。売り方がわからなかったんですよね。これまでにまったくない、誰も知らないサービスですから、魅力の伝え方から試行錯誤しなければならないという課題もあって。
伊野波の顔伊野波
サービスの価値を伝えるのが大変でしたね。
田中の顔田中
思った以上にそうでした。ここも伊野波さんはじめ、ソニックガーデンさんの力がないと乗り越えられなかったフェーズだなと思っています。

今はなんとかそこを乗り越えて、ありがたいことに事業は好調です。現在は事業の成長に合わせて主にバックオフィスの効率化をしていただいています。やればやるほど、想像以上にゴールは来ないものですね。

これまでお付き合いいただいて、印象的だった出来事などはありましたか?
田中の顔田中
アジャイルで進めていると、自分たちが通ってきた道筋を忘れてしまう瞬間があります。でも、この4年間を全部見ていてくれる伊野波さんが誰よりも深く把握していらっしゃるので、安心です。
伊野波の顔伊野波
そうですね。ずっと見ている、知っているというのは結構大事ですね。
田中の顔田中
システムの総責任者って置かなきゃいけないポジションだと思うんですけれど、その役割を担うことのできる人材はなかなかいません。こんなに心強いことはないですね。

一緒に悩んで、いいものつくる

伊野波さんはこの4年間を伴走している身として、何か印象的な出来事はありますか?
伊野波の顔伊野波
一番強く記憶に残ってるのは、さきほども話題に出たランディングページ制作です。『premedi』のLPは途中でリニューアルをしているんですが、その時にあらためてブランディングについてしっかり考えることになったんです。

ただ単にシステムを作るだけではなくて、サービスの価値とは何だろうという部分から、かなり時間をかけて話し合いました。そこが一番記憶に残ってます。
それは得難い経験ですね。エンジニアとしてシステムは作っても、そこを考える機会はあまりない気がします。
伊野波の顔伊野波
外側のデザイン自体はまた別の専門家にお願いしているんですが、そこにも入らせていただいて、一緒に「価値」と「伝え方」を言語化をする作業をしました。自分が関わってるサービスの価値というものに向き合うというのは非常に新鮮な体験です。

田中の顔田中
幅広く対応していただける、一緒に考えていただけるというのはとてもありがたいです。『premedi』は、UIから倉庫稼働、システム連携などなど、始めてみたらものすごく複雑で、開発難易度としても運営としても大変高度なものだと思っています。

正直に言えば、私のプロジェクトマネジメント力だけではかなり難しいプロジェクトです。そこを『納品のない受託開発』で、必要な機能の整理だけにとどまらず、倉庫の作業も含めた業務整理までもしっかりやっていただいて、心強いの一言です。
ありがとうございます。ソニックガーデンは『一緒に悩んで、いいものつくる。』というポリシーでやらせていただいています。

事業責任者と開発責任者が同じ未来を見てシステムを創り上げる

最後に、どんな会社にソニックガーデンの『納品のない受託開発』がフィットするとお考えになりますか? ぜひご意見お聞かせください。
田中の顔田中
作りたいものが定まりきってないチーム、ですね。「これを作りたい」じゃなくて「こういうふうなことをしたい」とか、「こういう世界を作りたい」という、想像している世界はあるんだけれど、まだ形が見え切っていない・形を作れない・自分たちだけでは形にできない、みたいな人たちにぜひおすすめです。

『納品のない受託開発』は単なる開発ではなくて、人と人が関わり合って一緒に新しい仕組みを作ることのできる仕組みだと思っています。弊社は伊野波さんとの出会いが本当にバチっとはまったので、うまくいった。「会社」と仕事するというよりは、「信頼できる人」とシステムを作りたいと望むチームには向いているんじゃないでしょうか。

伊野波の顔伊野波
おっしゃる通りだと思います。『納品のない受託開発』は、ただシステムを作るのではなく、お客様の事業責任者と弊社の開発責任者とが長く伴走し、同じ未来を見つめながらシステムを創り上げるものです。1年2年で終わる関係ではない前提ですので、人と人の付き合いは本当に大切に考えています。
田中の顔田中
本当にありがたいです。今後ともどうぞよろしくお願いします。

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