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新規事業はチャレンジの連続。ソニックガーデンとなら「失敗も成功も笑い合えるチーム」になれる|株式会社ウェザーニューズ/スポーツ気象Webアプリ「MiCATA」 2020年12月14日

「僕らにとって、天気の話は雑談ではないんです」。
こう話すのは、株式会社ウェザーニューズ スポーツ気象チームの浅田佳津雄さんと堀内恒治さん。そして、ソニックガーデンのプログラマ・田中義人です。3人は、スポーツに気象情報を生かすWebアプリケーションMiCATAを、開発・運営しています。

スポーツ気象チームのミッションは、気象情報によるスポーツ環境の向上やアスリート支援です。これまでに、ラグビー日本代表をはじめ、多くのアスリートと一緒に気象データの活用を進めてきました。

この経験をもとに開発されたMiCATAは、競技場のピンポイント気象や、長距離レースのエリアごとの風向き・強さを提供します。気象リスクを考えた準備や試合運びへと繋がり、スポーツに関わるすべての人たちが、安心・安全な環境で競技に臨めるのです。

浅田さんたちが、スポーツ気象で実現したいこと、そして、その中心に位置づけるMiCATAの役割を聞きました。

気象リスクを防ぐために。市場に合わせた気象情報を提供するウェザーニューズ

世界最大級の気象情報会社ウェザーニューズは、民間で唯一自社の気象衛星を持ち、さまざまな企業や生活者へ向けて、細かな気象情報を提供しています。お天気アプリ「ウェザーニュース」も、多くの利用者がいます。

ウェザーニューズの創業は、1986年のこと。爆弾低気圧による船舶の事故に心を痛めた創業者の石橋博良氏が、「気象情報で多くの人の命を救いたい」と起業しました。

全世界の約1万隻の船舶に、安全で経済的な航海計画を提供する航海気象。また、安心・快適な空の旅をサポートする航空気象など、ウェザーニューズは気象情報で国内外のビジネスを支えています。

身近なところでは、コンビニです。前日の温度差や天気の傾向などのデータが、商品の陳列や販売に生かされています。データ化された気象情報が、知見やカンなどの属人的な対応をなくし、販売機会のロスや発注のムダを防いでいるのです。

天気は変えられないが、準備はできる。気象情報でアスリートを支えるスポーツ気象

スポーツ気象チームのリーダーで、MiCATAのプロダクトマネージャーを担う浅田さんは、2015年にウェザーニューズへ転職。かねてから構想していた、スポーツ気象チームを立ち上げます。

学生時代からラグビーに親しんできた浅田さん。後進の育成にも関わっています。将来の日本代表を目指す子どもたちへ、安全なスポーツ環境を提供したいと考えています。

スポーツ気象チームの狙いは、気象情報を生かし、アスリートのパフォーマンスを高めることです。

たとえば、サッカーやラグビーの場合。大雨が降ればグラウンドはぬかるみ、戦略の変更が求められます。マラソンなどの陸上競技も、風の強さや向き、気温に大きく左右される競技です。

しかし、「天気は変えられません。でも、あらかじめ知っていることで、準備ができるんです」と浅田さんが言うように、スポーツ気象があればアスリートは安心して試合に臨めます。まさに、「天気を味方にして勝つ」のです。

2018年からは、気象予報士の堀内さんがスポーツ気象チームに加わりました。

堀内さんは、海の安全を守るライフセービングの活動を続ける中で、台風による海の恐ろしさを実感。気象予報士となり、気象の専門家として人や海を守りたいと考えていました。資格取得後に、ウェザーニューズへ転職し、航海気象の部署を経て、気象予報士の観点からMiCATAのコンテンツ制作を担当しています。

これまでにスポーツ気象チームでは、2015年のラグビーワールドカップに出場した、日本代表チームのエディージャパンをはじめ、4年に1度開催されるスポーツの祭典でも、様々な競技を支援しています。

2016年のリオでは、7競技18チームをサポート。2018年の平昌では、ウインタースポーツもアシストしました。そして現在は、2021年の東京へ向けた準備を進めています。

社内公募をきっかけに、スポーツ気象チームに加わった堀内さん。リオ大会では、おもにトライアスロンや海上競技のサポートを担当しました。

MiCATAで、子どもたちが安心してスポーツをする環境を届けたい

今やスポーツの現場では、データ活用が盛んです。コンディショニングや体調管理、疲労回復のリカバリーなど、あらゆるタッチポイントでデータを収集して分析し、アスリートのパフォーマンス向上に生かしています。もちろん、スポーツ気象が提供するデータも同様です。

しかしスポーツ気象は、プロのアスリートだけを対象としたものではありません。目指すゴールは、天気をすべての人たちの味方にすること。とくに「子どもたちへ安心・安全なスポーツ環境を提供したい」と浅田さんは話します。

浅田の顔浅田
落雷や熱中症など、スポーツの気象リスクは、プロもアマチュアも関係ありません。何より、少年野球やスポーツクラブの子どもたちを最優先に守る必要があります。

気象情報を参考に安全を確保して、日々のスポーツを楽しんでもらいたい。勝負に勝つ・負けるよりも、すべての人が安全にスポーツを楽しめる環境を作りたいのです。

MiCATAは、この「すべての人がスポーツ気象を利用する」を形にしたサービスです。トップアスリートたちとの取り組みから得たノウハウを取り入れたMiCATAは、汎用性高く設計されています。

MiCATAの特徴は、大きく3つ。

1つ目は、時間と場所を指定し、予定から気象情報をカスタマイズできること。また予報は、イベント2週間前から表示され、72時間前、イベント直前からイベント終了まで、最新の情報が細かく反映されます。

2つ目は、スポーツ競技の特徴をおさえた4種類の予報フォーマットです。このフォーマットは、ほとんどの陸上スポーツをカバーするため、ユーザーは自分の競技にあった予報フォーマットを選べます。

そして3つめの特徴は、シェア機能です。コーチや監督だけでなく、選手や関係者にもシェアすると、チーム全員が同じ情報を持って、活動できます。

信頼できる仲間とは、「一緒に挑戦し、失敗にも向き合える」人

では、なぜウェザーニューズは、ソニックガーデンへMiCATAの開発を依頼したのでしょうか。

実は浅田さん、ソニックガーデンが創業した当時からのお付き合いです。ソニックガーデンの納品のない受託開発は、仕様書を作らず、サービスに必要な機能から少しずつ開発し、改善を重ねていく方法。このようなソニックガーデンの方針に共感し、浅田さんは「MiCATAはソニックガーデンとチームを組みたい」と考えていました。

浅田の顔浅田
ソニックガーデンの「ビジネスを一緒に作り、成功させましょう」のスタンスは、素晴らしいと思います。普段のコミュニケーションも、「何を開発しますか?」ではなく、「どんなことを実現しましょうか」と、思いを聞いてくれます。

新しいビジネスには、挑戦やいろいろな失敗がつきものですが、ソニックガーデンは、それらも一緒に向き合ってくれる企業だと信じていました。

また、MiCATAのように、ユーザーの反応を見ながら改善と開発を続ける新規事業には、小さいサイクルでスピーディに開発を繰り返すことが重要です。

堀内の顔堀内
ソニックガーデンとは、毎週の定例やチャットでコミュニケーションしています。田中さんは魔法を使うみたいに、挙がった課題を改善し、翌週にはリリースするんです。

複雑な課題も「小口化」して、どんどん回転よく進めていきます。このスピード感には驚きますし、こうやってサービスはより良くなっていくんだと可視化されて、面白いですね。

画期的な「マラソン向け予報マップ」はどうやってできたのか?

ソニックガーデンの納品のない受託開発では、本当に必要な機能からリリースし、小さな改善を積み重ね、サービスを最適化していきます。

たとえば、マラソンなど広域の競技を想定した予報フォーマットの初期版では、地図と各エリアの天気が表示されていました。

しかしマラソンは、42.195キロを走る競技。選手の移動に合わせて、天気も変わります。サポートする関係者や社内からのフィードバックも受け、「選手が移動する速さから場所と時間を特定し、そのポイントの天気予報を表示するアイディア」が生まれました。

少しずつ追加される機能の背景には、「なぜやるのか?」の理由が明確です。

浅田の顔浅田
マラソン選手は、自分の走る位置が、追い風か向かい風かを知りたいんです。初期のフォーマットからどんどん改善を行い、「あのエリアは追い風だから、一気にスピード上げよう」「このエリアは向かい風なので、選手の後ろに隠れよう」など、レースプランを戦略的に考えられるようになりました。

田中の顔田中
MiCATAには、浅田さんたちが考える、たくさんのアイディアがあります。僕はその中から、「何が最も重要か?」を判断し、完成度を高めてリリースするようにしています。

そのために、浅田さんたちとのディスカッションでは、使いやすさだけでなく、誰が使う機能なのか、なぜやるのか、ユーザーがどう嬉しいのか?も考えます。これを理解することが、適切な判断につながります。

MiCATAを担当するプログラマの田中は、兵庫県からリモートワーク。お客様の本当の目的や課題を考えて、丁寧に対応することがモットーです。

田中に対し、「ユーザーへの影響や、ビジネスの狙いを起点に発想してくれるため、抜群の信頼があります」と浅田さん。細かな指示は出さず、田中からの提案に対してコミュニケーションする方法で、機能の改善を進めています。

また田中にとっても「MiCATAは、技術的な面白さに、たくさんチャレンジできるプロジェクト」です。チームには、信頼感から生まれる、あうんの呼吸がありました。

規模だけでなく、ユーザー1人ひとりの満足度が高いサービスを実現したい

ゲリラ豪雨や台風などの気象リスクが高い日本で取り組む、浅田さんたちのスポーツ気象は、海外からも注目されています。国際的な競技大会の現場でも、その存在感が高まってきました。スポーツ気象、そしてMiCATAの可能性が広がります。

将来の展望を聞くと、堀内さんは、「海のスポーツも含めたコンテンツの拡充と、カレンダー機能など、天気以外のコンテンツも増やし、MiCATAの利便性を総合的に高めていきたい」と話します。

堀内の顔堀内
気象予報士には、“晴れです”とか“今日は何℃です”など、一方的に天気情報を発信する人のイメージがあると思います。私たちも、生活者の皆さんと距離を感じることがあるんです。

でもMiCATAでは、ユーザーがどんな気象情報を求め、どんなふうに使うのか?を知る機会や声をいただくことが多く、気象情報の発信方法を試行錯誤して考える醍醐味があります。天気以外の有益な情報も発信し、MiCATAの追求を通して、“あなたの気象台になる”気持ちで取り組みたいです。

お台場で観測している様子。2021年の東京大会へ向けた準備が進んでいます。

そして浅田さんには、「スポーツ気象を世の中の当たり前にしたい」という夢があります。スポーツに関わるすべての人が、「気象情報を味方につけて勝てた・楽しかった」の喜びを体験し、「スポーツをもっと続けたい」と思う未来図を描いています。

そのためには、ユーザーを増やし、MiCATAの事業を伸ばすことが重要です。しかし、「ビジネス成長だけに気を取られて、向き合わなければならない人を見過ごすようなことはしたくない。僕が、ずっと大事にしていることです」と浅田さん。

浅田の顔浅田
MiCATAのユーザーは増やしたいです。でも、1人のユーザー、1人の選手に満足してもらうことを、絶対に忘れてはいけません。ユーザー 1人ひとりが、「MiCATAがあったから、天気を参考にして良いスポーツの時間が過ごせた」と感じられるサービスを目指したい。

サービスの規模と質、両方をバランス良く考え、プロダクトを成長させたいと思います。

コンテンツの質を高め、拡充しつつ、MiCATAのサービスは「利用者を増やしていく」フェーズへと移っています。そのために、プログラマはどんなことができるのでしょうか。

田中の顔田中
僕が仕事で大切にしていることは、お客様の真の目的や課題を考えることです。MiCATAについても、事業として重要な「新規ユーザーが増えるか」「既存ユーザーの利用頻度が高まるか?」の視点を持って、開発にあたりたいと考えています。

スポーツ気象は、多くの人が関心をもつジャンルだと思います。使いやすさだけでなく、「こんな新しい使い方もできるよ」とMiCATAから提案していきたいです。

浅田の顔浅田
MiCATAを開発することではなくて、事業を成功させたいから、ソニックガーデンとチームになりました。やってよかったねと、早く一緒に喜び合いたいです。

現在のMiCATAは、ユーザーが継続的に気象情報を活用できるように、カスタマーサクセス(ユーザーがサービスを活用し、目的を達成するために支援する施策や仕組みのこと)を強化しています。

MiCATAの便利な使い方を紹介するメールや、設定された予定に合わせた気象情報と対応のアドバイスメールを送信するほか、MiCATA内にお知らせ機能も追加しました。「スポーツに気象を生かすこと」を意識付け、気象リテラシーのレベルアップを期待しています。

今後は、レポートとメモ機能を実装予定です。そして、各ユーザーが記録した内容にウェザーニューズが蓄積してきた気象情報をあわせ、適切な服装やトレーニングの参考になるコンテンツ提供へ繋げていきたいと考えています。

取材をしたお客様:ウェザーニューズ
開発担当サービス:アスリート向け気象サービスMiCATA

インタビュアー/ライティング:マチコマキ
広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。
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