ソニックガーデンは、個々がセルフマネジメントで働くことを前提にした組織です。こうした組織のあり方を実践していくなかで、一般的な会社では当たり前に存在するものが、実はマイナス要因になることがあります。

そのため、私たちは働く環境においてマイナス要因となり得る、「通勤/コアタイム」「管理」「評価」「キャリアパス」をなくしています。これらはすべて、プログラマが活き活きと働くためには不必要だと判断したものばかりです。

ここでは、そんな「ソニックガーデンにない4つのこと」の意図や想いをご説明します。

セルフマネジメントで仕事をするから「通勤/コアタイム」がない

ソニックガーデンでは、契約の形態に関わらず、すべてのメンバーが年俸制を採用しており、始業時間・就業時間やコアタイム・勤務日数の規定が定められている訳ではありません。だいたい週5日1日8時間を個人ごとに判断して、各自が成果を出せるように適切に働きます

ただし、個人で成果さえ出せば良いということではなく、チームとしてお互いにサポートしあえるかどうか、相談に乗れるかどうか、迷惑をかけないかどうかも、各自の判断基準になります。休みも勝手にとるのではなく、チームのメンバーと相談しながら休みます。

ソニックガーデンでは、オフィスにいるかどうかで勤怠管理をしないので通勤は必須ではありません。「納品のない受託開発」のお客さまともオンラインでミーティングをするので、客先派遣もありません。だから在宅勤務はもちろん、どこでも働くことができます

もちろん東京にオフィスはあるので、オフィスに来て仕事をするのは構いません。原則として仕事をしている間は必ず仮想オフィスにログインすることが約束になっています。仕事中はオンラインで繋がっていることが前提です

こうした働きかたの前提にあるのは、各人がセルフマネジメントで仕事ができることです。セルフマネジメントで求められるのは、自分の仕事を自分でするだけでなく、チームとして連動して成果を出せるように動くことです。責任を果たすことで自由が得られます

そんな指示や命令がなく、それぞれが自律的に仕事をしていくチームでは、信頼関係が重要になります。仲間を信頼して任せる、そして任された信頼に応える、そうしていくことで自己組織化されたチームになります。こうして、信頼しあえる人たちと私たちは働きたいと思っています

生産性を高めたいから「管理」がない

「納品のない受託開発」では、ソフトウェア技術を駆使してお客さまの問題解決をします。こうした問題解決の仕事の特徴は、再現性がないことです。どのお客さまでも、どの文脈でも、まったく同じ状況ということはありえないので、その都度、顧問プログラマが一生懸命に考えるしか解決法はありません。

こうした仕事の場合、たとえ上司がいたとしても、現場で働くプログラマの方が何をすればいいか知っている状況になります。こうした状況で、上司の指示をベースにしたマネジメントをしてしまうと、現場のプログラマの柔軟な発想や迅速な対応を阻害しかねません

だから、ソニックガーデンには管理職という存在はいませんし、個々の仕事や働きかたを細かく管理することをしません。顧問プログラマのような自分の頭で考えて、創意工夫を凝らしていく仕事は、働く人のモチベーションで大きく生産性が変わります。

上司がいないということは、明確な指示があるわけではないので、個々人が自律的に働き、セルフマネジメントを行う必要があります。こうした働きかたにモチベーションを感じる人が、ソニックガーデンには集まっているとも言えます。

指示に縛られず、自由に働いてもらうことで、高い生産性を発揮してもらう。そのために、私たちは管理をしない組織をつくっているのです。

個人のビジョンを重視したいから「評価」がない

ソニックガーデンには、評価制度がありません。理由は大きく2つあり、1つはプログラマの仕事は、評価をすることが難しいからです。たくさんコードを書けばいいというものでもありませんし、システムのトラブルが起きなかったかどうかは判定がしづらいからです。

もう1つは、個々人のビジョンを大切にすることで生産性を上げたいからです。仕事に前向きに取り組む「動機づけ」には2種類あります。評価は、「外発的動機づけ」と呼ばれ自分以外の要素から発生する動機づけを言います。一方、ソニックガーデンが大事にしているのは、個々人のビジョン、つまりやりたいことや好きなことから意欲を生み出す「内発的動機づけ」です。

ソニックガーデンにいる人たちは、みんなプログラミングが好きで、自律的に働きたい人たちばかりです。そんな人たちに対して、外発的動機づけを行うと、ストレスが発生し、生産性は著しく低下します。そうではなく、個々のビジョンを叶える環境を会社がつくることに集中した方が、最大限のパフォーマンスを発揮してもらえるはず。そうした考えから、評価制度をなくしたのです。

評価がない代わりに、個々人がビジョンに対してどんなことに取り組んだか、次はどんなチャレンジをするか、といったことを経営陣と定期的に1on1ですりあわせをしています。

一生プログラマでいたいから「キャリアパス」がない

ソニックガーデンにおけるキャリアは「プログラマ」の1種類しかありません。プログラマがある程度の年齢になったらマネージャや管理職にジョブチェンジをしなければいけないというのはナンセンスだと考えています。一生の仕事として腕を磨き続けることができます。

将来にわたって「納品のない受託開発」の顧問プログラマとして経験を積みながら仕事を続けていくことができます。顧問プログラマの仕事の本質は問題解決の能力であり、それはコンサルタントと同様に年齢を経ることでより一層価値を高めていくことができます

また、将来において自ら事業を起こして起業することを考えている人にとっての道筋も用意しています。自分のやりたい事業やビジョンがあるならば、ソニックガーデンはその夢や志を応援します。起業に向けた経験を得る修行であり仲間を見つける場でもあります。

ソニックガーデン自体が社内ベンチャーから始まったことから、社内で立ち上げた事業での起業が成功確率の高い方法だと認識しています。プログラマが起業したい際には、会社をやめる必要はなく、会社として資金面でもバックアップすることで挑戦を支援します

ソニックガーデンには「部活」と呼ばれる活動があります。部活はお客さまのある「納品のない受託開発」と違い、プログラマがチームを組んで、自分たちだけで事業やサービスの企画から運営までのすべてを行う活動です。部活を通じて、事業の経験が得られます

部活から事業化に成功すれば、そのまま起業する道もあります。また起業ではなく、オープンソースへの貢献やNPO活動、書籍執筆などのために時間確保を望むならば、年俸との調整のもと副業も公認しています。プログラマとしての生き方に選択肢を用意しました。