第4回「ブログだけではない。社内SNSの価値を改めて考えてみよう【後編】」

前回は会社にあるお客様の名刺情報を使って社内を活性化している事例をご紹介しました。今回は、多くの会社で実現可能な社内SNS活用のヒントをお伝えします。
社内にすでにある情報を活用する
他にも例があります。多く会社では、社員の所属や過去の実績、一緒に働いていた同僚、といった情報が社内にあるはずです。しかしデータにはなっておらず、共有もされておらず、つながっていない状態にあると思います。
今まで価値がないと思われていたこの情報を、人を介在させてつなげると価値が生まれてきます。昔あのプロジェクトにいた人がどこそこに転勤になったといった情報があれば、かつての付き合いを復活させて、気軽に相談し合える関係を作ることたできます。 部署の履歴、変遷は、会社がどんな舵取りをしてきたかを表しています。ある会社では新規事業がある年に一気にできて、5年くらいでなくなったという歴史が見えてくるかもしれません。その歴史がデータ化されていれば、。後から誰かが新規事業を興そうとしたとき、そのときの当事者に当時の経緯を聞きに行くことができます。
確かに、すべてを社内SNS上だけで行う必要はないですね。
無理に記事を書いてもらわなくても、過去の情報があればそれを見つけて直接聞きに行くことができます。部署やその人の履歴が情報としてあれば、過去の出来事を教えてもらうきっかけになります。会社の歴史を活用すると、元々の目的だったKnow Whoが実現できるのです。無理に記事を書いてもらう必要はありません。 人事部などが持っている情報の活用を考えてみましょう。人事部の観点では現在の情報が一番大事ですから、過去の情報は埋もれていきます。過去の情報を使って人と人をつなげるようなことは考えていないでしょう。
誰がいつどの部署に所属していたか
誰がいつどの部署に所属していたかという情報は、社内で公開していいはずですから、こうした眠っている情報を使って社員同士をつなげ、誰が何を知っているかというKnow Whoを実現するのがよいと思います。 会社の歴史のソーシャル化はまだ誰もやっていません。会社の歴史を活用して、気軽にコミュニケーションができるようになると、社内Facebookに留まらない、社内SNSだからこその効果を出せるのではないかと思います。これからは、こうした社内に埋もれた情報を活用する社内SNSが出てこないといけません。
会社の歴史でソーシャル化のきっかけを作る
すでにある情報を活用するというのは、システム管理部が得意な分野ですね。
そうです。すでにあるものを使ってソーシャル化のきっかけを作ればいいのです。記事を書かせるというのはある意味レベルが高すぎます。また、コミュニティやグループができると生産性は向上しますが、それで解決できるのは、メールなどでも解決できる問題です。社内SNSでは、Know Whoや人と人とのつながりといったことを、データ活用、データマイニングを通じて実現していけばよいと思います。
会社の歴史をデータ化しよう
歴史をデータ化して、人をつなげましょう。1990年の部署一覧、2000年の部署一覧、一覧で見ることができ、クリックしていくと人と人がつながっていくようになったらどうでしょう。過去の思い入れの大きい部署について語る場を作ってもいいでしょう。
また、社長がどんな経歴で社長になったのかとか、社長が入社した当時の社員数はどれくらいだったかというのも、おもしろい情報です。社長が入社したときは20人程度の会社だったかもしれません。20人の会社をイメージすると、偉く見える社長も身近に感じられるかもしれません。どういう道をたどって社長が社長になったかということがわかると、社長の発言の意図もよく見えてくるのではないでしょうか。
歴史は会社の資産
成功の歴史も、失敗の歴史も含めて、会社の資産になりますね。
成功の歴史も、失敗の歴史も含めて、会社の資産になりますね。
歴史のある会社ほど社内SNSに適しているということですね。
そうした社内SNSは製造業のような歴史のある会社にとっても、特に価値があると思います。
どうもありがとうございました。