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ビジネスの力で社会を変える。グアテマラのスペイン語講師の恵まれない境遇を見過ごせなかった〜:スパニッシモ【前編】 2015年09月15日

スパニッシモロゴ

今回は、オンラインスペイン語学習サービス「スパニッシモ」を展開されている特定非営利活動法人SPANISIMO JAPANから有村拓朗さんをお迎えしました。
世界中のスペイン語学習者から、アクセントがクリアで美しく、ゆっくりと話すため高い人気を得ているグアテマラの先生と、Skypeを通じて一対一でスペイン語を学べるのが「スパニッシモ」です。起業を決意するに至った熱い想いと、リニューアルの経緯などを伺いました。

  • ビジネスの力で社会を変える。グアテマラのスペイン語講師の恵まれない境遇を見過ごせなかった〜:スパニッシモ【前編】
  • グアテマラの先生に安定した雇用の創出を。「想い」を持ったベンチャー企業が開発会社に求めるもの〜:スパニッシモ【後編】
  • スペイン語に着目してビジネスを始めたというよりは、結果的にそこに行き着いた

    倉貫の顔倉貫
    今日は宜しくお願いします。まず最初に有村さんの自己紹介から。どういうお仕事をされているのかというところと、経営者に有村さんと吉川さんお二人の名前があるので、お二人の役割分担も教えて頂けますか?

    有村の顔有村
    はい。オンラインのスペイン語学校をやっています、有村拓朗といいます。サービスの名前は「スパニッシモ」という名前で、グアテマラと日本を拠点に活動をしているNPO法人になります。私の他に吉川という共同代表がいて、この2人で2012年の1月21日からサービスの提供を始めています。このサービスを始めた理由は、グアテマラのスペイン語学校の講師が非常に恵まれない環境にいることを知り、それを自分たちのビジネスの力で解決していけないかと思い始めたのがきっかけです。

    倉貫の顔倉貫
    「スパニッシモ」というサービスについてもう少し詳しく知りたいんですけど、具体的にどういうサービスになりますか?

    有村の顔有村
    具体的には、オンラインでSkypeを使ってマンツーマンで授業ができるというサービスです。今、日本では、オンラインでフィリピンの先生と英会話ができるサービスがすごく多いと思うんですが、そのスペイン語版と思って頂いてけっこうです。

    倉貫の顔倉貫
    なぜスペイン語なんですか?

    有村の顔有村
    スペイン語に着目してビジネスを始めたというよりは、結果的にそこに行き着いたんです。私と吉川が日本での会社を退職して、それぞれが「もっと世界を見ていきたい」と思い、中南米をまわる旅をしていたんですが、その旅程において、ブラジル以外が全部スペイン語圏だったんです。僕たちが旅をしていく中で「スペイン語を話せたほうが絶対に楽しい。じゃあ、格安で学べるところはどこなんだろう?」と考え、見つけた地域がグアテマラでした。

    グアテマラの先生方の不安定な雇用と生活を見過ごせなかった

    有村の顔有村
    そこでスペイン語を3カ月間ぐらい学んでいる中で、日常会話位は話せるようになったんですけれど、その中で分かってきたことが色々ありました。1つは、教えてくれている先生たちは、授業中はニコニコ教えてくれているんですけれど、その裏にある実生活が非常に苦しいということです。グアテマラのスペイン語学校自体が非常にいろんな面で脆弱だったんです。どういう面で脆弱だったかと言うと、まず1つは観光業に立脚したサービスであるということ。逆に言うと、観光客にしか依存していないサービスなんです。

    倉貫の顔倉貫
    語学学校が観光客を相手にしているということですか?

    有村の顔有村
    そうです。グアテマラは圧倒的に物価が安いということと、あとスペイン語を話す国々の中で最もゆっくり話す人たちで、発音がクリアであるということで、スペイン語初心者にとっては、学習する場としてすごく最適なんです。だから、日本人が英語の学習のためにフィリピンに気軽に行くみたいな感じで、全世界でスペイン語を学びたい人がグアテマラに行くのは案外普通なことなんです。

    倉貫の顔倉貫
    そうなんですか。

    有村の顔有村
    はい。それが30年前位から始まっていて、「グアテマラでスペイン語を学ぶ」というのは、1つの産業としては存在するんですが、基本的に外国人観光客で成り立っていたサービスなんです。そうすると、観光客が多い時期と少ない時期が必ずある。でも先生たちの数は常に一定、もしくは微増し続けている状態なので、先生たちも不安定な雇用であったり、雇用されなかったりするというような状況があるんです。

    有村の顔有村
    そういった状況の中でサービスを提供しているので、雇用そのものが口約束の契約社員のような状態が多く、彼らは1年間を通じて不安定な生活なんだということが分かってきました。それを私も吉川も見過ごせなくなったんですね。そこで、「現地の語学学校だけではなくて、観光客に依存しないサービスを提供して、彼らが別でお給料をもらうことができれば、この落差をちょっと平準化できるんじゃないか」というふうに思ったんです。それで、グアテマラからオンラインでスペイン語の授業を提供するというのは1つのいい方法なんじゃないかと思って「スパニッシモ」を始めました。

    グアテマラの人たちの素朴さに惹かれた

    倉貫の顔倉貫
    グアテマラ自体は、僕はまだそこまで親しくないというか、詳しくないんですけど。なんとなく、アメリカとメキシコ辺りかなというイメージですが。

    株式会社ソニックガーデン 代表取締役社長 倉貫

    有村の顔有村
    真下にあるんです。南米と北米のちょうど間ぐらいなんですね。国の面積としては、北海道よりもひと回り大きい位です。そこに人口が今1440万人ぐらい、東京都と同じぐらいの人口が住んでいます。コーヒーと、ラム酒が有名で、ロンサカパというお酒は世界3大ラム酒に数えられる位です。当初はそれ位しか僕も知らなくて。あとはスペイン語としても有名な国ですね。

    倉貫の顔倉貫
    でも、そんなに世界のあちこちを旅している中で、グアテマラのどこに惹かれたんでしょうね。

    有村の顔有村
    多分、グアテマラの人たちの素朴さに惹かれたんでしょうね。面白いのは、日本という国はプレートに乗っているんですけど、グアテマラも一緒でプレートの上に乗っている国なんです。だから地震も発生するし、それによって地形も隆起していて火山もすごく多いし、温泉も湧いているし、地形が日本とすごく似ているんです。そこに住んでいる人々の気質もちょっと似ていて、ラテンの人たちの中で最も奥ゆかしい人たちだと僕は思うんです。

    倉貫の顔倉貫
    なるほど。グッと親近感が沸いてグアテマラが好きになり、「なんとかしなきゃ」と思ったんですね。

    グアテマラの先生たちの生活を、自分たちの力で良くできるんじゃないか

    有村の顔有村
    僕は週5日で1日4時間、3カ月間、グアテマラのスペイン語学校で学んでいました。先生たちはとても根気強く、親身になって教えてくれました。こんなに丁寧に教えてくれて優しい先生たちが、実生活では1つ屋根の下で大体3世帯10人位で暮らしていると知り驚きました。みんなそれぞれちゃんと働いて、お金を集めて、そこで共同生活しているんです。グアテマラの通貨から考えると、日本円は大体4倍ぐらいの価値があります。その円をグアテマラで使うだけ使って、「よっしゃ、ええ経験やったわ」と思って次に行くのもいいんですけど、現地で頑張っている人たちの生活を、自分たちのビジネスの力で良くできるんじゃないかと思ったんです。

    倉貫の顔倉貫
    その使命感で今回のサービスを始めたんですね。有村さんには、元から「起業しよう」という想いはあったんですか?

    有村の顔有村
    そうですね。大学のころからずっと「起業はしたいな」と思っていましたが、その頃はすごくミーハーでしたね。僕は大学2年生から3年生のときまでアメリカに留学していて、帰ってきてちょうど就活の時期だったんですけど、みんなと同じことをやるのが好きじゃなかったんです。「みんな就活やっているけど、俺はMBAを取って起業すんねん」と。そうすると周りが「かっこいい!」という感じになるわけです(笑)

    有村の顔有村
    でも途中で「このままじゃダメだ」と気づくときが来たんです。起業して、ものを売るとなったときに、売る力がないとダメだ、と。それを1回はちゃんと社会に出て経験しようと思いました。大学時代、アイデアを形にする作業は色々やってきたけれど、でもそのアイデアをお金に変える力が非常に弱かったんです。そこを、起業しながら学んでもいいけれど、もっと大きなところに入ってちゃんと勉強をしてからでもいいかなと思い、色々就活した結果、リクルートに入りました。

    倉貫の顔倉貫
    一度冷静に考え、1度社会人になったんですね。

    人間性を高めるために「もっと世界をこのタイミングで見てみたい」と思った

    倉貫の顔倉貫
    でもやっぱり起業の思いは消えずに?

    有村の顔有村
    そうですね。同時に、社会人3年目頃、もっと色んな世界を見てみたいという気持ちが強くなり、かつ発展途上国を見て回ることは、自分自身の人間性を大きく高めることにもなるのかなと思い始めたんです。しかも、「途上国に行けば、もしかしたらビジネスの種が見つかるかもしれない」という期待もあり、旅に出ることにしました。「メキシコから入ってブラジルまで行く道中で見つかったらいいな」と思いやっていたんですけど、それは本当に運良く見つかったという感じですね。

    倉貫の顔倉貫
    まずは商売を身に付けるためにリクルートさんに入って、3年か4年頑張って起業するというのは王道ですが、有村さんの場合は起業じゃなくて旅に出たんですね。

    有村の顔有村
    はい。その頃には、起業そのものは目的じゃなくなっていましたね。もし自分がしたいことが明確にあったとして、それが最速でできるのであれば、他の企業に就職してもいいなとは思っていたので。

    有村の顔有村
    それに、起業する、しないに関わらず、「もっと世界を見てみたい」と思ったんです。起業というかビジネスをしたいという思いはあったんですが、そこを優先よりは「もっと色んなことを見に行ったほうが、自分自身の人間性が大きくなるんじゃないかな」という期待のほうが大きかったです。

    有村の顔有村
    それで、ただ観光地を巡ってもそういった体験になかなか巡り会えないだろうから、JICAさんとかレノボ・ジャパンさんにスポンサーをしてもらい、JICAのプロジェクトを見に行くという旅をさせてもらいました。それぞれの国で一番社会問題となっているもの、社会課題になっているものに対して、JICAさんがアプローチしている手法とか、プロジェクトのやり方を学ばせてもらったんです。JICAさんは任期が4年なので、4年間でどうやってコミュニティに入っていって、その中で基礎をつくって、それをどうやって継承していくのかというのをずっと見させてもらっていく中で、共通のパターンがあることに気づきました。「なるほど。異国の地でやっていくにはこういうことが必要なんだな」というのをすごく学ばせてもらいました。グアテマラに戻ってやっているときも、そこでの経験はすごく活きていますね。

    やればやるほどポテンシャルが見えてきて、旅より起業を優先

    倉貫の顔倉貫
    起業されたのは、グアテマラを通過してブラジルまで行き、予定していた旅がすべて終わってからですか?

    有村の顔有村
    実はメキシコからブラジルまで行くというのを1年間でやろうとしたんですけど、中米のパナマの時点で10カ月かけちゃっていて(笑)

    倉貫の顔倉貫
    だいぶ時間がかかっていますね(笑)

    有村の顔有村
    1つの国をじっくり見過ぎました(笑)僕も吉川も観光地にあまり興味がなくて、そこで住んでいる人とか、どうやって生活をしているのかということにすごく興味があって。やっと中米編が終わり、「よし、いざ南米だ」となった時、吉川と話している中で「やっぱりどうしてもグアテマラの先生たちのことが気になるよね」という話になって。そこから自分たちのやりたいサービスが「本当に可能性があるのか、ないのか」というのをパナマで熟考し、「実際にできそうだ、やりたい」となったんです。

    有村の顔有村
    でも、JICAさんとか、他のスポンサーさんたちがいる中で旅をさせて頂いていたので、「そこはもうスポンサーさんたちに言うしかない」と思い、プレゼン資料をつくってSkypeで自分たちの気持ちを話したんです。そうしたら皆さん、本当に懐が深くて、「いいじゃん、本当に見つかって良かったじゃん」「面白いね、やっていきなよ」と言って頂けたんです。なので、その旅をペンディングして、今に至っています。

    倉貫の顔倉貫
    じゃあ、まだ旅の途中なわけですね。

    有村の顔有村
    そうですね。でもこのビジネスはやればやるほどポテンシャルが見えてきて、旅を優先するよりも、いったん本気になって、そこに突っ込んだほうが絶対に大きくなると思ったんです。

    倉貫の顔倉貫
    優先順位はもうスパニッシモと。

    有村の顔有村
    はい。「スパニッシモを大きくして、自分たちで納得するところまで行ってから次のことを考えよう」と2人での話が一致したので、今に至っています。

    起業を決めたときに持っていたのは、パッションとアイデア

    倉貫の顔倉貫
    なるほど。旅の途中で何もない状態から起業されたんですね。

    有村の顔有村
    何もないです。アイデアがあるだけの状態です。それが2011年の10月でした。2011年の1月に旅に出て、2011年の10月にそれを決意して、グアテマラに戻って、2012年の1月にサービスを打ち上げたので、3カ月でサービスをつくりました。それを決めたときに、僕たちが持っていたのはパッションとアイデアです。あえて加えるとしたら僕の「営業力」と、吉川は外資の企業で人事をやっていたので、「人の組織をつくる」スキルでした。


    有村の顔有村
    ウェブサイトに関しては自分たちの力量では及ばず、「システムの構築が必要だ」という話になったときに、いろんな人に声をかけていったら、「面白いじゃん。手伝ってやるよ」と言ってくれる人が現れてくれました。

    倉貫の顔倉貫
    それは日本人の方ですか?

    有村の顔有村
    はい。当時のそのホームページをつくってくれた人はアメリカのサンフランシスコにいて、友達を通じてSkypeで知り合い、Skypeで話をして「面白いから手伝ってあげるよ」と言って頂けたんです。グアテマラとサンフランシスコと日本の3つで、リモートでやりながら3カ月でつくりました。

    倉貫の顔倉貫
    3カ月でちゃんと始められたんですね。

    有村の顔有村
    なせばなる。でも寝てなかったです(笑)

    理念に共感してくれるマリア校長先生との出逢い

    倉貫の顔倉貫
    そのサービスを始めるまでに一番大変だったのは、何でしたか?

    有村の顔有村
    グアテマラでの先生の採用ですね。僕たちはその当時ビザも持っていないし、会社法も分かっていなかったので、業務委託契約が一番簡単で早いと思ったんです。すごく簡単に言うと、スペイン語の語学学校に「僕たちはシステムは持っているんだけど先生は持ってないです。あなたたちは先生を持っているんだけどシステムを持ってないよね」というのを営業しに行って、「こういうことを考えているんだけど、どうですか?一緒に業務提携をしませんか?」という話で入っていきました。

    倉貫の顔倉貫
    いいですね。

    有村の顔有村
    それで現地の人たちと話をしていく中で、ベストなパートナーを見つけるのが一番大変でした。それこそ、グアテマラ自体はスペイン語の学校のメッカと呼ばれているので、100校位学校があるんです。ただやっぱり、そこで吉川と話をしたのは、理念に共感してくれる学校を見つけたいということでした。お金で来る人ってやっぱりお金で去っていくと思っていて。仕方のないことかもしれないですが、特にそういう途上国では、お金が優先になっちゃうことがすごく多かったので。

    有村の顔有村
    100校位あるうちの50校位にどんどんあたっていったんですけど、校長先生に一番最初に話をしに行くと、「面白そうじゃん。で、私のマージンはいくらなの?」という話から当然始まってしまうんです。その中で本当に1校、2校だけ、「あなたたち、いきなり来てよく分かんないけど、私はあなたたちのことを待っていた気がする」と言ってくれる校長先生がいました。

    倉貫の顔倉貫
    出逢えたんですね。

    有村の顔有村
    はい。それが今一緒にやっているカノという学校のマリア校長先生です。彼女はスペイン語学校を30年間経営していて、「ずっと同じような問題を抱えていた」と言ってくれたんです。「正直自分としては心苦しい思いをいっぱいしてきた。30人ぐらい先生たちを持っている中で、1軍、2軍という区分けがある。1軍の人たちはできるだけコンスタントに仕事を与えたいけど、2軍の人たちに対しては、コンスタントに仕事を与えられない時期もある。でも本当は、ちゃんと安定的に給料を払って、スペイン語の先生として仕事をさせてあげたかった」とマリア校長が言われたんです。「僕たちは今回そういう思いを持ってこれをやろうとしているんです」と伝えたとき、「分かんないけど、賭けてみようと思う」と言って頂けて、それで始まったんです。最初の段階で、このパートナーと出逢えることができたのが、やっぱり一番強かったなというふうに思います。

    始めたときも、もう絶対に障害だらけということも分かっていた

    倉貫の顔倉貫
    起業するとき「お金持ちになりたい」とか、学生のときだったら「社長をやってキラキラしたい」みたいな思いで始めていたら、たぶん提携先は相手にしてくれなかったですよね。今回マリア校長のところでうまくいったのは、どっちが先かって言うと、理念が先にあったからなんですよね。

    有村の顔有村
    そうですね。理念が先でやらないと、たぶん苦しいときは乗り越えられないと思っています。このビジネスを始めたときも、もう絶対に障害だらけということも分かっていたんです、絶対に。考えられるものだけでもたくさんあるし、きっと僕らなんかが想像できないようなことがいっぱいある。でもそれはお金目当てでは乗り越えられないから、「こういった未来に向かっていくんだよね、こういったものをつくっていきたいよね」という理念がないと絶対に無理だと思っていて。最初にそこを2人(有村、吉川)で決められたことと、共感してくれるパートナーが見つかったというのが、最初にブーストできた理由かなというふうには思います。

    倉貫の顔倉貫
    創業者お二人でその意識が合ったのは、すごく良かったことですよね。

    有村の顔有村
    そうですね。僕はアイデアはあって、ものを伝えたりとか、売ったりすることはできるけど、自分として商売をしたことはほとんどなくて、それこそフリマで売ったりとかする位でしかなくて。ですが吉川はすごい商売人で、大学時代から色んなことをやっていたんです。彼は世界中で面白いと思ったものを仕入れて、例えばシーシャという水タバコなどを日本の飲食店に売ったりとか、あとは車をタンザニアに輸出したりとか、もういろんなことをやっていたんです。

    倉貫の顔倉貫
    学生がやることじゃない(笑)

    有村の顔有村
    学生がやることじゃないことをいろいろ彼はやっていて、いろんな経験をしてきている中で、お金先行でやるものってなかなか残りにくいというか、続きにくいという話を2人でして。話をしていく中で、「金儲けのためなんだったら、このビジネスはやらないほうがいい」と思ったんですよね。

    自分たちがインパクトを与えて、その地域が変わっていくようなことができたらいい

    有村の顔有村
    グアテマラってコーヒーもすごく有名だし、織物もすごくきれいなんです。なんでか分かんないけど古着もよく流れ着くんです。となったら、一番簡単なのは、安く仕入れて違う国に高く売るという、右から左に流して利ざやを稼ぐビジネスが一番簡単なんです、金だけを儲けようと思ったら。「でも、それはもう燃えないよね」という話をしていて(笑)

    有村の顔有村
    自分たちがインパクトを与えて、その地域が変わっていくようなことができたらいいなと。でも、そこを共有できたのは、やっぱりJICAのプロジェクトをそれぞれ見てきたからでした。JICAの専門家の隊員さんがめっちゃ熱いんですよ、みんな。いかにしてその地域を変えていくかをめちゃくちゃ考えていて、4年間という限られた時間の中で必死にプロジェクトを回している姿を見て、感銘を受けたというのがすごく大きかったと思います。

    倉貫の顔倉貫
    まだ若くして起業したのに、その理念先行で思っているのは、素晴らしいなと思います。僕らのお客さんの多くは、ある程度経験を経て、35歳を越えて起業する人たちが多いので、そういう人たちはもうある程度やり尽くして、「これから先はちょっと世の中のために頑張るか」という思考なんです。お金よりも社会のためにというのが大事になってきて「起業しよう」という人たちが多くて応援しているんですけど、まだ若いのによくそこにたどり着いたなって思います。

    有村の顔有村
    本当は僕もそれこそ「資産何億とかを持っている状態でここにたどり着きました」と言ってみたいです。様々なことに余裕を持って取り組めるので(笑)

    人は生まれながらにして平等ではない、でもその前提を揃えていくことはできる

    有村の顔有村
    たぶんこれは僕自身が経営者として一番弱いと自分で自覚している部分なんですけど、お金に対する執着心が薄いせいなんだと思います。お金で買えるものに対する欲があまりなくて(笑)むしろ、もっとみんなと楽しい時間を過ごすことであったり、そんな経験のために僕自身が人の役に立ち誰かが喜んでくれることを、喜ぶタイプなんですよね。

    倉貫の顔倉貫
    これから起業する人たちって所有欲とかあまりないと思うんです。これはたぶん日本の社会情勢のせいで、僕らより若い人たちは、停滞する日本しか見たことがないんですよね。停滞している日本の中で何に価値があるのかと。停滞はしているんだけど、世界で見たらよっぽどいい水準の生活をしていて、年収300万でも500万でも1000万でも変わらない生活をできるのが日本ですよね。

    有村の顔有村
    そうですね。

    倉貫の顔倉貫
    だとしたら、僕らが求めているものはお金ではなくて。お金ではない価値観を持って、でも、社会問題を解決しなきゃいけないので、日本やアメリカは課題先進国と言われているんですね。ただの経済先進国じゃなくて、課題のほうが先にたくさんあって、課題をどう解決するかというのが今すごく問題になっている。これから起業する人たちがビジネスセンスを持って、お金儲けではなく、あくまでビジネスを回すためのお金を確保し、政治の力ではなくてビジネスの力で社会を変えていく人たちが、今後きっと増えてくるんじゃないかなと考えています。今日、その1人と会ったと、今話をしていて思いましたね。

    有村の顔有村
    これは僕自身のたぶん生い立ちによるところだと思うんですが、やっぱり大きく頑張った人間が報われるのが僕は正しいと考えています。最初からハンデがある状態で始まるのって、あまりフェアじゃないと思っていて。もちろん人は生まれながらにして平等ではないんだけど、でもその前提を揃えていくことはビジネスの力でできると思っていて、その前提を揃えてから「頑張れ」という世の中にもっとなっていけばいいなと個人的には思っています。

    有村の顔有村
    僕自身が、日本人として生まれて、ほぼ何不自由ない生活をさせてもらっているのは、たまたま日本人の家庭に生まれて、教育して貰えたからです。でも、それはたまたまなんですよね。「僕がやってきた生活をグアテマラの人が受けられない、アフリカの誰かが受けられないのは仕方ないよね」というよりは、できるだけ平準にしていったほうがいい世の中になるのかなって個人的には思っています。今回のグアテマラで出逢ったことも、まさに、彼らがたまたまそういう環境にあるところを、自分が持っている知識で変えられるんだったらいいじゃんという気持ちですね。

    グアテマラの先生に安定した雇用の創出を ~後編はこちら~

    スパニッシモ

    スパニッシモ: [オンラインスペイン語学習サービス] http://www.spani-simo.com/

    【お知らせ】ソニックガーデンの本が出ました!

    リモートチームでうまくいく~マネジメントの"常識"を変える新しいワークスタイル

    企業に所属することで得られる安定と、自分の好きな場所で働く自由を両立できる新しいワークスタイルとして注目を集めている「リモートワーク」。本書はそのリモートワークが抱える問題に対してソニックガーデンが実践してきた取り組みと、そのノウハウから生まれた「リモートチーム」というマネジメントの手法についてまとめています。あらゆる組織、チームのマネジメントと個々人の働き方を考えるヒントとなる一冊です。(著者:倉貫義人 出版:日本実業出版社)

    「納品」をなくせばうまくいく~ソフトウェア業界の"常識"を変えるビジネスモデル
    「納品」をなくせばうまくいく 表紙

    本書は、IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまおうという試みです。ソフトウェア業界にはびこる多くの問題を解決するために取り組んだ新しいビジネスモデル「納品のない受託開発」について書いています。「受託開発」なのに「納品」をしない、なぜそんなことをやっているのか、そして、なぜそんなことが実現できるのか、その秘密について解説したのが本書です。(著者:倉貫義人 出版:日本実業出版社)