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東京ガス発のベンチャー・スミレナに聞く、新規事業の成長を支える開発体制とは? 2021年10月22日

東京ガスの新規事業としてスタートしたスミレナは、コンロ、給湯器、バスルームなどリフォームを、月額の分割払いで利用できるサービスです。リフォームから生活の小さな悩みを解決し、「自分らしい幸せのある暮らし」をお客様へ提供しています。

お客様や市場の反応を見ながらのサービス改善が前提の新規事業には、スピーディで柔軟性の高い開発環境が欠かせません。ソニックガーデンは、スミレナのサービス開始後から開発に関わり、スミレナの大橋さん、鶴岡さんと一緒にワンチームで機能追加やシステムの改善に取り組んできました。

順調に成長を続けるスミレナですが、実はサービスを始めてすぐに事業モデルを変える決断をしたと言います。スミレナのこれまでの歩みと、新規事業開発や事業パートナー選びのポイントをうかがいました。

インタビューに参加された皆さん

システム統括兼、スミレナの納品のない受託開発プロダクトオーナー。サービスの設計から、バックオフィス業務まで幅広く担当。
大橋さんと一緒に、スミレナに関する幅広い業務を担当。スミレナの準備組織からのメンバー。
ソニックガーデンのプログラマ。コミュニケーション大好き。対話とアイデアで課題解決できた瞬間が至福の時。
システム統括兼、スミレナの納品のない受託開発プロダクトオーナー。サービスの設計から、バックオフィス業務まで幅広く担当。

リフォームの困ったを解決する、東京ガスの新規事業スミレナ

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はじめに、スミレナの事業を教えてください。

大橋の顔大橋
スミレナは、コンロなどのガス機器やキッチン、トイレ、お風呂といった住宅設備のリフォームをご提供しています。東京ガスの新規事業として、2019年12月に法人化し、2020年の6月からサービスをスタートしました。現在は、関東圏を中心に展開しています。

鶴岡の顔鶴岡
スミレナの特徴は、実店舗を持たず、リフォームの相談から検討、ご契約までがオンラインで完結できることです。私たちのお客様は、仕事もプライベートも忙しい40代〜50代の方々が中心です。皆さまからは、「メールやLINEなどで都合の良い時間に相談できる」と、大変喜ばれています。

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スミレナのウェブサイト。東京ガスグループだからこその安心感も、人気のポイント。

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コロナ禍で対面コミュニケーションが難しい時期ですから、その点でも安心ですね。

大橋の顔大橋
はい。さらにスミレナは、リフォームにかかる費用が手数料ゼロ円で分割払いできます。初期費用もかかりません。「気に入ったキッチンがあるけれど、予算との兼ね合いが…」のようなお悩みも、解決できます。

実は、リフォームを依頼されるお客様の多くが、急な出費に悩まれているんです。「突然お風呂が壊れてリフォームしたけれど、痛い出費だった」のケースは、珍しくありません。さらに、設備が壊れていてもガマンして使い続けるというお客様も多いんです。

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たしかに、「キッチンの戸棚が壊れているけど、お金もかかるしガマンすれば使えないこともないな」と、考えてしまいそうです。

大橋の顔大橋
そんなふうに、毎日の暮らしの中で少しずつガマンしていることってありますよね。スミレナは、「自分らしい幸せと暮らそう」のスローガンのもと、リフォームから家の中にある積み重なった小さな悩みを取り除いて、お客様の「自分らしい暮らし」を作るお手伝いをしたいと考えています。

仮説が違った! 事業モデルをピボットした理由

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では、今回ソニックガーデンにスミレナの開発を依頼された経緯を教えてください。

大橋の顔大橋
もともと、『「納品」をなくせばうまくいく』(ソニックガーデン社長 倉貫義人・著)をきっかけにソニックガーデンを知り、開発スタイルに共感したんです。

スミレナはベンチャーですから、お客様の声を反映したスピーディなサービス改善が必要です。たとえば、お悩み相談フォームからの「LINEで相談」は、お客様の利便性を考えて後から追加した機能なんです。

鶴岡の顔鶴岡
こうした柔軟な対応を、仕様を決めて見積もりを出して納品する従来のウォーターフォール開発に求めるのは、どうしても難しいところ。そこで、スミレナのサービス開始をきっかけに、あらためてソニックガーデンに開発をお願いしました。

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スミレナをスタートされてから、1年が経ちました。どのようにして、サービスを拡大してきたのでしょうか。

大橋の顔大橋
実は事業開始後に、事業モデルの変換を経営層が判断しました。当初のスミレナは、今とは異なるセルフサービスモデルだったんです。

世の中にはリフォーム関連の情報があふれていますし、量販店などで設備や商品を気軽に見られる環境もあります。ですから、お客様ご自身で情報を集めて検討し、自由に購入できるサービスが好まれるだろうと考えていました。ホームページのデザインも、ECを意識していましたね。

鶴岡の顔鶴岡
ですが、スミレナをスタートしてお客様の声を聞いていくと、私たちの視点が違っていたことに気づいたんです。情報はたくさんありますが、お客様は「どれが正しい情報なのか、わからない」と困っていらっしゃいました。

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情報が多すぎて、逆に迷ってしまっていたんですね。

大橋の顔大橋
そうです。さらに、リフォーム全般に対する不安や不信もあり、「信頼のおける会社に相談したい」がお客様のインサイトでした。

そこで、Webのコンバージョンポイントを見直して、いきなりお申込みではなく、まずはお問い合わせをいただき、インサイドセールスでお客様とコミュニケーションするモデルに変換したんです。

鶴岡の顔鶴岡
ホームページのコンテンツも変わりました。コンロやキッチンなど商品紹介のコラムやリフォームのハウツーといった発信を増やし、正しい情報をしっかり伝え、お客様に信頼感を感じていただける設計にしています。

データだけに頼らない。サービス改善のヒントは、お客様の声にある

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事業モデルが変わったことに伴い、機能追加やサービス改善の開発と対応すべき案件が多かったのではないかと思います。どのようにして、開発の優先順位を決めていますか。

近藤の顔近藤
Google Analyticsなどのデータも参考にしていますが、スミレナさんは、とてもお客様の声を大切にされています。

大橋の顔大橋
私たちは、自分達で考えすぎないことを意識しています。たとえば、私たちがベストだと思っているデザインやフォームが、お客様にとっては使いづらいケースがあるかもしれません。そういった感覚のズレを確認するためにも、月に何件もお客様インタビューを行い、改善点を探っています。

鶴岡の顔鶴岡
とくにお見積もりフォームの改善は、お客様の声を重視しています。スミレナは申し込みまですべてオンラインで完結するため、お見積もりフォームの通過率が重要な指標のひとつです。

近藤の顔近藤
これまでも、フォームは工数をかけて改善を繰り返してきましたね。

鶴岡の顔鶴岡
はい。そんな中、とあるお客様インタビューで「お見積もりフォームの1ページ目にあった金額シミュレーションが、とてもわかりやすかった」の声を複数いただいたんです。

そのページは、オプションを選択していただくために用意していたコンテンツで、表記も「オプション選択」でした。

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現在の金額シミュレーションのページ。

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支払い期間を選ぶと、月額の料金目安がわかる(画像はサンプルです)。

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確かに、月々どのくらいの支払いになるのかは気になります。

鶴岡の顔鶴岡
そこで「金額のシミュレーションにニーズがあるのでは?」の仮説を立てて、お見積もりフォームから金額シミュレーションを独立させました。すると、金額シミュレーションへのアクセスが増え、お見積もりフォームへの流入も4倍に増えたんです。さらに、お申し込みや相談などのコンバージョンも大きく改善しました。

大橋の顔大橋
金額シミュレーションの独立は、自分たちだけでは辿り着けなかった視点でした。さらに、お客様の声をすぐにサービスへ反映できる開発体制があるからこそ、できたことです。荒削りでも仮説を試して、ダメだったら戻せばいい。頼れる開発体制があるから、すばやくPDCAが回せています。

正解が変わり続ける新規事業だから、納品のない受託開発がフィットする

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新規事業の改善サイクルに、しっかりと開発が併走する体制ができていますね。

鶴岡の顔鶴岡
近藤さんには、「なぜフォームの離脱が多いのだろう」といったところから、相談しています。そこから一緒にディスカッションして、何を作るか?を考えていますね。私たちで機能を考え、「これを作ってください」はありません。

近藤の顔近藤
大橋さんたちは「こんな事象があるんです」の段階から相談してくださるので、私も「どうしてだろう?」「こういう機能はどうかな?」と考えを広げながら、定例でお話しています。ときには私のアイディアが採用されることもあり、開発が楽しいです。

大橋の顔大橋
距離感としては内製の開発チームに近いのですが、ちょっと違う感覚です。適度な緊張感を持ちながら取り組めているのは、ソニックガーデンだからです。

鶴岡の顔鶴岡
そうですね。近藤さんから客観的なご意見をいただけることが、すごくあたりがたいです。それに、自社でハイレベルなプログラマの採用は簡単ではありませんし、良いチームとして動けるかは別の問題です。高いプログラミングスキルとチームビルディングの両方が叶う納品のない受託開発は、心強いですし、安心できますね。

近藤の顔近藤
ありがとうございます。納品のない受託開発は、やはり「納品がない」ことに戸惑いを感じるお客様が多いと思うんです。しかし、スミレナのような新規事業は、正解がどんどん変化していきますから、それに合わせて成果を出し続けるような開発が必要です。

ここで私たちソニックガーデンのプログラマが心がけているのは、お客様と向き合うのではなく、お客様と一緒にお客様の課題と向き合うこと。私も、スミレナの課題に対して向き合う「問題 VS 私たち」の立場で考え、開発しています。

新規事業のパートナー選び、3つのポイント

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ここからは、新規事業開発のポイントをうかがいます。
大企業の新規事業開発は、既存ビジネスとの関わりやステイクホルダーの多さがあり、事業化が難しいケースも少なくありません。

大橋の顔大橋
スミレナの場合は、東京ガスから別法人にしたことが大きな決断だったと思います。お客様の声などの一次情報を、自分達で取りに行けますし、すぐに議論と開発ができる体制がありますね。

鶴岡の顔鶴岡
大企業発の新規事業のため、ステイクホルダーは少なくはないのですが、お客様の声と実データ、そして成果を持って話せば、理解いただけるようになりました。成長に伴って、スミレナの個性も出てきています。

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では、新規事業のパートナー選びに、どのような視点が大切だと考えますか?

大橋の顔大橋
大きく3つあります。1つ目は自分ごととして考えてくれるパートナーであることです。言われたものを作る、言われた通りに対応するのではなく、自分ごと化して事業の成長にコミットいただけるパートナーは頼れますね。

2つ目はスピードで、3つ目は少人数の環境です。一般的な話として、大企業はステイクホルダーが多い分、意思決定が遅くなります。しかし「答え」は、市場やお客様が持っている。だから、決定を早くしてアウトプットを出し、PDCAを回せる規模感のパートナーとのチームが理想です。

鶴岡の顔鶴岡
でも、人数が少なければ良いってことでもありませんよね。たとえば近藤さんに、マイクロマネジメントタイプの上司がいらっしゃったら、スピードが落ちると思うんです。お互いに、意思決定がスピーディにできる立場や役割が大切だと考えます。

大橋の顔大橋
そうですね。少人数の環境でも意思決定ができなければ、アジャイル開発の良さは生かせません。そして、そこには信頼関係がなによりも大切です。とくに納品のない受託開発は信頼があるからこそ、うまくいくんだと思います。

カスタマーサクセスを強化したサービス作りや開発に励みたい

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現在スミレナでは、ソニックガーデンの自社開発プロダクト「Remotty(仮想オフィスツール)」や「エンプラス(グリーティングカードサービス)」もご利用いただいています。どのような点に、関心を持たれましたか。

鶴岡の顔鶴岡
Remottyは、業務委託のインサイドセールスチームと一緒に使っています。去年の秋頃からメンバーが増え、一般的なチャットのコミュニケーションツールを検討していたのですが、Remottyのオフィス感に惹かれました。「ちょっと席を外しているんだな」とわかるので、オフィスにいるみたいなんですよね。

大橋の顔大橋
ソニックガーデンのプロダクトは、かゆいところに手が届くんです。「それ欲しかった!」って使いたくなります。課題を見つけて向き合うのが上手な会社だから、事業をやっている人たちの困りごとをよく捉えたサービスが開発できるんでしょうね。

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スミレナ社内の様子。リモートチームのメンバーも増えています。

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2021年の7月からは業務改善サポートの業務ハックもご依頼いただき、ソニックガーデンの業務ハッカー・森が担当しています。

鶴岡の顔鶴岡
スミレナの事業を開始後、立ち止まらずにずっと走ってきたので、突貫的にいろんなツールを使ったり、資料もわかりづらかったりと、業務フローが整っていなかったんです。業務ハックでは、私達がやりたかったことをあっという間に形にしてくださり、いつも驚いています。

大橋の顔大橋
業務ハックは、「業務改善はこうしましょう」のように形式張っていないところがいいですね。業務ハッカーの森さんは、現状の業務フローを前提として業務改善のプロセスを設計されるので、「急にプロセスを変えなきゃいけない」のようなストレスがありません。

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スミレナが今後予定されていること、取り組んでみたいことを教えてください。

大橋の顔大橋
スミレナは、次にカスタマーサクセスを強化したいと考えています。売って終わりではなく、お客様に製品の機能をフルに使っていただくアドバイスや、お困りのことのヒアリングなどを通して、お客様との継続的な関係作りに挑戦したいです。

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終わりに、ソニックガーデンへ期待することをお話ください。

鶴岡の顔鶴岡
ソニックガーデンや近藤さんとの良い関係を、これからも当たり前に継続していきたいです。スミレナの成長に伴い、組織や置かれている環境にも何かしらの変化が起きてくると思います。それでも、信頼を大切にする今の関係性や、自分ごと化してくださる近藤さんのスタンスは変わらずにいていただけると、とても嬉しいです。

大橋の顔大橋
スミレナのように順調なプロジェクトは、なかなかありません。近藤さんには、フォームの改善だけでなく、ランディングページの制作など、新しい開発もお願いしています。今後も、近藤さんに関わっていただく領域が広がっていくと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

近藤の顔近藤
大橋さんがお話されたように、ここ数ヶ月で新しい機能の開発も増えてきました。とくにマイページは、お客様との接点ですから、リフォーム以外のことでもコミュニケーションが続くサービスを提供したいと考えています。スミレナさんの事業成長に合わせて、私も引き続き尽力したいです。

取材をしたお客様:株式会社スミレナ
開発担当サービス:スミレナ

インタビュアー/ライティング:マチコマキ
広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。
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