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ソニックガーデン初の「インフラ専任プログラマ」が中途入社して感じた、ポジティブなカルチャーギャップ

2025年4月にソニックガーデンへ中途入社しました dkan です。社内で初めての「インフラ専任プログラマ」という立ち位置です。

前職は大手メーカーで、AWSを中心としたインフラエンジニアをしていました。入社前に倉貫さんから「カルチャーギャップはすごいと思うよ」と念を押されていたのですが、本当にその通りでした。
ただ、自分は「職人」としてのスタンスを貫きたいという思いが強かったことも幸いしてか、このカルチャーギャップはポジティブなものでした。

入社して半年が過ぎ、振り返ると驚くことばかりでした。


目次

    入社直後は「インフラの大規模リプレース」プロジェクトを任された

    入社してまず驚いたのは、とても大きな案件を支えているにも関わらず、インフラの専任がいなかったことです。
    ソニックガーデンには「面白ければ全部自分でやる」というカルチャーがあり、インフラの設計から運用までを、「納品のない受託開発」のプログラマが兼任している、という背景があります。

    そこへインフラ専任として飛び込んだわけですが、これまで自分が経験してきた仕事の進め方や設計・運用の考えと全然違うのです。

    そんな中で「インフラの大規模リプレース」を任されました。
    とはいえ、一人で黙々と進めるわけではありません。ソニックガーデンのカルチャーならではの進め方で、周りを巻き込みながら前に進めていきます。

    この記事では、その過程で感じたことと、自分がどう変化してきたかをふりかえりながら書いていこうと思います。

    とにかくスピード感がすごい

    一番驚いたのはスピード感です。例えば、悩み事を打ち合わせから持ち帰って練り直すプロセスよりも極力その場で決め切ろうとしますし、その場でペアプロ(ペア・プログラミング)を始めてしまうことさえあります。
    持ち帰ってからじっくり思考を巡らせ、解決の道筋が見えてきてから再び相談する…という進め方をしがちな自分にとって、このギャップはなかなか大変でした。

    「悩みなんてその場ですぐに解決できないのでは?」と思うかもしれませんが、ソニックガーデンのメンバーは、その悩みを解決するスピードも本当に速いのです。

    まず、悩んだときには例えば以下のようなことを試みます。

    • 1.「そもそも何を解決したいんだっけ?これは今必要なことなんだっけ?」と立ち返る。
      • ・これは「納品のない受託開発」でお客さんとの打ち合わせでも登場するアプローチです。
      • ・「そもそも解決したいこと」に立ち返ることで全く別の発想が生まれることもありますし、「今はやめよう」という判断も頻繁にあります。
    • 2.解決のアイデアを3つ出す。
      • ・2つくらいはスッと出てくるものですが、3つ目は視野を広げたり違う視点から発想しないと出てこなくて苦労します。結果的に3つ目がベストな案ということもよくあります。
      • ・打ち合わせの中で腕組みをして「うーん」と考え始めることもよくある光景です。相談者だけじゃなくてみんなで悩むのです。
    • 3.リモートワークでも「ちょっといい?」と気楽に声を掛けてZoomに入ってもらう。
      • ・これは本当に日々何回も目にする光景です。お互いそのような協力をし合える信頼関係が築けている状態が維持できていることもソニックガーデンのすごさなのです。
      • ・私自身、お客さんとの「納品のない受託開発」の定例ミーティングに、突然「ちょっといい?」って呼ばれたことがあります。最初はとてもドキドキしたものですが、そのくらいのカジュアルさです。

    そして、アイデアを絞り込むときに頻繁に出てくる考えに「考慮事項を減らしてシンプルにする」というものがあります。
    複雑な仕組みをラップして便利にできたとしても、複雑さゆえに将来の負債になってしまう可能性があります。この「シンプルさを保つ」という姿勢が、目先だけでなく将来を見据えた開発スピードの維持につながっているのです。

    このアプローチは「納品のない受託開発」だけでなく、インフラの検討でも同じように効果を発揮することを身を持って体験しています。実践を重ねる中で、課題を解決するペースがどんどん上がっていったように感じています。

    ソニックガーデンでは企業理念や目指す理想は共有されていますが、「このように振る舞うべき」といった細かな行動指針が掲げられているわけではありません。
    共通の理念を持ちながらも、日々変わり続ける状況に対して変化し続けてベストな状態を目指します。その結果、高いパフォーマンスが出せているのです。

    失敗して学ぶ

    お客さんのサービスを壊さないようにとか、会社や社員自身が脅かされることがないように、といった守るべき一線を引いたうえで、ソニックガーデンでは失敗して学ぶ、失敗を恐れない、という考えを重要視しています。

    例えば、弟子のメンバーがAWSの強い権限を持って試行錯誤できる専用のサンドボックス環境があります。
    そこの権限設定などを確認しているときに、私は

    「この権限はもっと厳しく絞って、何かあったときのモニタリングもできるように強化してはどうか?」

    のように提案したことがあります。
    それに対して、インフラ全般を見てきている創業メンバーの interu さんからは、

    「それは失敗して覚える機会を奪っていない?」 「失敗したら、そこでモニタリングの重要さを学習するよね。それで自分で気づいて試行錯誤したほうが学べるのでは?」

    という問いが返ってきました。
    私はその言葉に衝撃を受けつつ、過去の自分を思い返して深く納得しました。
    自分自身、たくさんの試行錯誤や失敗経験があり、むしろ失敗したことが自分の礎になっているのではないか、と改めて気づかされたのです。

    このような、お客さん環境とは分離したサンドボックス環境で失敗を許容し成長を促すカルチャーも、ソニックガーデンの技術力の高さやスピード感にも繋がっていたのです。

    毎週デプロイが当たり前

    インフラエンジニアとしてのこれまでの感覚では、デプロイやインフラの変更は慎重に、なるべく回数を減らして、メンテナンス時間を設けて…と考えがちでした。
    ところが「納品のない受託開発」では、毎週お客さんとミーティングをして、次のミーティングまでに開発するのが基本になるため、アプリケーションのデプロイは毎週行われます。

    平日の日中に本番デプロイをすることも普通です。多くの案件が動いているため、毎日どこかで本番デプロイが進行しているのが日常の光景というのは、入社してしばらくは驚くばかりでした。

    これを実現できているのは、ソニックガーデンのカルチャーと扱いやすいインフラがうまく噛み合っているからなんだな、と徐々に納得できてくると共に、気が引き締まる思いです。

    仲間同士でも「納品のない受託開発」の考えがベース

    「納品のない受託開発」はお客さんとの関係に「信頼貯金」という考えがあります。
    実力と結果とコミュニケーションがキーで、その結果として信頼が貯まる構図です。

    しかし、これは社内の仲間同士でも同じだったということに気付かされました。そして、インフラの仕事をしていても、「信頼貯金」はとても重要なものでした。

    例えば先述した「ちょっといい?」についても、忙しい人を急に呼んでアドバイスをもらうことは信頼貯金を消費するのではなく、むしろ呼ばれた方も頼ってもらえたという気持ちで増えるという面白い特性すらあります。
    ソニックガーデンでは日頃の活動で自然に信頼貯金が溜まっていき関係性が常に良好に保たれ、高パフォーマンスにつながっているのです。

    私は入社直後から「インフラの大規模リプレース」を進めることになり、自然と多くのコミュニケーションが必要な状況からスタートしました。これは幸運だったかもしれません。
    インフラのネタでザッソウ(「雑に相談」の意)しながら交流ができることでお互いに声をかけやすくなり、インフラの相談にも乗りやすい状況を早いタイミングで作れたように思います。

    ふりかえりが本当に意味のあるものとして機能している

    ソニックガーデンでは、ザッソウ・すり合わせ・ふりかえりが、本当に意味のあるものとして機能しています。毎回新たな気づきがあり、良い発掘ができています。

    ふりかえりでは目標に対する成果の話はなく、「そのときどこが面白いと感じたの?」とか「そう感じたってことは意外だった。どうしてそう感じたんだろう?」といった内面のふりかえりを重視します。
    最初はうまく言葉にできず、自分のことなのに全然理解できていないんじゃないか、と気づかされました。
    最近のふりかえりでは、「そっか、自分の特性からそういう行動につながっていて楽しく感じていたのか」というような発見ができる場になり、ふりかえりを楽しめるようになってきたように思います。

    その状態を維持して次にやることを一緒に考えていくことによって、結果として成果も出てくるわけで、ソニックガーデンの言葉でいう「遊ぶように働く」に近づいていけるんだろうな、と感じています。

    おわりに

    「まだ1年経っていないんだっけ?」と思うほど濃密な期間を過ごしていて、メインの仕事のインフラリプレースは順調に進んでいて、現時点で40案件ほど完了しました。

    最近では、より軽量な案件を支えるインフラの仕組みを開発しているのですが、その過程で Rails のコードを書き始めています。
    ソニックガーデンのプログラマ全員が頼れる存在である幸福さと、書いたコードをネタにザッソウする楽しみを感じている日々を送っています。
    自然に「納品のない受託開発」のようなことをやっていて、「インフラエンジニア」の垣根を超えてたのかもしれないな、と思うようになってきました。

    コミュニケーションもたくさん取れ、インフラに関する相談にも乗る機会も増えてきて、頼り、頼られる良い関係性が築けてきました。その結果として「信頼貯金」も溜まってきたんじゃないかな、と思っています。
    カルチャーギャップも、このように紐解いてみると共感できるものばかりで、ギャップを見つけるたびに「新たな発見」として楽しめています。

    「ソニックガーデンってどんな会社なんだろう?」と思っている方の参考になれば幸いです。

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