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社長同士の居酒屋対談 ハンズラボCEO長谷川社長【後編】 2014年06月16日

外資系コンサルティングファームから東急ハンズへ、そして2013年IT子会社として生まれたハンズラボを率いるCEO長谷川秀樹さんと、ソニックガーデンのCEO倉貫義人による居酒屋対談。

本対談は、ハンズラボオフィシャルブログの「長谷川秀樹のIT酒場放浪記」の第2回として収録した内容を、ソニックガーデンからの切り口で記事にしたものです。

「長谷川秀樹のIT酒場放浪記」での記事はこちらです。本記事では、倉貫が選んだ2つのテーマで、長谷川さんにお話を伺いました。

  • 【前編】「社長の仕事」    6月12日 公開
  • 【後編】「自分を変えた恩人」 6月16日 公開
  • ブレーキを壊してくれた一言

    外からの影響という話が出たので、今日のもうひとつのテーマ「長谷川さんが一番影響を受けた、自分の人生に意味のあった恩人」について伺いたいです。
    シンキングタイムとして、私の恩人をお話させて頂きますね。

    僕にとっての恩人の一人は、皆さんご存知のアジャイル開発の平鍋さんです。これまで様々な言葉を頂いて影響を受けてきましたが、ある講演会の際に頂いた言葉があって、今の私があります。
    当時、平鍋さんは既に本を書いたり雑誌に寄稿したりしていて有名な方でした。以前からなんとなく交流はあったのですが、まだ私はかけだしの若造で、いつかは自分も平鍋さんのようになりたいと思っていたので、ある講演会の終了後、緊張しながら話しかけたんです。「倉貫ですっ!憶えていらっしゃいますか?僕も雑誌で記事書いたり、本書いたりしたいですっ!」と(笑)
    そうしたら平鍋さんは即答で「いいんじゃない~!紹介するよ。メール書いておくねー」と言って下さって。普通だったら、「そういうの難しいよ」とか「簡単に出来るわけないよ」と言われるだろうと身構えていたんですが、あまりにも簡単に受け入れてくださって、そのおかげで私は次の場所に行けたんです。自分は決して本を書いたり講演をするような人間じゃないと思っていたのに、平鍋さんのその一言が、私のブレーキを壊してくれたんです。
    私の子供時代を知っている人には、私が講演をするような人間になるなんて信じられないと思いますが、それがきっかけで外で話したりするようになりました。

    みんなが迷う場面でこそ右か左かに旗を振りたい

    では、シンキングタイム終わりです。長谷川さんのお恩人について聞かせてください。
    東急ハンズに入社して私の人生が変わったというタイミングでもあるし、私を採用した社長(当時)の中島さんですね。私自身がサラリーマン社長なんですが、中島さんもサラリーマン社長でありながら、判断を下す際、決してサラリーマン的ではない振る舞い・言い方・メンバーのまとめ方をするんです。

    オーナー社長的、という意味ですね。
    はい。「よし、やろう」と言う判断も早いし、やろうとなったときに、人のせいにしない。「これは駄目になっても私の責任だ」という風に言うんです。素直にすごいなと思いました。大きな企業のトップが、「自分の責任だからやろう」とはなかなか言えないです。大きいからこそ、YESともNOとも言わず微妙な形で流す人が多い中、本当に潔い。現社長の榊さんもそうですが、ITの相談があって話しても、ぱっと聞いて、単純にスジがいいか悪いかだけで判断してくれました。やはり、経営者は、自分の知らない領域であり、なおかつ、少ない情報でも、「スジがいいかどうか、でスピード感をもって判断する」ことが重要だと思います。
    「細かいことは分からないが、それはいったい幾らいるんだ、何をするんだ、結果どうなるんだ、おおそうか、いいじゃないか、よしやろう!」という感じで、決断が早い。
    まあ、そしてやると決めたら、すぐにやって、効果を出したい。来期とか、予算編成とか、関係なく、意味のある行いは、修正予算を上げて、すぐにやりなさい。という感じです。
    そして余計なことも言いません。「慎重に検討しながらやりなさい」なんていうような部下が縮こまってしまうようなことも言わない。やるなら、思い切りやれという。ハンドルを握って、アクセルの踏み時は思い切り踏めという。ブレーキをかけながら進むんじゃなくて、アクセルを踏みながら、ハンドルをきって修正していくんだということです。
    サラリーマン社長でそれができるのは稀有なことですよね。

    そう思います。本当に単純明快でスピードもありましたね。
    判断を下すタイミングとしては、期限ギリギリまで待って判断する方が理論上はいい気もするけれど、決断を先延ばしするより少ない情報のときに決断するからこそスピードが上がります。
    ある程度まで待って決断するのは誰にでも出来ます。情報が充分に集まった上での判断に意味はありません。情報が少なく、みんながどうするべきか分かりませんという場面でこそ、右か左に旗を振れる上司が好きでした。
    だからこそ、そういう判断を下せる自分でありたいということですね。
    そうですね。「検証してから考えてAでいくか結論を出そう」というのと「Aという結論で行こう。Aがうまくいくことを検証して確かめよう」というのは、似ているようでかなり違うと思っています。実作業のプロセスは、同じなんですが、まず決めてから(方向性を出してから)、それが正しいか検証するのであって、検証してから決めようとすると、「新しい取り組みはリスクがあり、時期尚早。今まで通りの業務が良い」という結論になることが多いです。人間の重力は、変化する方向には行きにくいものです。
    仮説がなくてジリジリ進めるのは、さっき長谷川さんがおっしゃったように判断を遅らせているだけであって、何も得るものがないですよね。
    僕もそれは気をつけています。新しい事業をやるとか、社員が新しい試みをやりたいと言ってきたとき、「仮設としてフィードバックが得たいものは何?」と聞くようにしています。「当たっているか当たっていないかは分からないのでやってもいい。でも、それは何の仮説なのか」と。
    それがあれば、間違っていたときに間違っていた、という答えが分かります。仮説なく始めてしまうと、何か分からないけれどうまく出来てしまったり、うまく行けばいいけど、なぜか分からないけれど失敗した、という結果だけになってしまう。

    感情には感情、理屈には理屈

    もうひとり、営業の恩人に、前職の上司がいます。当時、私は小売業向けの米国製の基幹システムパッケージを販売する営業をやっていたので、リテールテックで「海外の小売業は何が凄いのか」というお題で講演をしたんです。中身としては、海外はすごくて日本はすごくない、という流れではなく、海外と日本の違いなどを説明をしたつもりでした。

    ですが、その講演を聞いて下さった、とある日本企業の方が「日本のリテールをバカにしてるいるのか」と怒っているという連絡を貰ったんです。
    当時の上司に報告したところ「謝りにいくぞ。今すぐタクシーで一緒に行こう」言われ、その車内で言われた言葉がとても印象に残っています。
    「長谷川に言い分があるのはわかる。でもな、先方は怒ってるだろう。相手が感情のときは感情だ。相手が感情のときに理屈を言っちゃいけない。理屈のときは理屈だ。だからお前、理屈を言っちゃいけないぞ」と。
    そこからがドラマみたいな話なんですが、1時間半くらい「すみません、大変申し訳ありません」と誠心誠意謝って、その半年後、その小売企業さんから基幹システムの仕事を頂くことになるんです。今では、(怒っていた)その方とは、家族ぐるみの付き合いです。
    気持ちが通じたわけですね。感情には感情っていうのは、夫婦喧嘩の鉄則でもありますよね。感情の方にね、理屈で言っても余計に駄目ですね(笑)

    奥様にはすぐに謝ることにしてるんですか?
    僕はね、すぐに陳謝ですよ(笑)筋道立てて説明すればするほど怒られるっていうね。あれーおかしいな、仕事じゃうまくいくのになーと思います。
    うちの会社は僕が論理派で、副社長が情派なんです。僕が筋道立てて逃げ道なくなったところで、副社長がまぁまぁって場を収めてくれるという。
    それってなかなか良いコンビですね。
    今日はとても楽しい時間をありがとうございました。
    定期的にまた呑みたいですね。一年後くらいに。
    ぜひ宜しくお願いします!

    今回の対談の前半の様子は、ハンズラボのブログにも掲載されています。

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