初めてのアジャイル開発で業務も効率化。船井総研が「納品のない受託開発」を選んだ理由 2019年04月10日
ソニックガーデンの納品のない受託開発は、アジャイル開発で行います。アジャイル開発とは、従来のウォーターフォール開発(初めにシステムの仕様を決め、期間内に開発し納品する方法)と異なり、必要な機能から少しずつ開発を進め、短いタームで改善と開発を繰り返していくスタイルです。仕様変更など柔軟な対応がしやすく、Webサービスやソフトウェアの開発に向いているアジャイル開発。検討している企業が増えているようです。
今回ご紹介する株式会社船井総合研究所(以下、船井総研)も、サービスのシステム開発に新しくアジャイルを選択した企業です。ソニックガーデンは、同社が開催するセミナーの申込みシステムを開発。本システムは、セミナー参加者の利便性を上げただけでなく、セミナー運営側の業務効率化にも貢献しているといいます。
では、なぜ船井総研はアジャイル開発を選択したのでしょうか。2017年からスタートした開発プロジェクトを、両社の担当者5名で振り返ります。聞き手は、ソニックガーデンの松村章弘です。
インタビューにご参加いただいたみなさま
- 株式会社船井総合研究所 執行役員 サービス&エンターテイメント支援本部本部長 上席コンサルタント 小平勝也さん
- 株式会社 船井総研コーポレートリレーションズ マーケティンググループ グループマネージャー 加藤克典さん
- 同 カスタマーリレーショングループ 会員デジタルシフトチームチームリーダー 主事 大谷敦子さん
- 株式会社ソニックガーデン プログラマ 後藤 雅之
年600回に及ぶセミナー開催。参加者管理が非効率だった


本プロジェクトの責任者を務める、株式会社船井総合研究所の小平勝也さんと、
ソニックガーデンのプログラマ・松村章弘。

さらに、研究会の事務局ごとに独自ルールがあり、たとえば会員とのコミュニケーションは、FAX・ウェブフォーム・メール・電話…と、バラバラ。間違いも発生しやすく、作業が非効率な状態でした。
船井総研とソニックガーデン。コンサルと開発の共通点とは?

船井総研コーポレートリレーションズの加藤克典さんと、大谷敦子さん
加藤さんは、本プロジェクトのファシリテーターを担当。大谷さんは、業務フローの再構築に尽力した。

多額の開発費用を先に投資するのではなく、月額固定で少しずつ開発する。その経過を見ながら、ビジネスに合わせて次の開発を進める方法は、私たちの負荷も軽減されプラスになります。社内でも、コンセンサスを取りやすかったです。

(※2016年にソニックガーデンは、船井財団主催のグレードカンパニーアワード「ユニークビジネスモデル賞」を受賞。のちに、倉貫の講演が行われた)


スムーズな開発のために、社内体制を整える


私たちが事前準備を行い、コンセンサスを取らないと前進しないと気づきました。そこで、定例の前に開発の優先順位を決める、社内会議を行うようになったのです。

すると、次第に業務ごとの決裁者が見えてきて、事前確認もスムーズになったのです。やりたいことが明確化され、ソニックガーデンとも密度の濃い打ち合わせができるようになりました。定例への参加人数も、現在は半分くらいに減っています。

メインプログラマとして本プロジェクトを担当する、ソニックガーデンの後藤 雅之。




アジャイル開発の手法が、業務改善・高品質のビジネスにつながる


ひとつ例をあげると、セミナー参加者管理の自動化があります。これまでは、メールやFAXと様々な方法で受け付けていた出欠をエクセルでリスト化し、CRMに登録していたんです。今は、申込みからシームレスに登録されますので、大きく効率化しました。


これらの経験から、私たち自身もリモートによるスピーディで高品質・高頻度なコンサルティングを、クライアントにご提供できるのではと考えています。




ベストプラクティスを考えるプロセスも楽しむ開発






取材をしたお客様 株式会社船井総合研究所 https://www.funaisoken.co.jp/
[取材・構成・執筆/マチコマキ]


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