仕事・恋愛・結婚・家族の悩み…プロとの電話カウンセリングで道が拓ける!【後編】
今回は、「
ボイスマルシェ
」というカウンセラーとユーザーのマッチングサービスを展開されている
株式会社バーニャカウダ
の古川さんと菅野さんをお迎えしました。以前のシステムからのリプレイスにあたり、「納品のない受託開発」を担当した野上、松村と共に開発の様子を伺いました。
一気にオープンさせるやり方は、スモールスタートには命取りになる
倉貫氏
僕らを発見して頂いたのは、何がきっかけだったのか覚えていますか?
菅野氏
私が購読しているメールマガジンで知りました。「納品のない受託開発」という形態があるんだって。あれはAsMamaさんの事例ですね。AsMamaさんは名前を知っていた会社なので、「あそこってたぶんCTOがいないはず」と思って。AsMamaさんができるなら、うちもできるんじゃないかみたいな(笑)。
古川氏
「あそこもできる」っていうのは、いい意味でね。
菅野氏
もちろんいい意味で!
CTOがいないAsMamaさんは、どんな開発会社にお願いしたんだろうと興味があって。見たら、バーチャルCTOって書いてあったので、きっとここならなんとかしてくれる!と思いました。
それで12月ぐらいにソニックガーデンさんに押しかけ訪問をさせて頂きました。
倉貫氏
そうでしたね。
菅野氏
最初、倉貫さんから「いや、うちじゃなくてもいいんじゃないですか」とか言われたのですが、
「いやいや、助けてください。見捨てないでください」とか言って、無理やりお願いした記憶があります(笑)
倉貫氏
僕らは最初にいつもお話をするですが、ビジネスのやり方というか、進め方が他の会社と違いますよと。モノを作りたいだけだったら僕らはできないけれど、一緒にやっていくならできますよ、という話をしたと思います。
倉貫氏
おそらく私たちの仕事の進め方って、これまでのリクルート時代とも、1度目の開発をしたときとも、違う作り方だと思うんですけれど、その進め方を最初に説明を聞いて、どういうふうに感じられました?
菅野氏
私は、今までのやり方では、今後難しいなと思ってはいたんです。
要件をきちんと決めて、要件や仕様書のドキュメント作りに時間がかかり、プロトタイプができて、「あ、ここは違うほうがいいのに」と内心思いながらも、もうその仕様でオープンさせるしかないという状態は好ましいものではありません。
古川氏
まとめて機能を作って、一気にオープンさせるやり方は、私たちのようなスモールスタートで始まった会社には命取りになる可能性があります。
菅野氏
弊社のように、システムに詳しい人間が社内にいない場合、開発会社さんと専門的な会話ができる人がいないが故に、仕様齟齬が起きる。
私がラフを書いた「こういうことがやりたいんです」というものと、システム会社さんとかSEの人が理解する仕様は違ってしまうことも。誰かがここで的確に翻訳してくれないと辛いと感じることもありました(笑)。
倉貫氏
どうもエンジニアさんと話がかみ合わないということですね。
菅野氏
はい。
「要件に書いてあったんでその通りに作りました。仕様です」と言われて、「追加で改修するのには、また100万円かかります」とか言われちゃうと、ビジネスが進みません。ですからソニックガーデンさんの「納品のない受託開発」は、一緒に要件や仕様を詰めながら決めていくことが可能だという点ですごくいいなと思ったんですよね。
寅年だから、ちょっとやってみようかな(笑)
倉貫氏
古川さんの第一印象は?
古川氏
僕は、菅野と違ってあまりSEの方と付き合いがなかったんですけど。
柔軟さがすごくあると感じました。そして、速いですよね。
菅野氏
うん、速い。
古川氏
フレキシブルで、本当に速いので、すごく優秀だなと思いました。そういう第一印象。
そこはもう変わらず。あとは、担当してくださる野上さんは岡山県にいて、はじめスカイプでやり取りできるのか、正直不安でした。私たちがうまく説明できるんだろうかと。やっぱり書いて、目の前でやっていくとかしないと、できないんじゃないかなと思って。
倉貫氏
「リモートで出来るって本当か?」と思われたわけですね(笑)
古川氏
はい。でも、
私は倉貫さんと同い年で、寅年同士だからいいかなと思いました(笑)寅年だから、ちょっとやってみようかな、と。
正直、半信半疑ではありました。
倉貫氏
寅年生まれで良かったなぁ(笑)。
古川氏
それに
野上さん、松村さん、付き合いが普通にできそうだし、気持ちいい人たちだと感じましたので、半分は人間を信じて始めてみました。
倉貫氏
ありがたいです。
日々の仕事は地方でもできる
古川氏
それでやってみたら、スカイプでかなりできるんですね。それが経験になり、僕らも今やスカイプを使って仕事をすることが増えました。仕事のスタイルが、僕らも変わったんです。
倉貫氏
それは嬉しいですね。最初、僕らもスカイプ会議をやり始めたときは、やっぱり緊張しました。始める前にドキドキしてコールして、終わったら「はぁー」っていう感じでしたよ。最近はもう慣れましたけど(笑)
古川氏
分かります。うまくいくものですよね。
物理的な距離が問題にならない新しい働き方です。ちょっと話をマクロにいくと、日本経済を活性化するなと思いました。
もちろん、東京に集まらないとできないこともありますよね、パーティーとか交流とか。
倉貫氏
はい。
古川氏
でも、
日々の仕事は地方でもできるはずなんです。地方に眠っているいい人を掘り起こしてきて、仕事をつくっていくっていうのは、ソニックガーデンさんのリモート勤務の働き方ですよね。まさに僕らと同じです。僕らは住む場所に関わらず素晴らしいカウンセラーをスカウトしてきて、仕事をしてもらいます。目指すことが近いんですよね。だから、そこで親和性というか、シンクロみたいなところを感じているのでやりやすいです。
倉貫氏
本当ですか。ありがとうございます。
菅野氏
今まで、開発以外にかかっていたコスト、打ち合わせに来ていただくとか、諸々のそういうところをすべてカットしてくれているというところは、私はすごくいいなと思っています。
古川氏
そういう意味では、本質を突いていると思います。
ソニックガーデンみたいな働き方、発信ができてくると、日本社会がもっと良くなって、世界が変わるでしょうね。
倉貫氏
大きく出ましたね。
古川氏
思っています、本当に。
オンラインでも阿吽の呼吸で
倉貫氏
ありがとうございます。じゃあ、
ちょうど話が出た開発者として、バーチャルCTOとして担当させて頂いているのは、岡山からリモートで仕事をしている野上ですよね。最初に出会ったときも、まずはスカイプ越しで「こんにちは」から始まったと思います(笑)。
菅野氏
そうですね。
倉貫氏
今回はソニックガーデンの合宿のためにちょうど上京してきてくれたので、登場してもらいましょう。野上さんは初めてバーニャカウダのお二人からお話を聞いたとき、どんな印象を持った?
野上氏
最初の打ち合わせに参加したときに、すごく特徴的だったのが、菅野さんの顔がすごくいい顔をしていたことです。そのサービスのことを話していたとき、楽しそうにじゃないんだけど、いい顔をした方だなと思って。自分のサービスのことが好きな人だ、いい人だなというのが、本当の第一印象ですね。
菅野氏
ありがとうございます。
倉貫氏
そうですね。お二人は自分たちのサービスを愛している感じがすごく伝わってくるので、僕らもそこは一生懸命やりたいなという気持ちになりますよね。
菅野氏
ありがとうございます。
倉貫氏
バーニャカウダのお二人は野上さんに対してどういう第一印象を持たれましたか?岡山にいる社員で、コミュニケーションはスカイプだし、僕自身も最初はどうお伝えしようかなと考えた部分はあるんです。でも結局は正直に、「岡山にアフロでファンキーな社員がいる」、とお伝えしましたよね(笑)
古川氏
いや、やっぱり
多様な人がひとつの場に集まってきて、オンラインだけれども一緒にやれるっていうのは、すごく面白いと感じました。距離はあっても信頼関係は築けるし、阿吽の呼吸みたいなものも出来てきました。
倉貫氏
始めて半年くらいですよね。信頼関係は、今はもうばっちり?阿吽の呼吸ですか?
菅野氏
たぶん(笑)
ベスト1くらいにホスピタリティのあるエンジニア
倉貫氏
実際に契約を決めて頂く前に、お試し期間というのがあったと思うんですけれど、その中で一緒にやっていて、「ああ、やっぱりいけそうだな」「どうかな」って思ったエピソードみたいなのってありますか?
菅野氏
そうですね。エンジニアの人たちに求めることは何かと聞かれると、ちゃんと要件どおりにシステムを作ってくれることとか、早く開発できることとか、そういう答えが出てきやすいと思います。
ですがそれ以上に実は大事なことってあって、ホスピタリティがあることなんです。
菅野氏
我々の拙い説明を解読してくれようと試みてくださり、「やりたいのは、こういうことですか?」「こうしたら出来ますよ」とか、既に作り始めているものでも「こっちのほうが良いかもと思って」という対応をして頂けるのが、実はすごく大事なことです。
野上さんはそれができる方でした。始めに入った会社でもそうですし、リクルートでも、いろんなエンジニアの方と会ってきましたけど、
ベスト1ぐらいにホスピタリティのある人なんですよ。
野上氏
ありがとうございます。
菅野氏
だから、
速いっていうのは才能のあるエンジニアさんには必須条件なんでしょうけれど、速くてもホスピタリティがないと、こちらとしてはすごく遠慮して「ここ直して頂いてもよろしいでしょうか」というお願いの仕方になってしまいます。
倉貫氏
普通は頼みにくいんですね。
菅野氏
はい。
頼みにくいし、そうなると本当に作りたいものではないプログラムがどんどん出来上がっていってしまったりします。でも今回はすごく良い方に巡り会えました。
野上氏
気軽に頼めましたか?
菅野氏
気軽でもないですけど(笑)。キレられたらどうしようとか思いながら(笑)。
野上氏
大丈夫です。一応ソニックガーデンで一番気さくなキャラクターでやっています。
菅野氏
本当ですか。そうなんですか?
倉貫氏
一番フランクで気さくなエンジニアです。
菅野氏
野上さんは「こっちの方がいいんじゃないですか」というような意見をどんどん出してくださるので、すごくやりやすいです。
まずは現実的な解決、そしてそれから夢を
倉貫氏
開発者から見て、どうですか?菅野さんたちと一緒にやるのは?今回ビジネスオーナーは古川さんがされていて、プロダクトオーナーは菅野さんですよね。
菅野氏
そうですね。
野上氏
サービスが始まったときって、もっと「ああしたい」「こうしたい」などの夢みたいな物語を話す方が多いですけれど、菅野さんは夢もあるんでしょうけれど、それは言わずに、現実的なアイデアを言ってくれますね。
倉貫氏
逆に、もっと夢とか来てもいい?
野上氏
そうそう。もっと夢とか来てもいいなと思っていたんですけど。
菅野氏
リプレイス前は、とりあえずサービスをオープンさせるのに精一杯で、実現できなかったことも多くサイトも使いにくかったので、利用者やカウンセラーさんたちに申し訳なく思っていました。今回のリプレイスでやりたいことは、当たり前にカウンセリングが買えて、カウンセリングの通話もストレスなく提供できるという状態です。
菅野氏
カウンセラーの人たちも管理画面で自分のビジネスの対応ができるという普通の状態で、みんなが「こういうのがあったらいいよね」と思っている機能がちゃんと装着された状態が今の野上さんたちに作って頂いたバージョンだと思うんですね。
きっと、次の段階になったら、夢がいっぱい出てくると思いますけど、今はまだベースとなる部分を作っていく段階ですから。
倉貫氏
まずは基本の部分をしっかりしていくということですね。
菅野氏
適切な店構えで、スムーズにカウンセリングが買えて提供されて当たり前という状態に。さらに自分の好みの相談員が見つかって当たり前っていうところに早くもっていきたいです。
倉貫氏
カウンセラーの皆さんがその上で、ちゃんとビジネスというか商売ができて。
カウンセリングの青空市場
菅野氏
ビジネスができて。期待しているぐらいのカウンセリングの予約件数がちゃんと入ってくる。それで「いいね」っていう状態になっていく。
倉貫氏
まさしくそれがマーケットになる。
菅野氏
そうですね。それがボイスマルシェの名前の由来でもあります。カウンセリングって暗い印象があると思うんです。でも、
私たちは青空市場みたいな感じをユーザーのみなさんに持ってほしいんです。「元気になりたい」とか、「自分の未来に向けて進みたい」というときに、ボイスマルシェに来れば、旬なもの選んだり、自分好みを選んだり、ただ来るだけでも楽しいし、思わぬ発見があったりする場所にしたいと思っています。
倉貫氏
なるほど。今までは個室でこっそりやっていたカウンセリングを、インターネットを介して明るいイメージで提供していくということですね。
倉貫氏
今回は、電話の通話をシステムから実現する、しかも、通話する際に匿名の電話番号で通話できるというのは少し特殊な要件だったみたいですが、実現してみて安定して稼働していますか?
菅野氏
はい、安定しています。通話トラブルもありません。
倉貫氏
通話に関しては、テストはしっかりされたんですか?
菅野氏
弊社側でもやりましたけれど、ソニックガーデンさん側でもして頂きました。たぶんソニックガーデンさんに、ほとんど担保してもらったような感じです。
野上氏
はい、通話部分はこのサービスの肝なので、特にしっかりと頑張りました。
菅野氏
ボイスマルシェは、カウンセリングを匿名でネットにて予約できるという今までにないサービスなんです。カウンセリング業界は、IT化があまり進んでないので、その中で24時間即時予約できますということだけでも稀有ではあります。基本が出来てくれば、次の段階として、「相談員さん忘れてないよね」とリマインダーを送ったり、携帯電話の電波が悪くても再度掛け直しができたり、複数の予約を間違いなく管理できたりといった、次の段階に進めます。
菅野氏
そうやってマルシェと言うか、市場として正しく運用されているという状態をバージョン2で作っていくことが、今やっていることです。
ユーザーフレンドリーじゃなかった部分をかなりシンプルに
倉貫氏
今回、バーチャルCTOとして野上さんがバーニャカウダさんの中に入って、一心同体でやっているわけですけど、それを横でサポートするのが、松村さんの役割かなと思っています。いろんな会社さんのサポートをしていると思うんですけれど、バーニャさんのお2人と野上さんの相性、組み合わせ方、一緒にやっていくのってどうですか?
松村氏
ソニックガーデンがこれまでやってきた案件は、1から作りましょうという新規が多かったんです。その中で今回リプレイスだったんですけれど、
リプレイスは難しい部分が多いんですが、思った以上にスムーズに進んでいて「あれ、リプレイスなのに」という感じでした。相性がすごく良かったなと思います。
松村氏
野上さんの手の早いこと、開発スピードが速いという点がうまくいった理由のひとつですね。
それからバーニャカウダさんのお2人に受け側の柔軟性がすごくありました。
こちら側から「これはちょっと作りにくいので、こういうふうなやり方をしていいですか?」と聞いた場合、「いいですよ。そうしましょう」というように柔軟に対応して頂けたことが、成功のもうひとつの理由です。
野上氏
リプレイスのときに、すごくシンプルにしてくれたんですよね。
もともとのシステムが色んな機能がてんこ盛りだったんですが、あまりユーザーフレンドリーじゃなかった部分をかなりシンプルにしました。それによって機能は落ちましたが、機能が減った分シンプルですっきりしたものに作り替えることが出来ました。前の機能を丸々作っていたら、たぶん3カ月ではできなかったと思います。
菅野氏
それは、
やはり1年運営したからこそ、要る・要らないがはっきり分かっていたからですね。「これは利用者に分かりにくいからやめよう」とか「売上に関係ないよね」と判断することができました。
古川氏
最初は自分たちがはまってしまったんですよね。いっぱいこだわってしまい、機能を盛り込みました。ですが、市場に出してみてやはり違うなと分かった部分がたくさんありました。
「やめよう」が一番多い。引き算の哲学
倉貫氏
ユーザーさんの目線と提供側の目線でズレの部分ですね。それを今回思い切ってリニューアルのときにスパッと削ってしまったわけですね。
菅野氏
すごくすっきりしました。最初に「リプレイスで」とすごく言われていたので、仕組みはあまり変えられないと思っていたんです。でも、
結果として私たちがやりたかったことを盛り込んで、シンプルにバランスを取り、短期間でリプレイスできたのはすごいことだと思います。
倉貫氏
余計なものは削って、ちょっと欲しかったものはやっぱり入って。
菅野氏
欲しかったものはさりげなくどんどん入れて(笑)。
倉貫氏
うまくできましたね〜(笑)。
野上氏
これまで普通の受託開発でもリプレイスが本当にすっきりいくっていうのは僕も経験が少なかったので、本当によかったです。
菅野氏
ありがとうございます。
リクルートにいるとき、毎年リニューアルするサービスを担当していたので、要る要らないの判断は得意だったかもしれません。
倉貫氏
断捨離がもうできている。
菅野氏
断捨離と新規機能はこれだ、みたいな取捨選択は結構得意かもしれない。「やめよう」「やめます」みたいな。
松村氏
「やめよう」ってよく言っていた気がする。
古川氏
「やめよう」が一番多い。「やろう」じゃなくて「やめよう」みたいな。
倉貫氏
いいです。それのほうが、
引き算の哲学のほうがいいものができあがるので。
クラウドソーシングでは解決することができなかった
菅野氏
「納品のない受託開発」とクラウドソーシング※1との比較
という話をさせて頂いてもいいですか。
※1 クラウドソーシング:インターネットを介して企業やフリーランスのエンジニアに案件の提案を依頼し、発注を行うこと。
倉貫氏
ええ、もちろんです。
菅野氏
当時「開発で困っているんだよね」と色んな人に相談したときに、「クラウド(ソーシング)で作れば?」ということを言われたんです。ですけど、
クラウドソーシングで作れる会社って、たぶん社内にそれをコントロールできる人がいないと無理だと思います。
倉貫氏
そうですね。
菅野氏
自分もこれまでウェブの仕事をやってきましたけれど、
私みたいな企画の人間は、そのコントロールの部分ができないんですよね。
納品されたものが適切なのか判断しにくい。しかも、大掛かりなシステムで機能ごとに分けて発注したりすると、統合して自分がハンドリングできる気がしないんです。クラウドソーシングで作れるのはCTO的な人が社内にいて、その人が全部ハンドリングしているケースに限られるのでは。
倉貫氏
その通りだと思います。
菅野氏
結局、「クラウド(ソーシング)で」と言われますが、システムを作ること自体は、優秀なエンジニアさんであれば大体できるんです。でも、特に
私たちのようなデリケートなサービスは、テストとセキュリティがすごく大事だと思っているんです。テストもやってくれるクラウドで発注するとしたら普通に金額も高いし、むしろ難易度が高い。誰が最後に責任取ってくれるのかも不明です。
倉貫氏
一括請負を頼むのと変わらなくなりますからね(笑)。
菅野氏
そうなんです。結局
クラウドソーシングと言っても一括請負と同じだという感じがしました。やはり全体を通してのセキュリティ担保や連携テストまでやってもらえるかが私たちには重要でした。
極端な話、カウンセリングを予約しても間違ったユーザーに電話がかかったりしたら、もう事業として終わりじゃないですか。情報漏洩もあってはならないし。セキュリティーとテスト、やっぱりそこができるかどうかが大事なポイントだったんです。
倉貫氏
開発で手を動かすだけなら出来るのだけど、ということですね。
菅野氏
そのとおりです。
カウンセリングとかコーチングとかセラピーみたいなものを気楽に
倉貫氏
今後、カウンセリング業界を変えるということも視野にあると思うんですけれど、将来のビジョンというか、サービスが順調に伸びていったあと、どういう風な社会にしていきたい、どういうことを目指してバーニャカウダとして、ボイスマルシェとしてやっていきたいのか、最後にお聞かせ下さい。
古川氏
はい。
カウンセリングとかコーチングとかセラピーみたいなものが気楽になって、普通に使えるというか、別に珍しいものじゃなくなっていくということですね。あとは、カウンセラーの人たちがちゃんとご飯を食べられる、そういう雇用を作っていきたいです。
倉貫氏
カウンセリングとかコーチングをしている人たちにとってのマーケットを広げていくということですね。
菅野氏
はい。今という時代、
40歳を過ぎた女性たちが自分のやりたかったことをもう1回模索し始めて、起業したりすることが多いんですね。そのときに、選択肢のひとつとしてカウンセラーも挙がるようになればいいですね。一生できる仕事なので。
カウンセラーになって、ボイスマルシェで人気カウンセラーになれば、生計立てていけるようになればいいですね。そうなると、憧れの職業にもなっていくし、旦那さんの転勤で地方に行ったり、子育てで一旦キャリアを中断しても、ずっと働ける人たちが増えていくはずです。そういうところを応援していきたいなとも思っています。
倉貫氏
カウンセラーという仕事は、何より誰かの役に立つことがいいですよね。
菅野氏
そうです。
そして誰かの役に立つことが、彼女たちの喜びになるといいと思っています。
倉貫氏
社会的意義
が生まれますよね。
古川氏
はい。
カウンセラーさんをサポートできること、同時に、相談したお客さんの人生が明るくなること。両方のサポートをしていきたいです。
菅野氏
Googleが登場してから、検索するときに「ググればいいじゃん」という常識が出来てきたと思うんですが、そんな感じで、
悩んだり困ったことがあったときには、「ボイスマすればいいじゃん」となればいいですね。
倉貫氏
新しい習慣を作ろうということですね。では、その未来に向かって進んで行くというところを、僕らも長くお手伝いできたらなと思いますので、今後ともよろしくお願いします。では、今日はありがとうございました。
一同
ありがとうございました。
ボイスマルシェ
https://www.voicemarche.jp/
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インタビュアー:倉貫義人
株式会社ソニックガーデン代表取締役。大学院を修了後、大手システム会社でエンジニアとしてキャリアを積みつつ、「アジャイル開発」を日本に広げる活動を続ける。自ら立ち上げた社内ベンチャーを、2011年にMBOし、株式会社ソニックガーデンを創業。月額定額&成果契約という「納品のない受託開発」を展開し、注目を集める。そのビジネスモデルをオープン化し、新しいフランチャイズの形「ソニックガーデンギルド」を展開している。
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