インタビュー

共感でつながる共感資本社会を目指して。共感コミュニティ通貨アプリeumoが届けるeumo的な体験とは?

株式会社eumo(ユーモ)は、「共感」でつながり、それが資本となる「共感資本社会」の実現を目指す企業です。

今回ソニックガーデンは、この共感資本社会を実現するためのアプリ「共感コミュニティ通貨eumo」のリプレイスを担当しました。共感コミュニティ通貨eumoは、電子マネー機能を持ち、個人やコミュニティの間に生まれたつながりを、写真やコメントなどで表現できるアプリです。

新しい価値を持ったサービスやプロダクトを世の中に届けるとき、システム開発はどのような関わり方ができるのでしょうか。共感コミュニティ通貨eumoに関わるメンバー全員で、リプレイス当時のことを語りました。

インタビューに参加された皆さん

eumo代表取締役。ティール組織やホラクラシー経営といった自律分散型経営の日本における第一人者。
共感コミュニティ通貨eumoのUI・UXの設計を担当。「これからの組織作り」を共通項に武井さんと知り合い、eumoのプロジェクトに参加する。
共感コミュニティ通貨eumoの加盟店やユーザーのサポートを担当。学生時代にeumo代表の新井和宏さんと出会い、金融機関勤務を経てeumoへ。
山下さんと一緒に、共感コミュニティ通貨eumoの事務局を運営。実証実験中に共感コミュニティ通貨eumoを知り、ユーザーから運営メンバーの一員になる。
システム担当。武井さんとは、社会人になった頃からのお付き合い。eumoのビジョンを達成するハードルの高さを感じつつも、面白みや楽しさが勝りプロジェクトに参加。
デザイナー。スタートアップのプロダクト開発に数多く関わる。これまでの貨幣経済とはまったく異なるeumoのチャレンジに共感し、運営メンバーに。
システム担当。武井さんとは、社会人になった頃からのお付き合い。eumoのビジョンを達成するハードルの高さを感じつつも、面白みや楽しさが勝りプロジェクトに参加。
ファシリテーターとして、納品のない受託開発の相談フェーズから参加。ヒアリングからカスタマージャーニーを作成し、共感コミュニティ通貨eumoのコンセプトをブラッシュアップする。
ソニックガーデンのプログラマ(顧問CTO)。学生時代にはNGOでインターンをするなど社会課題への関心が高く、共感コミュニティ通貨eumoプロジェクトには自ら担当を申し出る。
ソニックガーデンのプログラマ(顧問CTO)。福岡県在住。共感コミュニティ通貨eumoはアプリ開発を中心に担当。
ファシリテーターとして、納品のない受託開発の相談フェーズから参加。ヒアリングからカスタマージャーニーを作成し、共感コミュニティ通貨eumoのコンセプトをブラッシュアップする。

「共感」を軸に人や経済へ新たな幸せを生み出す共感資本社会

インタビューには、オンライン参加も含めてプロジェクトのオールメンバーが揃いました。はじめに、eumoが目指す共感資本社会について、eumo代表の武井さんにうかがいます。

武井の顔武井
共感資本社会とは、共感という貨幣換算できない価値を資本にして、ビジネスや人、お店の応援、支援に使っていける社会のことです。

いまの社会って、お金がかなり力を持っていますよね。お金は経済を発展させるために重要な役割を果たしていますが、お金以外での経済の方法論もあったほうが、より豊かな社会になると思うんです。
西見の顔西見
生まれたときから、私たちは資本主義社会に暮らしていますよね。共感資本主義の考えを聞いたとき、とても新しい価値観だなと感じました。
武井の顔武井
共感って、すごくあやふやな表現ですが、あやふやだからこそ、僕らはいいと思っています。自律した個人は、それぞれの共感を基礎として、多様で個性的なコミュニティを創っています。そして、複数の組織やコミュニティにも所属するようになる。すると、しだいに多様な共感をベースにするコミュニティが重なりながら、お互いの活動に共感し、相互に応援しあったりするようになると思うんです。

僕たちは、そのような共感があるところに、エネルギーや人が集まっていくような仕組みや社会を作りたいと考えてeumoを設立しました。
石塚の顔石塚
eumoの事業は、共感資本社会実現のために活動する人材の育成、そして共感資本社会の広がりを目指すeumo Academyと、共感資本社会を醸成する共感コミュニティ通貨eumoの運営です。

石塚の顔石塚
共感コミュニティ通貨eumoは、シンプルにいうとコミュニティ通貨の電子マネーです。共感を大切に、従来の資本経済とは異なる価値観で、人と人のつながりを育みたいというeumo的な世界観に共感された加盟店様、コミュニティの間で展開しています。
西見の顔西見
コミュニティ通貨とは、ある限定されたコミュニティの中で使える法定通貨ではないお金のことですね。
山下梓の顔山下梓
はい。共感コミュニティ通貨eumoは決済だけでなく、お店へギフトとしてチップやメッセージが送れます。さらに、貯められない「腐るお金」であることも特徴です。チャージから3ヶ月後に使えなくなるのですが、失効したコミュニティ通貨はユーザーやお店の社会貢献活動に活用されるなど、コミュニティ内で循環していく仕組みになっています。

信州まつもとエリア限定のコミュニティ通貨「AC pay」。共感コミュニティ通貨eumoのグループは全国に広がっています。(写真:eumo提供)

山下梓の顔山下梓
あわせて、アプリの中で新しくコミュニティ通貨を作ることもできます(コミュニティマネージャー機能)。代表的なコミュニティ通貨に、フェアトレードやエシカルな想いを持ったお店で使えるフェアトレードコインや、長野県松本市のエリア限定で使えるAC pay(ALPSCITY pay)などがあります。

また、埼玉県飯能市の山間エリアでは「Hello,againコイン」をリリースし、2022年1月末まで実証実験を行いました。

eumoの世界観を共感しあえる開発パートナーを探して

ソニックガーデンが共感コミュニティ通貨eumoの開発について相談を受けたのは、2020年10月頃のことでした。しかし、共感コミュニティ通貨eumoは2019年に実証実験を行い、2020年7月に初期のアプリをリリースしたばかり。なぜeumoは、アプリのリプレイスを考えなければならなかったのでしょうか。

武井の顔武井
共感コミュニティ通貨eumoは、2020年の7月に正式にサービスインし、加盟店でお買い物ができる状態ではありました。でも、初期のアプリは単なるQRコードの決済アプリになってしまっていたんです。「私たちが考えているeumo的な世界観って、こうだった?」と自問自答が続いていました。
西見の顔西見
電子マネーの機能はあるけれど、そこにeumo的な世界観がなかったんですね。

eumoの武井さん

石塚の顔石塚
eumoの社名は、ギリシア語の「ユーダイモニア」に由来しています。生きがいとか、持続可能な幸福という意味です。私たちは、物質的豊かさを享受した時代のあとに、心の豊かさや人間性の開放が大切にされ、自分らしい自律した生き方を求める人がもっと増えてくると考えています。
西見の顔西見
eumo的な世界では、買い物をする場合もサービスを提供する人/お金を払う人の関係性ではありません。
武井の顔武井
そうです。友だちと過ごした楽しい時間や、思いがけないおもてなしを受けた喜びなど、人と人がつながった時に沸き起こる幸せな感情や営みをざっくりと表現したものが、eumo的な世界での体験です。

でも初期アプリでは、eumo的世界の象徴である共感を資本にする部分が作れませんでした。それで、どうしようか…と考えているうちに、「アプリを作るところからeumoの世界観そのものに共感してくれる人や企業でなければ、eumo的体験を表現できないんだ」と気づいたんですよ。そこから、あらためて開発会社を探す中で、知り合いだったソニックガーデンの倉貫さんに相談しました。

eumoの石塚さん

西見の顔西見
もともと、武井さんが取り組まれていたティール組織のコミュニティつながりで、倉貫との関係性があったんですよね。共感コミュニティ通貨eumoのお話をうかがって、私も新井さん(eumo代表取締役・新井和宏さん)の本を読み、eumoの実現したい共感資本社会の考え方とソニックガーデンのあり方って、通ずるものがあるなと感じました。

いつも武井さんはじめ、eumoの皆さんと賑やかに打ち合わせをしていますが、全員が武井さんやeumoと関係性のある方たち。プロダクトを作るところから、共感でつながっている世界がありますね。

「eumo的体験」とは何か?カスタマージャーニーマップを作り、メンバー間の認識や理解をそろえる

「加盟店もユーザーも利用している。なるべく早くリプレイスを行いたい」の相談に、西見は「どうしたらスピーディに開発できるだろう?」と考えます。はじめにイメージしたのは、初期アプリの機能をコピーして、改修・改善を行う方法です。アプリのリリース後、ユーザーの反応などを見ながらの改善は一般的ですし、このほうが素早く開発できます。しかし…。

西見の顔西見
はじめに私たちは、初期アプリをそのまま改修しようと思っていたんです。でも、武井さんたちと話をするにつれて「その方法で、本当に共感コミュニティ通貨eumoのコンセプトを表現できるのか?」と考えるようになりました。
門田の顔門田
武井さんたちからは、「共感コミュニティ通貨eumoを使うとつながりが増え、つながりで生まれた価値が循環していく世界を表現したい」という思いをうかがったんですが、それは初期のアプリを改修するだけでは難しいと感じました。

そこで、アプリのリプレイスから1度離れて、共感コミュニティ通貨eumoでどんな体験を作りたいかを考えていきました。
西見の顔西見
そのような経緯から、私たちは武井さんに「開発を1ヶ月遅らせましょう」と提案しましたね。いくら早く開発に着手したとしても、本質を見極めないことには、結局手戻りに繋がってしまうんです。

「1から作り直すつもりで、共感コミュニティ通貨eumoのコンセプトや世界観をどんな機能に落とし込むかを固めましょう」とお話し、みんなでカスタマージャーニーマップ作りから始めました。

ソニックガーデンのメンバーたち。(左から)ファシリテーターとして参加した西見、プログラマの門田、西川

門田の顔門田
今回は、加盟店の登録フローや精算管理の機能を私が、アプリ開発を西川さんがメインで担当しています。明確に担当を分けているわけではないのですが、私たちも開発に入る前から話し合いに参加しました。
西川の顔西川
まずは、初期アプリをプログラマ各自のスマホにダウンロードして、自分自身がユーザーになり、eumoの皆さんと仮説・検証を行いました。

実際に自分のお気に入りの加盟店を見つけて、決済して、その嬉しさを伝えたり、お店へギフト(チップ機能)を送るという体験を通して、「共感資本社会に参加する人たちはどんな人たちなのか」「どんな体験があればアプリをより使いたくなるのか」を考えていきましたね。
武井の顔武井
ある話し合いのとき、共感コミュニティ通貨eumoの大きな転換点がありましたよね。石塚さんが「感情や共感を伝えるために、数字やテキストではなく写真も使おう」と、写真投稿をメインにしたSNSのようなインターフェースを提案したときです。初めは「えーっ!」と思ったのですが、機能で共感資本の世界観を表現する上で1番でした。

制作したカスタマージャーニーの一部

門田の顔門田
ターニングポイントでしたよね。カスタマージャーニーマップを軸に、生み出したい体験をどうやって機能に落とし込むか?は、ハードルが高いところでした。また、意見が分かれたり迷ったときは、西見さんがうまくファシリテートしてくれて。全員が「これがeumo的体験だね」と感覚を共有できたので、開発する上でもサービスと機能のズレが起きづらかったです。
石塚の顔石塚
共感コミュニティ通貨eumoのプラットフォームでは、「ユーザー」「加盟店」「コミュニティ」の3つの軸で、システムが構築されています。正直、1人ですべての視点を踏まえたサービス設計は難しい。そこでソニックガーデンさんは、それぞれの視点でサービスや機能がはっきりするように、門田さん、西川さんをアサインしてくださいました。
西川の顔西川
僕らはプログラマなので、最終的には具体的なものを作ります。その上でも、プロダクトやサービスの背景をちゃんと把握した上で開発するのとそうでないのは、やりやすさがまったく違うんです。

背景がわかっていれば、「今後こういうことが起こるんじゃないか」などを見越した設計にもできますし、日々の良いコミュニケーションにつながります。
西見の顔西見
開発に入る時期は想定より遅くなりましたが、共感コミュニティ通貨eumoの共通認識を固めたことで、結果的に開発がスムーズになったと思います。

手を抜かない、未来を見る。顧客のハートをつかむ仕事とは?

関わる全員が共通認識を持ったカスタマージャーニーマップをもとに、アプリのリプレイスは進みます。とくにプログラマの門田と西川が丁寧に開発をすすめた部分が、バックエンド業務の改善です。店舗に備えた専用端末をなくして決済まわりの不具合を根本的に解消するほか、電子マネーの精算業務のプロセスを自動化し、共感コミュニティ通貨eumoの運営負荷を軽減しました。

西見の顔西見
門田さんたちが印象に残っている開発エピソードを教えてください。
門田の顔門田
精算システムの開発です。共感コミュニティ通貨eumoで使われているコミュニティ通貨は、日本の法律に従って、加盟店が決済した電子マネーを円に換金する必要があるんです。そして、加盟店へお支払いする精算業務があるんですが、決済を担う外部システムとの連動がうまくいっていませんでした。

アナログで対応する作業が多くてとても大変そうでしたし、これからのことを考えると、自動化したほうがいいので、スムーズに精算できるようなシステムを開発しました。バックエンドの業務が、かなりシンプルになったのではないでしょうか。
仁科の顔仁科
私はオペレーションのマネジメントを担当していますが、以前の仕組みは本当に大変でした。門田さんがおっしゃった、銀行のような機能が自動化されず、CSVファイルの生成、手作業での計算処理などをアナログ対応でやっていたんです。私自身もやりたくない業務でしたし、「共感コミュニティ通貨eumoはここが改善されない限り、うまくいかない」と考えるほどでした。

仁科さん、森崎さん、山下耕さんは、オンラインで参加

仁科の顔仁科
やはり事業は、表面的な部分を整えたとしても、土台がしっかりしていなければうまく回っていきません。でも開発パートナーの力量がすごく必要になる部分でもあるので、ソニックガーデンさんが開発に入ってからも、半分くらい自動化できればいいなぁと思ってました。でも、あっという間に開発してくださって。

さらに、作業フローが固まってないところも、ソニックガーデンさんは一緒に考えてくださるんです。「こんなふうにしたらいいんじゃない?」と提案するだけでなく、それ以上を見据えた開発をしてくださいました。
門田の顔門田
いただいたフロー図を参考に開発しながら、事務局の皆さんのイメージとシステムをすり合わせていきましたね。開発して実際にシステムを触っていただくと、「もっとこうしたい」の意見はでてくるものです。開発しながらお客様の声を聞いて対応できるのは、納品のない受託開発の良いところです。
仁科の顔仁科
本当は目先のことだけに対応して、システムを開発・納品したほうが楽だと思うんです。でも、門田さんたちにそんな姿勢は一度もなく、つねに先を見て関わってくださいました。信頼できるパートナーだなと感じるのは、そのようなところですね。「ソニックガーデンさんは、顧客のハートをつかむ仕事の仕方をされるなぁ」って思います。
森崎の顔森崎
私自身、システム開発会社の方と仕事をする機会が多いぶん、「ソニックガーデンの納品のない受託開発って、どんな感じなのだろう?」と思っていました。やはりゲームやシステム開発は、要件定義をして、開発したものをお納めして、保守もしくは契約はおしまい、がスタンダードです。

ソニックガーデンと一緒に開発をしていくと、「なるほど」と感じることがたくさんありました。共感コミュニティ通貨eumoでこんなことをやりたいと言う前から、「こういう形がある」と提案されるだけでなく、「その目的だったら、根本的な部分を解決しましょう」のようなアプローチもされる。まさに、アプリを一緒に育てていくパートナー。このようなところが、納品のない受託開発の特徴なのだと感じました。
武井の顔武井
開発力とスピードにはびっくりしましたね。共感コミュニティ通貨eumoは、AndroidとiOSのアプリがあり、決済は他社システムを導入するなど、規模の大きいシステムです。私もこれまでシステム開発に関わってきた経験があるので、eumoの開発の大変さはわかっていたし、優先的に開発するところと、しばらく以前のシステムを使い続けるところがあるだろうなと考えていたんです。

たとえば、ユーザー側を優先して管理画面はしばらく古いバージョンを使おうとか。でも、門田さんと西川さんは「(管理画面も)同時に開発してますよ」って言うんですよ。
山下耕の顔山下耕
私たちがなんとなくイメージしていたスケジュールを、大幅に上回るスピードで開発してくださって。大きな誤算と言いますか(笑)、サービスサイドの私たちもつねに全力で先を考えなくてはならないという、ありがたい忙しさがありました。
西見の顔西見
今回は、あえて優先順位を決めずに、共感コミュニティ通貨eumoを構成するすべての要素を少しずつ開発していきました。それぞれの機能が価値を発揮したときに描かれているビジョンを、大切にしたいと思ったんです。

すべてが複雑に影響し合っているので、たとえばユーザーサイドを作り終えたら、次はコミュニティマネージャーの管理画面を作りましょうといったプロセスでは、システムがつぎはぎになってしまう。どの要素が欠けても、eumo的体験は生まれませんから。
門田の顔門田
eumoの世界観に近づけていくステップを考えて、「ならば今はここから開発しよう」と逆算的にプロセスを切っていきました。
西見の顔西見
難しかったのは、共感コミュニティ通貨eumoのシステムとしてのミニマムな姿を考えたところ。どのようなシステムが最低限揃っているとeumo的な体験が生み出せるか?、その最小単位を見つけて、少しずつ風船のように膨らませていく感覚で開発の手順を考えたのは、大きなポイントです。

共感コミュニティ通貨eumoの利用シーンを増やしたい

想定外のイシューが起きてもチームワークで対応し、2021年の7月にリニューアルした共感コミュニティ通貨eumoアプリ。エンドユーザーや加盟店さんからも、使いやすくなったの声をいただいています。

仁科の顔仁科
以前のアプリでは、ユーザー認証のプロセスが複雑だったんです。システムの問題を、ユーザーに押しつけるような仕様になっており、離脱率も高くて。そこが改善され、ユーザー認証もスムーズで、アプリをダウンロードしやすくなっています。使いやすくてワクワクするデザインやUIもいいですね。

また、加盟店さんの新規登録や管理画面の使い方などに関するお問い合わせも減り、皆さん迷うことなくご利用いただいていると感じます。
山下梓の顔山下梓
クレジットカードで共感コミュニティ通貨eumoのチャージができることや、オンラインショップ(一部の加盟店)で使えるようになり、ユーザーの利便性が高まったと感じます。

eumoの山下梓さん

西見の顔西見
ありがとうございます。私たちも嬉しいです。共感コミュニティ通貨eumoは全国に加盟店さんがいらっしゃって、その業態もさまざま。ユーザー含めて、共感を軸に広がっているところが、一般的なサービスの広がりとは異なり、面白いなと感じます。

では皆さんは、これから共感コミュニティ通貨eumoでどんなことに取り組みたいと考えていらっしゃいますか。
森崎の顔森崎
検索まわりやUIの改修、使い勝手の向上など、eumo的な体験を高めるために実現したいことがまだまだたくさんあります。日々のコミュニケーションの中で生まれたアイディアや、お客様からの声などを参考に、いろんな人たちのつながりが共感コミュニティ通貨eumo経済圏の中で出来上がっていくようなデザイン体系を作っていきたいです。
山下耕の顔山下耕
コロナ禍で、共感コミュニティ通貨eumoの加盟店へ実際に足を運べない日が続いています。やはり運営としては、実際にアプリを使って、eumo的な体験を実感していただきたいんです。共感コミュニティ通貨eumoは、オンラインコマースでのニーズもあると思うので、運営がモールのような場を用意して、加盟店さんが利用できる環境を作りたいと考えています。
山下梓の顔山下梓
eumoの概念や思いを理解してくださる方が増えていますので、事務局としては共感コミュニティ通貨eumoを実際に使っていただけるような啓蒙活動を進めたいです。また、コミュニティコインの種類も増やしていきたいですね。
仁科の顔仁科
共感資本社会には、共助があります。皆さんには、楽しくかわいらしく「こういう形の共助っていいよね」と共感コミュニティ通貨eumoを使っていただけたら嬉しいです。

また、紙ベースでペイフォワードの取り組みを行っているお店やコミュニティもあります。それもひとつの共助であり応援の形だと思うので、そこでも共感コミュニティ通貨eumoが活用できるチャンスがあるのでは?と思います。普通の決済アプリではできないことをやりたいです。
門田の顔門田
ペイフォワードって、無償の貢献。たとえばカフェでお茶をした人が、誰かのために1杯ごちそうするチケットを買う、のような仕組みですよね。
仁科の顔仁科
はい。そのようなアイディアも含めて、引き続きソニックガーデンの皆さんと相談しながら、共感コミュニティ通貨eumoで距離やタイミングをも超えた応援ができる仕組みを作りたいです。いつか開発の終わりがくることを考えるとさみしい気持ちもあるので、ずっとワイワイ楽しくできたらと思います。
西見の顔西見
石塚さん、武井さんからもお願いします。
石塚の顔石塚
アプリを軸にした通貨事業の目標は、2025年までにギフト力を信用とする金融機能を実装していくことです。現在は店舗に送れるギフト機能のみですが、個人間送金で誰かを応援する機能、自分の手から離れても共感のコミュニティの中でコミュニティ通貨が循環する仕組み作り、可視化を目指します。

今後は、eumoAcademyの参加者や卒業生の皆さんのアイディアも取り入れた機能展開も考えたい。ギフトが信用になって、本来の意味での投資が行われ、経済が回っていくようなところまでアプリを進化させたいです。

武井の顔武井
共感コミュニティ通貨eumoの事業展開のキーだと考えているのが、地域に根付いた通貨を増やすこと。埼玉県の飯能市で「Hello, againコイン」の実証実験を行いましたが、対象エリアが小さいぶん、サービスが浸透しやすかったんです。

通貨は、使えるところがないと持て余してしまうし、物理的に近いところに加盟店がまとまっていたほうが、生活の一部として通貨を使え、利便性も高くなります。地域通貨は、自治体からの関心も高いし、地方創生の文脈でキーワードとして注目されてくるでしょう。この世の中の流れに、コミュニティ通貨をフィットさせていき、「うちの地域で通貨を作るぞ」と取り組む方たちに向けたサポーティブな機能やコミュニケーションを強化したいです。
西見の顔西見
では終わりに、西川さんと門田さんからもこれからの抱負を教えてください。
西川の顔西川
これから拡大していくにあたって、データ量も増えますし、ユーザーの声やニーズに変化が現れると思います。そのようなところもケアしながら、継続的に共感コミュニティ通貨eumoの開発を続けていきたいです。
門田の顔門田
eumoのみなさんが実現したいことを、プログラマとしてサポートしたいです。また、私自身も共感コミュニティ通貨eumoに共感していますし、お金の流れに関して思うことが日常でもよくあるんです。地元の四国で共感コミュニティ通貨eumoが使えるところが増えたら、まわりの人にも勧めたいですね。引き続き、いろんなことが一緒にできると良いなと思っています。
西見の顔西見
本日は皆さん、ありがとうございました。共感コミュニティ通貨eumoは、共感資本社会を実現していく入り口であり、インターフェース。そしてインフラでもあるなと、あらためて感じました。

信頼して使っていただける社会インフラになるためには、信頼の置ける仕組み、バックエンドを作っていく必要があります。それに応えていくのがソニックガーデンの役割です。eumoの進化のために、私たちもつねに進化をしていきたい。ともに進化していけると、非常に良い世界が作れると思います。私たちも、頑張ります。

取材をしたお客様:株式会社eumo
開発担当サービス:共感コミュニティ通貨eumo

撮影/関口達朗

インタビュアー/ライティング:マチコマキ
広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

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