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プログラマとして人生を歩むため、大企業からソニックガーデンへ。フルリモートのお父さんプログラマの喜びは?

愛知県瀬戸市で、3人のお子さんと奥様と一緒に暮らしているイチローさん。明るく親しみやすい人柄からか、社内では苗字ではなく下の名前で「イチローさん」と呼ばれています。ソニックガーデンで働き始めて2年。転職の経緯や、リモートワークでの働き方、仕事をする上での喜びを聞いてみました。
(Interviewer:野本 司


目次

    大企業の情シスで、電子申請システムを一人で作っていた前職時代

    自己紹介からお願いします!
    イチローの顔イチロー
    中谷一郎です。愛知県瀬戸市という瀬戸物の街に、奥さんと9歳7歳5歳の3人の子供たちと一緒に住んでいます。CoderDojo瀬戸という子供向けの無料プログラミングコミュニティを運営しているので、その関係で最近は色んな人からお声掛けいただき、地元のラジオに出演したりしています。

    今回のインタビューは、Zoomで行いました。上:野本、下:イチロー


    ソニックガーデンに入社されてどのくらいですか?
    イチローの顔イチロー
    2年です。トライアウト※を受けてからは4年くらい経っていると思います。

    (※トライアウトは、ソニックガーデンの採用の仕組です。オンラインでのトレーニングとテストを受けることができ、プログラミングに関する技術力と、仕事や仲間に対する姿勢や考え方の確認のためにあります。)


    トライアウトの期間が約2年あったんですね。その間、お仕事もされていたと思うのですが、前職では何をされていたんですか?
    イチローの顔イチロー
    従業員数1800人くらいの会社で、情報システム担当(情シス)として社内システムを導入したり作ったり改善したりしていました。経費申請、出張申請、出張精算、請求書、社内稟議などの電子申請システムの他にも、製薬企業だったので業界特有の厳しいレギュレーションをクリアしているか確認しながら病院内でプロモーションするための電子システムなども作っていました。

    社内に約60くらいあった電子申請システムを基本的には僕一人で担当していました。
    それだけの数のシステムを一人で担当するのは、かなり大変だったと容易に想像できますが…。転職されるときは、引継ぎなどもご苦労されたのではないですか?
    イチローの顔イチロー
    僕が退職しても影響が出ないよう、外注先を見つけて共に改修する形を作り上げ、引き継げるようにしておきました。結局のところ本業は製薬なので、システムを内製する文化はありながらも、潤沢に人材をさける状態ではなかったんですよね。

    プログラマとして人生を歩んでいくため、転職を決意

    なるほど。一人ということは苦労もありますが、裁量という面ではとてもやりがいのある職場だったように感じますが、転職を考えたきっかけを教えてください。
    イチローの顔イチロー
    これが理由です、というような何か一つの決定的な理由があったわけではなく、将来の働き方を考えたときに、転職という選択肢が浮かびました。

    前職での情シスとしての業務は多岐にわたっていました。新しいシステムを導入したり、そのシステムの説明会を開催する段取りを整えたりする仕事もあれば、「マウスが動かなくなってしまって困っています」という内線をもらって、駆けつけて電池を変えることも仕事でした。
    いわゆる情シスですものね。
    イチローの顔イチロー
    そうですね。そんな中でも僕がプライドを持ってやっていたのは、プログラムで社内を良くしていくという部分です。プログラマとして生きていくのはかっこいいと思っていましたし、プログラマとして仕事をしているという自負がありました。

    しかし段々年を重ねていくと、やっぱりマネージャーであったり管理側に進むという流れに直面するわけです。
    そこで将来について考えたんですね。
    イチローの顔イチロー
    はい。色々考えましたが、やっぱりプログラマとして人生を歩んでいきたいと思いました。

    ソニックガーデンの長い採用期間は、まるで研修のようだった

    それでソニックガーデンのトライアウトを受けたんですね。
    イチローの顔イチロー
    僕の中で当時ソニックガーデンはブランド化されていて、転職先候補としてすぐに上がってはきませんでした。ソニックガーデンを勧めてくれたのは、奥さんです。仕事これからどうしようかなと相談したときに「そういえばソニックガーデンってリモートでできる会社って言ってたよね、受けてみれば」と。

    奥様からのアドバイスがあったんですね!
    イチローの顔イチロー
    本も何冊か読んでいたので、僕としては「あのソニックガーデンを!?」という恐れ多い気持ちでしたが、コーポレートサイトを開いてみたんです。そうしたら、凄く共感できることしか書いてなくて。

    うんうんと頷きながら読み進めていくと、「一緒に働きたい方へ」という募集のページがあって、気づいたら「トライアウトに挑戦する」ボタンを押していました(笑)
    ソニックガーデンの採用ステップである「トライアウト」には長い時間が必要だと言われていますが、いかがでしたか?
    イチローの顔イチロー
    普通の会社とはまったく違いますよね。通常はまず「面接してみましょうか」となる企業が多いと思いますが、ソニックガーデンでは最初に大量の作文を書いて提出するんです。

    レベル1は「あなたはどういう仕事が好きですか」「一緒にやりたい理由は何ですか?」というような、自分のことを説明するパートです。レベル2になると、倉貫さんのブログや本などのアウトプットへの感想を書いていきます。合わせて40問くらい、作文を書きましたね。
    40問!そうとう大変そうですね。
    イチローの顔イチロー
    僕は一問に対しての文章量がとても多かったので、時間はすごくかかりましたね。でも途中で「これって研修だな」と思ったタイミングがありました。ソニックガーデンのカルチャーを知るための機会でもあり、その次のプログラミングの問題も研修と言えば研修です。

    入ってからミスマッチが起こるより、入る前にお互いのことをよく知ってマッチングした状態で入社した方が無駄がないですよね。
    確かにそうですね。入社してからミスマッチが判明し退職ということになると、お互いに大変です。

    プログラミングが好きだから、入社後の大変さも乗り越えられた

    トライアウトなどを通して社内の人や文化に触れる機会は多かったとは思いますが、それでも実際に入社して新しく感じたことなどはありましたか?
    イチローの顔イチロー
    やっぱり最初は大変でしたね。僕は仕事でプログラムを書いてましたが、それだけではトライアウトは通用しなかったと思います。

    仕事以外にも自分のブログをRailsで作ったり、個人としてiPhone アプリ※を3つくらいリリースしていたり、Mashup Awards(日本最大級の開発コンテスト)に出品してプレゼンしてみたり、業務と関係ないプログラミングも勉強をしてきたからトライアウトをクリアできたのだと思います。しかし、それでも入社してからしばらくは大変でした。

    (※開発したアプリのひとつがこちらで紹介されています:APP BANK『キーボードに「カレンダー」を表示できるアプリが便利すぎる!』


    個人でかなり活動していても、苦労されたんですね。大変だった部分ももう少し詳しく教えてください。
    イチローの顔イチロー
    「プログラムのロジックを書く」とか「綺麗なコードを書く」とかは当然それまでもやっていたので、下地という意味ではそんなに苦労はしませんでしたが、「引き出し」という意味での苦労がありました。

    例えばRailsで様々なシステムを作っていく上で、「こういうもの作るときは、こういうライブラリを使った方がいい」「こういう風にしたいんだったら、この辺のconfigをいじる」というような引き出しが、個人でやっていたとは言えだいぶ少ない状態から始めているので、その引き出しを増やす過程ではすごく苦労しましたね。

    とは言え、働く中で自然と引き出しは増えていきますし、部活や社内ハッカソンなどもありますし、自然と解決できました。
    業務であったり、社内の活動を通して必要な引き出しを増やすことができるんですね。とは言え、簡単ではなかったと思います。その大変さは乗り越えられた理由はなんですか?
    イチローの顔イチロー
    結局のところプログラミングが好きだからですね。やっぱりプログラミング好きな人じゃないとソニックガーデンに入ってから苦しさがあるかもしれないですね。それを一生やっていくと言ってる会社ですから。

    多様な業種のお客様に、それぞれの関わり方で顧問CTOとして貢献する

    今はどんな仕事をしているのか教えてください!
    イチローの顔イチロー
    今は株式会社ユーフォリアさんのスポーツ選手のコンディション管理システムONE TAP SPORTSエン・ジャパン株式会社さんのM&AマッチングプラットフォームMAfolova、あとは特定非営利法人ADDSさんの発達障がいのある子供と保護者を支援するシステムを、顧問CTOとして担当しています。
    様々な業種のお客様の担当をされているんですね!業種が異なると、お客様から求められることにも違いありますか?
    イチローの顔イチロー
    ONE TAP SPORTSが一番規模が大きいシステムですが、フットワークの軽い社風で、どんどん改善を重ねていけます。ただソースコードの規模が大きいので安易に機能を追加してくと、他が壊れていったりもします。

    そうならない為にはきちんと設計の全体像を意識する必要がありますが、それはとても難しいですが面白いですね。多くの人に使われているサービスなので、ちょっとした変更で負荷が高くなったりもするので、そこへの対応も勉強になっています。

    イチローの顔イチロー
    MAfolovaはPOの方がかなり分析してくださり、「こういう画面遷移で、こういう仕様でやってほしい。背景はこういう背景で」という感じではっきりしたご要望があるので、それを聞いて違和感がなければブラッシュアップする案をお出ししたりして作っていきます。技術面のパートナーのような関係性ですね。ビジネス面で言うと、今まさにこの瞬間ぐいっと伸びていて、これから爆発しそう、というところに立ち会えているのが面白いです。

    ADDSさんでは、技術面で一番頼ってもらっていると感じています。相談にのってご要望を分析した上で、これがいいですよとオススメを決めてあげるように意識しています。僕の実力が問われる案件なので(笑)、楽しみながらも頑張らなければと思っています。

    働く場所も、働く時間も自由だが、成果を出す責任がある

    ソニックガーデンに転職されて、良いなと思った点を教えてください!
    イチローの顔イチロー
    ソニックガーデンの良いところと言われてまず浮かんだのが「自由であること」ですね。働く場所も、働く時間も自由です。業務時間中に趣味のプログラムを書いてもいいし、気分転換に散歩に行ってもいい。

    自由ではあるけど、その裏には成果を出す責任があります。自分の裁量がとても大きいですね。

    なるほど。成果を出しさえすれば、自由に働けるということですね。リモートワークはいかがですか?
    イチローの顔イチロー
    まず通勤がないのがすごくいいですね。前職では往復で毎日2時間の通勤時間がかかっていました。通勤中はプログラムを書いたり無駄にならないようにしてはいましたが、通勤時間があった方がいいかと言われたら、もちろん無い方がいいです(笑)今はこの時間にランニングであったり趣味であったり、好きなことができます。
    リモートワークのメリットですね!
    イチローの顔イチロー
    そうですね。リモートワークを活用して実現できたらいいなと思っているのが、家族で沖縄に旅行しながら仕事をすることです。以前は長期旅行って難しかったんですよね。長期休むのは難しいので休みをお正月やGWなどにくっつけて、ハイシーズンに通常より高いお金を払っていかなくてはいけません。リモートワークでどこでも働けるという自由を手に入れると、ローシーズンに旅行ができます。
    いいですね!ローシーズンだからこそ長期旅行も実現しやすいですよね。
    イチローの顔イチロー
    3泊4日ではなく、1週間2週間という長期旅行ができれば、子供たちに色んな経験をさせてあげられます。

    旅行だけでなく、リモートワークになったことで家族と過ごす時間が圧倒的に増えました。以前は朝食すら難しかったのに、今では夕飯も毎日一緒に食べられるようになりましたね。
    ーそれは嬉しいですね。
    イチローの顔イチロー
    はい。家族との物理的な距離が近くなり、物理的に近くなると自然と心理的な距離も近くなりました。家で働くのようになって、子供たちが明らかに僕にも懐くようになり、一緒に遊ぼうってすごく言ってくれるようになりましたね。

    プログラマとしてリスペクトされる環境で働けることが幸せ

    大企業の情シスとソニックガーデン、どちらも仕事をする喜びがあったと思いますが、今感じている喜びはどういったものですか?
    イチローの顔イチロー
    プログラマとしてのスキルと言う面では、以前の会社では、社内で選定された製品のフレームワーク上で動くシステムしか作れませんでした。

    オープンでないクローズドなフレームワークなりシステムで開発しなければならないというのは、大きな会社に属する方だと身に覚えがある方もいるのでは無いでしょうか。それは Rhino というオープンソースの JavaScript 実行環境で動いていましたが、その上のフレームワークはどこかの会社が開発した製品です。そのシステムの中で動くものを作っているということは、どれだけスキルを高めても、ドメスティックな知識でしかないんです。
    なるほど。クローズドなシステムと、JavaScriptにだけ精通していく状態ですね
    イチローの顔イチロー
    そうです。世の中にRubyやReactといった流行りの技術が出てきても、業務でそれに触れることができないので、そこはすごくモヤモヤしていましたし、ソニックガーデンに入って引き出しがなくて苦労したのは、積んだ経験が活かせないからでした。

    今は新しい技術を学べることや、ひとつの開発で得たスキルが、他の開発にも活かせることが喜びですね。

    積み重ねる経験に意味が出るのは嬉しいですね。
    イチローの顔イチロー
    あとは、社外向けのシステムを作ることで、自分が作ったものをたくさんの人に使っていただけるのが嬉しいですね。情シスでは、身近な社内の仲間の役に立つという喜びでしたが、今はたくさんの人に影響を与えられているという喜びがあります。

    また、今はプログラマにリスペクトがある環境で働けていることが喜びです。前の職場は僕しかプログラマがいないこともあり個人的なリスペクトは感じてましたが(笑)、やはりITが本業ではないので経営資源という面でのリスペクトはあまりありませんでした。

    でもITが本業でもプログラマに対するリスペクトがない会社はけっこうあると思うんです。そんな環境では、どれだけ頑張っても疲弊してしまいますよね。
    そうですね。ソニックガーデンはそうではないんですね。
    イチローの顔イチロー
    そうですね。ソニックガーデンという会社は、プログラマがすごくリスペクトされる会社です。お客様からもリスペクトされた状態でスタートできるので、そこも喜びです。

    自分の得意なことで喜んでもらえる、そんな場を運営しているのが楽しい

    自己紹介にあった、CoderDojoについて教えてください。
    イチローの顔イチロー
    CoderDojoというのは7〜17歳の子どもを対象にしたプログラミングコミュニティで、2011年にアイルランドで始まりました。2020年3月の時点では世界110カ国に2,000の道場、日本には205以上の道場があります。

    「道場に参加する子ども達や、その保護者から料金を徴収しません」「持っている知識を自由かつオープンに共有します」というようなCoderDojo憲章という決まりがあって、その決まりを守ることで名乗ることができます。

    僕は瀬戸でCoderDojo瀬戸というのを月に2回、開催しています。

    守らなければいけない憲章があるんですね。料金を徴収できないということは、副業とはまた違う活動だと思うのですが、開催の理由や経緯を教えてください。
    イチローの顔イチロー
    僕自身子供が3人いて、そもそも子供が好きなんです。プログラミングも好きで、「子供向けのプログラミング」をやるというのはごく自然なことでした。

    最初は特に自分の子供に教えたいという気持ちで始めましたが、参加する子供や共にやってくれるメンターが増えて輪が広がっていくと、別の喜びや楽しさを感じる様になりました。自分の子供とか、他の人の子供とかあんまり関係なくなって、自分の得意なことで周りの人が喜んでくれる、そんな場を自ら作って運営しているという状況がとても嬉しくて楽しいですね。
    お子さんと一緒に、家庭の外での活動に参加しているんですね。
    イチローの顔イチロー
    そうですね。家庭の外での活動ではあるんですが、家族としての活動でもあるんです。自分だけハッカソンに参加するからと出ていくのとは違って、家族みんなで参加することで自動的に家族からの理解も得られるのがいいですね。
    プログラマとしてのお父さんの凄さも伝わりますね!
    イチローの顔イチロー
    どうでしょう、息子はリスペクトしてくれていると信じたいですね(笑)
    今後、考えている展開があれば教えてください。
    イチローの顔イチロー
    CoderDojoはとにかく楽しく続けていきたいです。家族としては、ワーケーションにチャレンジしたいです!
    素敵ですね!近い将来実現しそうですよね。今日は楽しいお話ありがとうございました!
    ライティング:岡田由美子
    早稲田大学第一文学部在学中より、物書きを目指してひたすらに原稿用紙に文字を埋める日々を過ごす。卒業後、EC系のベンチャーで新規事業の開発に取り組む。現在は二児の育児の傍ら、インタビュー記事や、商品紹介のキャッチなど、また文字の世界へと戻る。
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