まずは話を聞きたい
採用サイト
社員を知る

幸せに働くことがきっと社会を変えていく〜「対話するプログラマ」が見出した最高の仕事

ソニックガーデン設立当初から在籍するベテラン社員の西見公宏(にしみ まさひろ)さん。ソニックガーデンが提供する「納品のない受託開発」で、最初 にお客様とのコミュニケーションを取る「フロント業務」の中心となる存在です。

お客様の良きパートナーとなるため、真摯に向き合いながら対話を重ね、思いを実現するプロセスを丁寧に構築していく仕事に、今はやりがいと充実を感じていると言います。

ソニックガーデンでの仕事、家族で決断した地方移住、働くということについてなどを語っていただきました。


目次

    お客様が「本当にやりたいこと」を探るフロント業務

    では自己紹介からお願いします。
    西見の顔西見
    西見公宏(にしみ まさひろ)です。2011年7月に設立したソニックガーデンに、社員第一号として入社しました。
    11月の入社だったので、今年で丸10年が過ぎましたね(インタビューは2021年12月に行いました)。
    今や取締役となったベテラン社員ですね。現在のお仕事について教えてください。
    西見の顔西見
    ソニックガーデンのメイン事業である「納品のない受託開発」に興味を持っていただいたお客様と、具体的にどんなものを作っていけるのか、その入口のガイド役を担当しています。ソニックガーデンでは「フロント」と呼んでいます。
    ソニックガーデンにお仕事を依頼に来たお客様と最初にお話をするのが西見さんなんですね。
    西見の顔西見
    そうなりますね。いわゆるソフトウェア開発は、お客様の「こういうものを作ってほしい」という依頼に対して「どう作るか」考えながら作って、完成したものを納品する、というのが基本的な流れだと思うんです。

    でもソニックガーデンはちょっと違っていて、会社のミッションにもある「お客様のパートナーとなって事業を支え続ける」が大前提としてあります。なので、納品して終わりではなく、お客様のパートナーとして一緒に開発をし続けていくということになります。

    そのためにはお客様が「どういう事業をしていきたいのか」「どういう思いでやっていきたいのか」という目線に立たないと、パートナーとなることができないんですね。なので、まずお客様の気持ちを引き出す必要があるんです。
    「これを作ってください」をただ引き受けるわけではないと。
    西見の顔西見
    そうです。「何を作っていくか」は重要なポイントですよね。一緒に開発を続けるプログラマとしても、そこをちゃんと押さえておくことはとても大事なことです。

    実は、プログラマをやっていて1番辛いのが「言われた通りのものを作る」ことなんですよ。なんのために作るのか、どういう効果のあるものかがわからない。わからないまま作るのって、すごく辛い。
    確かに、「作業」感が強くなる気がします。
    西見の顔西見
    それに、僕はプログラマのキャリアとしては長い方だと思いますが、これまでの経験から言って、「これを作ってほしい」とお客様が最初に言うものは本当に作ってほしいものとは違うことも多いんです。
    えっ、そうなんですか?
    西見の顔西見
    お客様の中に「やりたいこと」があって、「『そのためにはこんなものがあったらいいんじゃないか』とお客様が考えたもの」を「作ってください」と持って来られることが多いですね。それは「やりたいこと」という大元を実現するための最善策ではない場合があります。

    だから、まずは対話してしっかり理解を深めてからでないと、途中でつまずいて、やり直して…と、コスパの悪いことになってしまいかねない。

    「何をしたいんですか?」を最初に掴んだ方が話が早くなるということですね。
    西見の顔西見
    そういうことです。そのためにもっと深く、その「作ってください」はどこから来ているのかな?を探る必要があります。

    例えば、新規事業を立ち上げるためにソフトウェア開発のご相談を受けることが多いんですが、それなら「なぜ新規事業を起こそうと思ったのか?」、もっと遡ってそれに至った原体験から伺うこともあります。
    単に、「事業設計や作りたいものが理路整然と説明されているか」ではなくて、「新規事業を立ち上げたい想いがどこからつながっているのか、そこがロジカルであるか」を対話から引き出すのがポイントですね。
    そこまで話し合うとなると、お客様との関係性もかなり密になるんじゃないですか?
    西見の顔西見
    お客様の想いを実現するためのパートナーとなるわけですから、信頼関係を築くことはすごく大切にしています。最終的には、お客様の想いが実現されるだけでなく、そこを超えてさらに価値あるものが生まれるところにまで耳を傾ける。
    ソニックガーデンが「納品のない受託開発」というサービスをご提供できるまでのセットアップをしていくのがソニックガーデンのフロント業務です。
    すごいですね。カウンセラーみたいなお仕事。
    西見の顔西見
    私もまさにそうだなと思って、めちゃくちゃカウンセリングや心理学の本を読みました(笑)あと、僕の尊敬するファシリテーターの1人にアダム・カヘンさんという方がいらっしゃって、その方のテクニックも参考にしています。
    アダム・カヘンは「紛争解決ファシリテーター」として有名な人物ですね。心理学とファシリテーションを使って、お客様の真意を探って問題を解決するところまでやると。
    西見の顔西見
    結局心というか、お客様自身に踏み込んでいく作業になりますから、入り方が難しい。無神経にズカズカ行ってしまうともちろん心を閉ざされてしまいますし、ふわふわやっていても上手には引き出せません。

    話してくれるような空気を作って、鍵になるなと思ったことをグッと掴んでいく。そのスキルを身に付けたくて勉強しています。

    相手と深く繋がることができると、一緒に仕事する甲斐がある

    プログラマとしてスタートして、全く新しいスキルも手に入れることができたんですね。すごいなあ。
    西見の顔西見
    設立当初は代表である倉貫さんや藤原さんがそういうお客様との対話を担当していたんですが、側から見ていてすごく面白そうだなーと思って、「弟子入り」しました。経験を積んで今に至ります。
    そうやってお客様の話を聞き出しつつ、会社全体のことも見て社内のどこに繋げるかまでも考えるんですか?
    西見の顔西見
    そうですね。みんなの技術的背景や作ってきたシステムは大体把握しているので。そういったスキル面以外にも、「こういうチャレンジをしたい」って以前に言ってたから、この案件に誘ってみようかな、という人選もしますね。

    1番やりがいを感じる瞬間はどこですか?
    西見の顔西見
    対話の中で「これだ!」というアイデアが生まれる瞬間ですね。さらにそのアイデアを一緒に実現していけるわけですから、この上ない喜びです。

    そこまで相手と深く繋がることができると、一緒に仕事する甲斐があるなと思います。「ソニックガーデンと話したからこそ、これができたんだ!」と思ってもらえたら、すごく嬉しいことです。
    人の気持ちを形にしてデザインしていく。フロントは「納品のない受託開発」の屋台骨と言っても過言ではないくらい重要なポジションなんですね。

    家族会議で見出した「みんなハッピー」になるための移住

    最近お引越しをされたそうですね。
    西見の顔西見
    2021年の4月に、東京から山梨に引っ越しました。直接のきっかけはパンデミックですが、もっと気持ちを遡ってみると「自然が好き」ということが根っこにありまして。
    いい空気の中で暮らしたい、というような。
    西見の顔西見
    思えばずっとそういう気持ちがあったんですが、東京育ちで知り合いもたくさんいたし、移住に踏み切るほどでもなかったんです。でも、このパンデミックで気軽に近所の人と飲みに行ったりできなくなって、「自分にとってのベストってなんだろう」と考えて、移住を決めました。

    心理的にも物理的にも、都会の雑音の多さを長年しんどく感じてましたし。
    西見さんのように他人の細かい気持ちを拾う仕事をしていると、アンテナが仕舞えなくて、雑音が一段と気になりそうです。
    西見の顔西見
    いろんなことが気になってしまって、もう少し静かなところに行きたいと思ってしまったんです。
    欲張りなので、気が向いたら東京に行ける程度の場所で(笑)その結果、縁があって富士吉田市に住んでいます。

    この移住を決めるにあたって、家族会議をしたんですよ。ホワイトボードが家にあったので、それを使って本格的に。
    家族会議でホワイトボード!
    西見の顔西見
    移住前提で会議をしたわけではないんです。子どもも含めての家族全員で、現在の状況を書き出して、「今ハッピーかね?」と。そうしたら「なんか違う」「じゃあどうしたい?どうしたらいい?」「何が必要?」と、どんどん意見を出しながら書き出してみました。

    最終的に家族のハッピーのために、子どもたちの教育のために、「自然と近いところで暮らしてみたらどうでしょう」と全員で。
    なんだかアプローチがお仕事と似ているような…。
    西見の顔西見
    まさにセッションによって生まれた結論でした(笑)
    普通なら「会社どうするの?」ってなりますけど、ソニックガーデンならそんな心配もありませんしね。
    西見の顔西見
    そうですね、どこからでも仕事できるのがソニックガーデンの良いところのひとつです。

    「幸せ」とは何か?

    今は良いパフォーマンスで働けていますか?
    西見の顔西見
    すこぶる良好です。家族全体が精神的に余裕のある状態…むしろもう生活環境全体に余裕がある感じですね。仕事に行き詰まると外を散歩して頭を整理したり、子連れでの買い物ものびのびできますし、東京にいる時よりもかえって友達が増えたりして。
    素敵。
    西見の顔西見
    ご近所付き合いなんてあまりイメージになかったんですが、近しい人とワイワイ過ごす楽しさも改めて味わっています。いいもんだなーって思いながら(笑)自分にも他人にも余裕のある空間にいると、「幸せだな」と思いますね。それが改めての学びかもしれません。「幸せとは何か?」はずっと自分の中のテーマとしてありましたし。
    人が生きるためのテーマですよね、「幸せ」。西見さんのお仕事自体、相手がどうしたら幸せになれるか(=想いを達成できるか)を探るお仕事だとも言えますし。
    西見の顔西見
    私の中にはずっと変わらない行動指針があります。

    まず「お客様と私たちが刺激し合いながらも楽しく共創できる関係性に満ち溢れること」というビジョン。一方的に依頼されて作るのではなく、「一緒に」作っていく関係性ってすごく幸せだと思うんです。
    そのために「ソニックガーデンに出会って本当によかったと思われるサービスをご提供する」というミッションがある。
    ただ仕事をこなすだけでは「ソニックガーデンに出会って本当によかった」とは思ってもらえないですよね。ここに辿り着くためにどうしたらいいのかをいつも考えています。

    西見さんはそもそも人と対話することがお好きで、それを上手に活かされているなと思います。

    どちらかと言えばプログラマは黙々と手を動かすイメージがあるんですが、そこからひたすら人と対話して気持ちを探るような道を選ぶのも珍しいのではないかと思うんですが…。
    西見の顔西見
    そうですね。元々はゲームを作りたいなと思ってたんです。中学生の頃ですけど。中学1年生の時にC言語を勉強して、そこから当時のパソコン通信で仲間を集めてゲームを作っていました。

    ゲームが大好きだったので、そういう「楽しめるもの」を作りたかったんですよね。そう考えるとプログラミングはただの手段で、僕は結果として「楽しいもの・楽しんでもらえるものを作りたかった」んだろうな。ずっと変わらないんですね。

    仕事、家庭、プライベート、全てが循環している

    「働く」とはどういうことだと捉えていますか?
    西見の顔西見
    地球上のほとんどの人たちが働いているわけですよね。

    働くことを通して、自分たちの生活をより良くしていくのと同時に、そうやって社会に貢献し合うことで助け合っているんだと思っています。

    働くことで社会や世界と繋がるということなら、もはや仕事とは生きることなのではないのか、とさえ思う。「生きてる」という実感を得たいから仕事をしているのかもしれません。
    生きる=働くことが、好きな仕事につながっていて、その仕事を良くすることが生活や家族、プライベートも良くすることに繋がったというのは、すごいですね。
    西見の顔西見
    いや本当にね。全部繋がって循環してる。
    最後にこれからどうなっていきたいか、展望はありますか?
    西見の顔西見
    幸せな仕事をしていきたいですね。僕が積極的にそう思って仕事をしていけば、少なくともソニックガーデンに関わってきてくれたお客様の幸せに貢献できる。

    社会の端っこからの小さなミッションですが、それはほんのちょっとでも社会を幸せにすることに繋がっていくんじゃないかと思っています。

    大きく言うと、「幸せに生きられる社会を作りたい」。具体的な目標を作るのが苦手なので、これくらいの方が可能性を広げられそうです。
    ここ(ソニックガーデン)に来た人といい仕事をする、それが幸せな社会を作ることに繋がっていく。いいですね。
    西見の顔西見
    よくお客さんに「西見さん、楽しそうですね」って言われますしね(笑)そのために成長し続けたいです。

    成長っていうのは変化だと思うんですよ。生きて仕事をしている中で生じる違和感は「変化」だし、それを見逃さずに解決できるのが「成長」。「変わらなきゃ」「成長しなきゃ」って躍起になるんじゃなくて、バグを見つけたら直していく感じで、自然に。

    バグを取り除き続けて、良い社会へ。ソニックガーデンで長く働いてこそ見えた高みですね。どうもありがとうございました!

    取材/文 土佐光見

    前の記事
    「自分の手でものを作る実感が欲しい」ソニックガーデンだから実現できたプログラマとしての生き方
    次の記事
    ないなら作ればいいんじゃない?〜DIY精神で築き上げた居場所と仕事
    一覧へもどる
    まずは話を聞きたい