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フリーランスもオフィスワーカーも全員が活躍。エン・ジャパンの新規事業pastureが目指す未来 2018年11月19日


人材採用に関するさまざまな事業を展開するエン・ジャパン株式会社。近年は新規事業に力をいれており、エン婚活など人材領域にとらわれない新しいサービスを次々と誕生させています。

今回お客様事例としてご紹介する、フリーランスマネジメントシステムpastureも、同社の新規事業のひとつです。企画立案からプロダクトの検証、その後の事業化までハイスピードで進み、プレリリースして1年という短期間にも関わらず、多くの企業が導入しています。

このpastureを形にしたのが、事業責任者であるエン・ジャパンの塩見拓己さんと開発ディレクターの三好博輝さん。そして、ソニックガーデンの石澤佳祐と松村章弘です。4人に、伸びる新規事業の考え方、そして新規事業に適した開発方法について聞きました。

新規事業を考えるプロセスの中に、アイディアを発見

大学生の頃に起業を経験し、いくつかのスタートアップで事業を興してきた塩見さんは、2016年にエン・ジャパンへ転職。新規事業開発室で、新しいビジネスの創出に取り組んできました。

塩見の顔塩見
エン・ジャパンの新規事業開発室は、担当者それぞれの裁量権が大きく、自由度が高い部署です。新規事業に関わる調査や開発などは、社内リソースにとらわれることなく、外部の企業やフリーランスの方と仕事ができる環境があります。

pastureの事業責任者を務める、エン・ジャパン株式会社 塩見拓己さん。

半年で50案ほどの事業計画を作っては、検証やヒアリングを続ける毎日だったという塩見さん。前述の通り、フリーランスや業務委託として働くメンバーとフレキシブルに仕事をしていましたが、ひとつだけ「大変だな」と感じていたことがありました。それは、毎月発生する発注・請求業務や、新しい取引に伴う契約書などの事務作業。ここに課題を感じた塩見さんは、フリーランスとの仕事を管理するpastureのアイディアを思いつきます。

さっそくフリーランスマネジメントシステムの市場について調査を始めると、とくにフリーランス人口の多いアメリカでは、SaaS型のシステムが活用されていることが分かりました。日本でも、働きかた改革や副業の解禁などが起こっており、今後は柔軟な働きかたを選択する人が増えていくと考えられています。

「まだ市場は小さいけれど、働く環境が変わっていくにつれてフリーランスマネジメントシステムの需要が増えるかもしれない」と考えた塩見さん。続いて、社内ヒアリングを行いました。

エン・ジャパンでは、複数のウェブメディアを運営しており、多くの社外ライターが関わっています。ならば自分と同じように、フリーランスとの事務作業に悩んでいる人がいるのではないかと考えたのです。すると、同様の課題を抱えている担当者は想像以上に多く、pastureはニーズがあると実感します。この頃ヒアリングを受けた三好さんも、「絶対にpastureはうまくいくと直感した」と言います。

エン・ジャパン株式会社 三好博輝さん。
開発ディレクションやプロモーション、業務フローの運用など、幅広く担当する。

三好の顔三好
私は前職まで、業務委託の方とメディアやサービス開発の仕事をする機会が多く、その知見がありました。そのためpastureの事業構想を聞いたときは、間違いなく解決すべき課題だというイメージが沸き、“よしやろう”と即答したんです。さらに塩見から、ソニックガーデンに開発を依頼したいと聞き、迷うことなく賛成しました。

以前から倉貫のブログを通して、納品のない受託開発を知っていたという塩見さんと三好さん。ソニックガーデンへ開発を依頼した理由を、次のように語りました。

塩見の顔塩見
pastureの根底には、新しい働きかたを支えるという価値観があります。ソニックガーデンはリモートワークが基本ですし、組織の体制や納品のない受託開発という仕事の進めかたが、pastureのビジョンと相性が良さそうだと思っていたんです。また、ゼロから作っていく新規事業は、はじめの構想から大きく変わっていくもの。柔軟に対応していただけるパートナーと一緒に開発をしたいと、ソニックガーデンに依頼しました。

pastureを担当するソニックガーデンのプログラマ・石澤佳祐(左)と松村章弘(右)。

こうして、2017年6月にpastureの開発がスタートします。

発注から請求書発行までワンストップ。pastureが届けたいユーザー体験とは?

では、あらためてpastureの機能をご紹介しましょう。 pastureは、企業とフリーランス間に発生する作業工程をシステム化して管理し、スムーズにコミュニケーションを行うツールです。

たとえはウェブメディアの編集者とフリーランスのライターの間には、発注・タスク管理・納品・検収・請求書の発行という作業が発生します。とくに請求書の作業は、金額の確認や請求書発行の依頼など、双方に負担が大きい業務です。

pastureは、この発注から請求書の発行という一連のフローを、ワンストップでシステム化。発注タスクとして登録した情報からそのまま請求書が発行できるよう、データを連動しています。また、メールやチャットツールなど、フリーランスごとに分かれていた連絡手段も一本化し、コミュニケーションを可視化しました。発注から進捗管理・請求書の発行までストレスなく行えるという体験を、システムでユーザーに届けているのです。早い段階からUIにもこだわり、使いやすいデザインにしています。

まずは、フリーランスとの作業をひとつひとつ分解し、pastureのMVP(Minimum Viable Product:プロダクトのコアとなる価値を提供できる最小限のプロトタイプ)を開発。社内テストだけでなく、メディア運営を行う企業にも提供し、使い勝手や要望をヒアリングしました。

リリース前だけでも、ヒアリングを行った企業は40社近くに上ります。また現在も、多くのフィードバックが届く中、塩見さんたちはどのようにして対応の優先順位を決めているのでしょうか。

三好の顔三好
pastureのコアは、発注から請求までがワンストップで管理できるというユーザー体験です。これを阻害するような問題は、pastureの利用率や継続率に影響が出てしまうため、最優先に改善しています。

また、お客様からいただく要望の対応も同じく重要です。ただ、pastureはSaaSですから、要望を個別にカスタマイズして対応することは基本的に行いません。多くのお客様に共通する課題の解決や、機能改善と追加を優先的に行います。たとえば使いにくいという事象が、お客様の固有の環境による可能性もあります。どのような状況で課題が発生しているのか、また汎用的な課題なのかを丁寧にヒアリングし、対応すべき事象かどうかを判断しています。

三好さんによると、お客様からの要望はすべて課題と仮説に分け、社内pastureチームに共有されます。その後、すぐに解決するか・時期を見直して対応するのかの判断を行い、解決する要望は要件を決めていくというMTGを週次で行います。この、迷わない・ムダのない判断が、新規事業に必要とされるスピーディな改善を生み出しているのです。

フリーランスの評価機能が新たな仕事を生みだしていく

数々の検証を経て、2018年1月にpastureはリリースしました。 事業化にあたっては、導入件数やサービスの評価だけでなく、新規事業としての開発プロセスも重要視されています。

チーム内で仮説の課題を見つけ、社内外にヒアリングし、課題の検証を行う。そして最小単位の開発を経て、テストを実行。フィードバックをもとに、再び改善・開発をくり返し続けていく。新規事業が理想とするプロセスを歩みながら、pastureは成長していきました。

その後も、決済処理や課金の仕組みなどの機能が追加されていますが、とくに2018年3月にリリースされたフリーランスの評価機能は画期的です。これは、フリーランスへ依頼している案件や、履歴、スキルなどが登録できる機能。フリーランスの活動内容を社内で共有できるため、新規の依頼や、担当者が変わった場合でもスムーズに仕事を引き継ぐことができます。

「行った仕事から、また新たな仕事が生まれるという良いサイクルをイメージしました」と塩見さん。実はこの機能、リリース時はタスクベースでの評価でした。しかし、うまく機能しなかったため、人ベースで評価ができる仕様へ変更をしたそう。

これに対し「システムとしても、必要のない機能は削除したほうがいいんです」と語るのは、ソニックガーデンのプログラマ・松村。新しいサービスは、ユーザーの反応を見ながら改善していくものという前提を理解しているからこそ、仕様変更にも柔軟に対応しています。

松村の顔松村
塩見さんたちは、pastureの目的から共有してくださるので、ソニックガーデンとしても開発が進めやすいんです。たとえば新しい機能の依頼があっても、目的から離れているので見直しませんかという相談が、開発側から提案できます。pastureは確実に成長していくと実感するサービスですし、その開発に関われることが楽しいですね。

同じく担当プログラマの石澤は、塩見さんたちがソニックガーデンのスタイルを熟知しているからこその、取り組みやすさを挙げます。

石澤の顔石澤
納品のない受託開発へのご理解があるので、開発側の意向も汲んでくださり、開発がしやすいです。さらに塩見さんたちのビジョンが明確で、pastureが世の中の働き方に大きな役割を果たしていくだろうという感覚があります。今後も細かな改善を繰り返し、企業とフリーランスが抱えている課題を解決したいです。

エン・ジャパンが大切にする「入社後活躍」とpastureの共通点

現在は、塩見さんたちのチームとソニックガーデン、そして外部のデザイナーチームが加わり、3つの組織がそれぞれリモートワークでコミュニケーションを取っています。関わるメンバーは増えましたが、目的や背景を共有しているからこそ意思決定も早く、効率的に開発が進んでいます。

塩見の顔塩見
pastureの世界観は、所属先や働き方、雇用形態に関係なく、同じプロジェクトで成果を出し、関わるみんなが活躍するということ。ですから、この開発体制はpastureの理想を体現しているんです。

目指すは、企業もフリーランスも幸せにし、さらにフリーランスが「ぜひ使って」と薦めたくなるプロダクトです。そこには、エン・ジャパンが大切にしている考えがあります。

塩見の顔塩見
エン・ジャパンが大切にしている価値観は、入社後活躍です。人と仕事のマッチングだけでなく、入社後の活躍までご支援したいと考えており、新規事業も同じ視点です。単純な市場規模だけではなく、そのサービスによって世の中をどう変えるか、どのような世界観を目指すかが明確である事業が求められます。違う領域のビジネスであっても、その先の幸せを考えている事業は立ち上がりやすく、思いを持って進めやすいという傾向がありますね。

新規事業の立ち上げには様々な手法がありますが、pastureは身近な課題を解決するという視点から、事業のヒントを見つけました。そして「関わる人みんなの活躍を考える」という、エン・ジャパンの価値観にも一致した事業です。この価値観があるからこそ、迷いのないサービス運営と開発が実現し、pastureを大きく成長させていることがうかがえます。

新しい働き方やフリーランスの活躍を支えるNo1.のサービスにしたい

毎週のように機能のアップデートが続くpasture。 今後は、契約まわりや支払いのシステム化を手がけていく予定です。企業とフリーランスの間に発生する、すべてのワークフローを一貫で管理し、使いやすさを追求していきます。そして、より大人数のフリーランスが関わるプロジェクトにも対応できるような、機能追加やUI改善を見据えています。さらに三好さんは、「利用するフリーランスのユーザー体験の向上、満足度も上げていきたい」とのこと。

塩見の顔塩見
これから、働く場所や雇用形態に関係なく、プロジェクトを成功に導くための体制作りが求められてくると思います。そのようなときに選ばれるプロダクトとして、pastureを成長させたいです。それが、働き方改革やフリーランスマネジメントシステム市場の認知・形成にも繋がるのではないかと考えています。まずは、“フリーランスと一緒に仕事をするならpasture”と呼ばれる、一番手のサービスになれるよう、頑張っていきたいです。

取材したお客様
エン・ジャパン株式会社様 https://corp.en-japan.com/
サービス:pasture https://www.pasture.work/

[取材・構成・執筆/マチコマキ]

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