絶望を知っている。だから目指せる『優しい世界』

2022年06月10日

今回登場するのは、今年で入社8年目になった坂川 雅俊(さかがわ まさとし)さんです。

ポジティブな気持ちで飛び込んだはずのソニックガーデン。しかしその働き方、考え方、何もかもが今までとまるで違い、大きなギャップを抱えて、入社早々立ち竦んでしまったと言います。

一人前の仕事をするため、自分を肯定し自信を持って働くため、あらゆる策を講じあがき続けた毎日。その過程と自己分析、得た気づき、現在確立できた居場所と、自信を持って進んでいるこれからの道について、たっぷり伺いました!


目次

    「えいや!」で飛び込んで8年目

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    本日はよろしくお願いします。ではまず、自己紹介を…。

    坂川の顔坂川
    坂川 雅俊(さかがわ まさとし)です。社内では「さかぺ」って呼ばれます。広島に住んでいて、家族は嫁さんと子供2人。上が長男で中1、その次が女の子で今小4ですね。

    --
    入社して何年目になりますか?

    坂川の顔坂川
    2015年5月入社なので、7年経過の8年目です。

    --
    だいぶ長くなりましたね。

    坂川の顔坂川
    振り返ってみると長いですねぇ。「ふりかえり」というものは定期的にやっているんですけど、入社から現在までという長いスパンで自分のキャリアというか歴史を見ることはやったことがないので、今回のインタビューは自分のためにもちょうど良い機会かなと。

    --
    では最初から「ふりかえり」ましょう(笑)。入社の経緯はどんなものでしたか?

    坂川の顔坂川
    もともと広島の会社に勤めていました。自社サービスを提供している会社です。そこそこ楽しくやっていたんですが、扱っていた商品がガラケー向けのシステムで、ガラケーの需要自体が減って、ちょっと陰りが見えてきたんですね。それで、もうちょっと地に足つけた仕事をやりたいな、これを機にステップアップを狙ってもいいかもな、と思って転職活動を始めたんです。

    --
    その過程でソニックガーデンに出会ったと。(ソニックガーデンは)魅力的に映りました?

    坂川の顔坂川
    既に広島に家を建てちゃってたので、他県へ移住するわけにもいかなかったので、リモートワークで探してたんです。その中でソニックガーデンが出てきて、その前から何かと話題の会社だったので、認識はしていました。でも転職活動の最初の頃は、自分がそこに入るとは思ってなかったですね。そういう会社もあるんだなー、いいなー、みたいなもんで。

    いざ本腰入れて探そうと思った時に、倉貫さん著書をちゃんと読んで気持ちが盛り上がってしまって、もう勢いで「えいや!いっちゃえ!」って(笑)。

    わからないことだらけ…ギャップに打ちのめされた

    --
    晴れて入社となって、今は顧問プログラマで「納品のない受託開発」に日々携わってらっしゃる。転職活動も割とポジティブに始められて、ぐっときた会社にちゃんと入社できて、順風満帆な再スタートだったんですね。

    坂川の顔坂川
    そう見えますし、入社まではそうだったんですが、早速つまずきました。

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    わあ。

    坂川の顔坂川
    前職ではサーバー周りを中心にやっていて、「画面」のことを考えた経験があまりなかったんです。後ろのサーバーの、ごにゃごにゃしたプログラムを頑張っていたので、そこに関してはそれなりに自信があったんですが、いざwebアプリを作ることがメインのソニックガーデンに入ってみると、まったく勝手が違ってて。

    --
    そうか、外側を整える話もしなきゃいけないんですね。

    坂川の顔坂川
    はい、そこはほぼ触ったことがなくて。ソニックガーデンで使っている言語や仕組みをほとんど触ったことのないレベルで入ったので、何をするにも調べながらやらなきゃならなくなってしまったんです。調べながらやればちゃんとできますが、そこにめちゃくちゃ時間がかかる。

    --
    もどかしくなりますね。今までささっとできてたことだったのに。

    坂川の顔坂川
    そうなることはある程度わかってはいたんです。プログラミング自体の基礎はあるんだから、時間さえかければ全然できるんですよ。でも当然ながら同時にスピードを求められる。そこを体験すると堪えましたね。

    --
    今までの自分とのギャップに打ちのめされてしまったんですか?

    坂川の顔坂川
    そういうことですね。

    そういうプログラミングの部分もさることながら、直接お客さんに対峙して物事を決めていくということに関しても。前職でもやってきたことですが、意思決定まで全部自分がやったことはなかったので。とにかくスピーディに物事が進む中で、新しい技術を勉強して使いこなせるように考えて、さらにお客さんとも話して…っていうのがもう。目まぐるしいわ、わからないわ。

    --
    急に慣れないことが並行して起こると、どのタイミングでどっちを見れば一番効率が良いのかっていうのが全然わからなくなっちゃうんですよね。

    坂川の顔坂川
    そうなんですよ。自分の成長のためには、今やらなきゃいけないのはこれだ、というのはわかるんですけど、いまいち戦略的には進められないというか。そもそもそれを考える暇もないというか。

    そこでどつぼにはまって最初はうまくいかなかったですね。思い切って時間を取ることが大事なんだということにも気がつかない。とにかく今、目の前に来ているものをやることしか考えられなくて。

    --
    わんこそばみたいな状態ですね。お椀空けるとどんどんきちゃう。

    坂川の顔坂川
    そうそう、わんこそば。自分がどれぐらい食べられるかわからないし、どうやったらいい感じに食べられるのかもわからない中で、とにかく口に入れ続ける、味付けを変えてみる、なんてうちはまだいいんですが、そのうち色々他のことをやり出しちゃうんですよ。これは今関係ないと思うよ?ってことを始めちゃったり。どうすればいいかわからないからこそ、いろんなことやってみるわけなんですが。

    --
    その「わからなさ」、きついですね。

    坂川の顔坂川
    そうですね、「わからない」っていうこともわかってない。「何がわからないのかもわからない」みたいな状況ですよね。

    ソニックガーデンの中で動いてるシステムがよくわからないし、お客さんのこともよくわからないし、プログラムのこともよくわからないし、もうわからないことだらけ。

    「なんとかする」「どうにかする」を積み重ねる毎日

    --
    その「わからなさ」をほぐして今に至ったんですよね。現在の坂川さんは落ち着いて、どんと腰を据えられてる印象です。

    坂川の顔坂川
    本当にいろいろやってあがいた結果ですね。「ふりかえり」はそのベースになったひとつかな。「今週こんなかんじだった。どうだった?」って先輩と話すと、「こうしたらどうだろう」という方向を示してくれるので、それをひたすらやり続ける、みたいな。

    技術的なことは自分が勉強し続けるしかないので、そのあたりは取り組んだ時間が解決してくれた感じです。地道な勉強あるのみでした。対お客さんに関しては、先輩の打ち合わせを見学したり、基本打ち合わせは全部リモートなので、それを録画して見返したり。嫁さんに打ち合わせの動画を見せてダメ出しをもらったりもしてましたね。

    --
    頼りになるパートナーがいらっしゃるんですね。

    坂川の顔坂川
    嫁さんには本当に助けてもらいました。その頃の僕って、まだ一人前の仕事ができていないから、そこをジャッジされている、という気持ちが強くて、なかなか現状を曝け出せなかったんですね。その精神状態で、社内の人に「ダメ出ししてください」とは言えなかった。普通に心が折れてしまいそうだったので…。

    --
    自己肯定感が下がってるところなのに、急に良くないところを他人に指摘されたりしたら、心が折れるどころか死んでしまいそうですよね…。

    坂川の顔坂川
    そう(笑)。なので身内から。他にも、朝早く「気分転換に散歩しようよ」って言って一緒に散歩してくれたりとか。

    --
    良いですね。ナイスアシスト。

    坂川の顔坂川
    彼女も、傍目に「こいつやばいぞ」って思ったんでしょうね(笑)。ずっと自信がなくておろおろしていたのが見た目にも出てたんだろうと思います。前職を自信持って辞めたのに、この有様で…って負のループ。

    --
    触ったことのない技術、対峙したことのないシチュエーション、他に悩まされる要因はありましたか?

    坂川の顔坂川
    全然思考方法が違う、ということですね。

    前職だと、ドキュメントを作って漏れなく思考して、がっちり作り上げた計画を実行する、というやり方だったのが、ソニックガーデンは、まず場に出して、そこからフィードバックを経てどんどん改良していく。作りきりじゃなくて、ある程度のものをブラッシュアップさせながら完成に導くんです。それは裏を返せば、最初に考えすぎてもしょうがないってことなんですね。

    とにかく素早く出して、そこで道を間違えたとしてもすぐに直せばいい。そのスピードが価値のひとつ。でも前職はスピードよりも安定性、完成度、そういうことに重きを置いていたので、そもそもそれって仕事の方法が全然違うじゃないですか。

    --
    間違うもの、未完成であるもの、という前提からもう違いますよね。間違え方を知らないのに、間違ってなんぼの場に入ってしまったら何もかも揺らいでしまいそう。

    坂川の顔坂川
    最初は「えっそれでいいの?」ってとまどいましたし、なんというかまったく掴めなかったですね。どこら辺がいい塩梅なのかもわからず苦労しました。

    --
    掴むには、数をこなして経験していくしかなかったんですね。

    坂川の顔坂川
    やっぱり痛い目を見て、どうにかするしかない、なんとかしようって、なんとかした結果の積み重ねが今ですね。こればっかりは体感しないとわからなかったです。

    他者からの視点を入れることで視野が広がった

    --
    「いろいろやってあがいた」の続きですが、例えば他にどんなことをしましたか?

    坂川の顔坂川
    とにかく体験しなきゃわからないなと思って、仕事をまるごと任せてもらったりもしましたね。今までお客さんと対峙してやってくれていたメンバーが一緒だったんですけど、一旦外してもらって、もう自分でやるしかないという状況に自分を追い込んだ。

    --
    それは結構飛び降りましたね。清水の舞台から。

    坂川の顔坂川
    技術面がある程度わかってきて、少しずつ余裕が出てきたタイミングだったので。結局自分で納得しないと動けないタイプなんです。やってみたらお客さんからフィードバックがあって、反省することもあり喜ぶこともあり…やってみて良かったことのひとつですね。

    他にも社外で活動してみたりもありました。そっちで良い成果が出ると、また居場所や存在意義を感じられました。

    --
    社外活動?

    坂川の顔坂川
    講演です。倉貫さんに来た講演依頼を「場所が広島だから」って、振ってもらったのがきっかけでした。その時も、以前の自分だったらひとりで「うーん」って考えてやってたんでしょうけど、その時は素直に倉貫さんを頼って相談しながら作り上げることができたんですよね。

    --
    他人を頼るって大事なことですね。それができなくて抱え込んでしまう人、とても多いと思います。

    坂川の顔坂川
    どこかで自分を良く見せようとするから、抱え込んじゃうんだと思います。その時はもう、こんなことやってたら時間がないぞって感じだったので(笑)。自分で抱えるってことは、まだ余裕があるってことなんですよ。物理的に暇がなかったら、頼れるものは頼らないと間に合わない。

    --
    自分ひとりでわからないことをうじうじ考えてるのって、ある意味「時間がある」ってことですもんね(笑)。

    坂川の顔坂川
    そういう経験を経て、その辺りのハードルもぶっ壊れて、聞くことが当たり前になりましたね。別に時間がなかろうがあろうが聞いたほうが早いよってなったというか。

    --
    いいですね、「聞いたほうが早い」。それから講演はいくつか数をこなしたんですか?

    坂川の顔坂川
    そうですね、ちょうど最初の講演をやった年に、隣の岡山県で、僕がプロジェクトで使っていたサービスのユーザー会が立ち上げられることになったんです。そこでそのサービスの利用経験談を話しました。それを聞いててくれた同じ広島のエンジニアの繋がりで、また別の場所で話してくれと頼まれたり、そのまた繋がりで別のエンジニアコミュニティに属することになったり。

    --
    そうやって単純に経験を積むだけで自信がつきますよね。「整理して喋る」ということに耐性もつきますし。

    坂川の顔坂川
    そうなんですよ。なんでも踏み出さなきゃいけないんだな、と思いました。

    あと、ソニックガーデンの外で活動すると、必然的に外から見たソニックガーデンというものが見えてくるんですね。そうやっていろんな視点を知ることで、自分の視点も上がるなという気づきもありました。視野が広がった。

    --
    自分のいる箱を外から見るのって、普通に働いてたらできない経験ですよね。客観視できる機会。

    坂川の顔坂川
    外で「ソニックガーデンから来ました」って言うからには、ちゃんと考えて発言しないとソニックガーデン自体を汚してしまうことになりかねない。だから、自分としては最高の状態でいろいろ考えたいわけです。そうするためにはソニックガーデンのことをもっと知らないといけない。そこでひとつ視点が増えるのは本当にありがたかったですね。

    そうすると、自分で考えた言葉というのはもちろんですが、これまで倉貫さんがおっしゃってた言葉を改めて咀嚼して、自分の中に落とし込む、飲み込むことができたので、そこでもひとつ自信がついて人前で話すということに挑めたんだろうなという気はします。

    --
    今まで内側で、自分ひとりで考えていたことが、一旦外の視点を入れることでちゃんと整理することができた、ということですね。

    坂川の顔坂川
    そうです。ソニックガーデンのことはちゃんと自分の中で理解していたんです。感覚としてそれは感じていたんですが、外に向かって言葉にするということが大事な経験だったなと思います。自分で納得したことを改めて説明するために言葉で組み立てる、そういう作業が良かったのかもしれない。

    --
    その作業は自分へ向けたセラピーのようにも思えますね。

    坂川の顔坂川
    そうかもしれないですね。そうやってあれこれやったり考えたりしたことで、なんとなくうまく回り始めた。「納品のない受託開発」だけやっていても、きっと僕はきついままだったと思います。

    仕事の本質を考え、保身を捨てた

    --
    技術の勉強を続けて、ソニックガーデンや自分について言葉を尽くして考え直す経験もして、徐々に足場を固めることに繋がっていったと思うんですが、今までとは真逆とも言えるソニックガーデンでの仕事のやり方については、どう受け入れていったんですか?

    坂川の顔坂川
    以前はとにかくドキュメントを書いてたんですよね。それはプロジェクトを始める前に隅々まで考えて、考えきれてないことを洗い出すための作業でもあったんですが、「自分の責任にしたくない」というところもあったんです、今思えば。

    --
    わかります、こわいですよね。

    坂川の顔坂川
    自分のいる、今の位置を守るために慎重になってたのかもしれないです。ドキュメントを書くのって、「やった感」ありますし。

    ソニックガーデンは、自分がやってる仕事の本質をすごく考えるので、そういう中で、仕事には意味のない、自分の保身のためのドキュメントなんて作ったってしょうがない、と思えたんでしょうね。そういうブレイクスルーはあったのかもしれない。

    --
    いいや、その慎重さはもういらない!と。

    坂川の顔坂川
    「なんであるんだっけ?」を元から辿れば「いらんかった」に行き着いたんですね。

    秘孔はない…でも体験と気づきがじわじわ効いてきた

    坂川の顔坂川
    「慎重になる」と言えば、ストレングスファインダー(米国ギャラップ社の開発したオンライン才能診断ツール。個々の長所を知ることができる)をやった時に「慎重さ」が要素にあったんですよ。

    --
    なるほど、ストレングスファインダーは「長所」を探してくれるものですが、以前からあったはずの「慎重さ」は、保身に向かっていたんですね。良くない方向に向かっていて活かせてなかった。

    坂川の顔坂川
    確かに!見てる場所が違ったんだな。すべて「自分」に向いてたんですよ。自分をどうにかするためにその慎重さが発揮されてたんだけど、あるところで、「今やってるプロジェクトって何だろう」「そのプロジェクトのやろうとしていることは何だろう」を考えたんです。「自分」じゃなくて「プロジェクトが抱える問題」はなんなんだ、って。

    --
    「問題vsわたしたち」の構図ですね。

    坂川の顔坂川
    そう。自分の力は問題に対して発揮されるべきだから、僕の持つ「慎重さ」は問題に対して発揮されたらいいかんじに回る、そういうことだったんだな。

    --
    今初めて言語化されたことかもしれませんが、もがいてそれにきちんと気がついて、徐々にそちらを向くことができた、ということですね。

    坂川の顔坂川
    秘孔を突かれた!みたいな一発逆転の裏技はありませんでしたが、じわじわといいかんじになって、長いスパンでふりかえってみるとできるようになってました。

    --
    やっぱりなんでも体験しないとわからないものなんですね。それも何度も体験を重ねないと、七転八倒しないとわからない。

    坂川の顔坂川
    僕は本当にそうでした。

    --
    長所であるはずの「慎重さ」が良くないところに向かっていたときって、同時に自分を卑下していたのかもしれないですね。背中が丸くなっていたような。

    坂川の顔坂川
    そうですね、ずっと他人からの評価を気にしてた。ソニックガーデンは評価のない会社だというのはわかってはいるんですけど、それでもそういうこととは別に「自分はジャッジされてる」と思ってました。

    先輩メンバーと比較してみたり、周りから自分はどう思われてるんだろうって気にしたり。「人に認めてもらう」ことばかりを考えていたんですけど、並行して「自分が他人を信じる」「真摯に取り組む」ことをやっていたら、それが結果的には周囲に認められることに繋がった。認めてもらうことが先ではなかったんです。

    --
    その気づきこそ「秘孔」なのかも。じわっと効いてくるタイプの。

    「ひつじくらぶ」から始まった後進ケア

    --
    壁をこつこつと破って明るいところに出たわけですが、その後も「納品のない受託開発」以外の活動はされているんですか?

    坂川の顔坂川
    「新しいことをやりたいな」という感情はくすぶっていて、ちょうど「慎重さ」というワードも出てきたこともあったんで、それに乗っかって、セキュリティ委員会に入りました。本当はセキュリティと情シス(スタンド委員会)両方気になってたんですけど、とりあえずセキュリティの方を先に見てみようと。

    --
    スタンド委員会の方はどうしたんですか?

    坂川の顔坂川
    心の中で気になってたので、結局スタンドも見に行ってみました。

    で、何週間かやってみると、スタンド委員会の方で「これはセキュリティ委員会で考えなきゃいけない話題だな」っていう事案が出てくるんですよ。それをセキュリティ委員会に持って行って話す。そうすると逆の、「こういうことを情シスの観点でできないのか」という話題が出てくる。そうやって両方を繋ぐ役割をなんとなく担うことに。

    --
    それはすごく大事な動きですね。仕事を発掘、かなりのファインプレーじゃないですか。

    坂川の顔坂川
    いい時に入りました。今まで委員会全体を見てくれている人はいたんですけど、深くつないで進めるところには立ってなかった。そこをたまたま僕が拾うことができたってことですね。もうちょっとソニックガーデンに貢献したい、自分の視点ももうちょっと高めたい、と思っての行動だったので、はまって良かったなあ。

    --
    なかなかの勲章だと思います。委員会は固定化を防ぐために、定期的に人をシャッフルするんですよね。次にやりたいことは決まってるんですか?

    坂川の顔坂川
    いろんなことやり始めて忙しくなってきてるので、委員会は一旦お休みして、若手を見てあげることに注力したいかな。

    --
    後進の育成、ということですか?

    坂川の顔坂川
    そう言ってしまうとすごいことみたいですが、ちょっと手厚く面倒見ようよ、的な。今までは他の会社である程度経験を積んできた人が中途で仲間になることが多かったので、いろんなことを社会経験でなんとなくできちゃってたんです。でもその「なんとなく」がない本当の若手が入ってくるようになったので、ちゃんとサポートしてあげたいな、と思って。

    --
    優しさの活動。

    坂川の顔坂川
    そう、ソニックガーデンの優しさ担当で。僕とよっしーという未年生まれ同士で「ひつじくらぶ」を結成しまして。

    --
    ちょっと「もがいたことのある人」みたいなのも、説得力がありますね。

    坂川の顔坂川
    あ、そうですね。経験を話せる。

    --
    「わかるよー」って心から言ってあげられますもんね。

    坂川の顔坂川
    そういうことを結構話しますね。

    --
    見ている若手は何名なんですか?

    坂川の顔坂川
    ひつじくらぶとしては4人体制で、先輩組がよっしーと僕で、若手が2人います。それぞれひとりずつペアになってふりかえりをやったり、毎朝9時から朝会をやったり。あとは月1回ぐらいの頻度で「ひつじくらぶどうだった?」というような話をしたりしてますね。困ったことがあったら相談する時間を設けたりも。

    --
    やっぱり自分がもがいたことがあるから、若手をほっとけない気持ちがあったんですか?

    坂川の顔坂川
    うん、そう。ほっとけないと思っちゃったんですよね。もともと社内で細かいチーム分けがあって、そこに若手の子たちが入ってきて、ふりかえりをやったりしてたんですけど、どうにも彼が辛そうで、もうちょっと優しさというかケアが必要だろうなと思ったのがきっかけですね。月に一度話すだけだったものをもうちょっと細やかにしようと。

    --
    その若手の方は今は落ち着いてますか?

    坂川の顔坂川
    徐々にだとは思うんですけど、「ものすごくつらい」状況にはならなくなったように見えます。

    --
    よかった。

    坂川の顔坂川
    よかったです。ふりかえりは毎週やるんですけど、「今週よかったことはなんだい?」っていう切り口から始めてます。

    --
    「よかった探し」から。いきなりダメ出しから入って「自分に足りなかったの、なんだと思う?」とか聞かれるの、よくあるパターンですけど絶対いやです。順番と言い方、大切。

    坂川の顔坂川
    そう。何でも自分で気がついた方が、そりゃあ身にはなると思うんですけど、とはいえわからないことが多すぎると思うんで、「こうしたらいいんじゃない?」ってことも、わかりやすく伝えるようにしています。

    --
    後進指導というか、後進ケアですね。もうちょっと優しさが強めの。

    坂川の顔坂川
    そうですね。ふりかえりって内省する作業なので、深く深く考え込む感じになると思うんですけど、そこで「できなかったこと」があった時に、どうしても自分のせいにしがちなんですよ。「自分ができないからだめなんだ」って思っちゃう。なので、あまりそこに行きすぎないようにしようと。だからいきなり直接的な物言いはしないようにして、背景から説明するようにしていますね。

    うまくいかなかった事象があったとして、「うまくいかないね!」っていきなり言っちゃうと、「だめなんだ…」って落ち込んじゃう。だから、こういう背景があるからうまくいかないんだよ、今回はこうだけどね、みたいに説明から入る感じですね。なんらかの問題があって、それに対して僕たちはこういうふうなアプローチをしたんだよって。ここでも「問題vs私たち」の形になるように注意しています。

    --
    それで相手が落ち込んで閉じちゃうと話が進まなくなりますもんね。コミュニケーションのテクニックだ。

    坂川の顔坂川
    そうでなくてもソニックガーデンって、あとから入れば入るほどすごい人たちがいっぱいいて、「どうしようもないや」ってなっちゃうので。そこは見ずに自分の成長を見なさいよと。周りではなく、過去の自分と比べてどうなったんだい? と考えなさいと。自分が悪いんじゃなくて、やり方が悪かっただけですからね。周りの環境が影響したかもしれないし、そういう構造になっちゃってたかもしれないし、なんにせよあまり自分を責める形にならないように。

    --
    「問題と向き合いなさい」と。

    坂川の顔坂川
    それです。

    --
    入社して、上の方ばかり見ちゃうと、絶望しちゃいますもんね。

    坂川の顔坂川
    絶望しますよー。

    --
    でも絶望を知っているから人に優しくできる。その絶望を味わって生まれた優しさが「ひつじくらぶ」を作ったんですね。

    楽しく働くための相談ができる、優しい土壌を作りたい

    --
    これからの仕事やそれに対する自分について、何か考えていることはありますか?

    坂川の顔坂川
    若手のサポートを継続的にやっていきたいです。ソニックガーデンは今50人ぐらいなんですけど、これからまた徐々に人数が増えていくと思うんです。100人、200人となっていくのはもうちょっと先の未来ですけど、そうなっても大丈夫な仕組みというか土壌を用意したいなと思っています。

    --
    それはみんなが入社一発目に絶望してしまわないようなもの、ということで。

    坂川の顔坂川
    そうですね、そういう優しさのあるシステムを。自分が受けた親切をみんなに返したい、という気持ちもありますが、青臭いこと言うと、僕たちが大好きなソニックガーデンを壊したくないという気持ちが強いんです。

    どういう形であっても「僕たちソニックガーデンなんだよ」と胸を張って言えるような状態をキープしていきたい。それは「憧れのソニックガーデン」でありたい、でも「ソニックガーデンってお高くとまってるよね」って思われたくないということです。この人たちプログラミングをすごく楽しくやってるぞ、って認めてもらいたい。ソニックガーデンの中で働いている人も、ソニックガーデンを目指す人も、ソニックガーデンを知ってるという人も、みんなに「プログラマっていい職業だね」って思ってもらえるような世界があると良いな。

    --
    「あの人たちは楽しく働いている人たちだ」と。仕事って辛いこともありますけど、人生の半分以上の時間を捧げるわけだから楽しい方がいいですもんね。生活の一部でもあるし。

    坂川の顔坂川
    そう、それで「心から楽しいんだよ」っていう人が増えて行けば、良い世界になっていくんじゃないかな。で、そのために僕ができることのひとつが、経験を生かして迷っている人の相談に乗ってあげることなんではないかと。

    --
    さきほどの「ひつじくらぶ」の活動ですね。

    坂川の顔坂川
    僕には社内の人間にちゃんと曝け出すことができない時代がありましたが、思っていることって、とりあえずその場に出さないと何も進まないんですよ。でもそこでせっかく相談されたのに、ちょっと説教くさかったり、面倒臭いこと言う感じになってしまうと、それはそれでまた話しづらくなると思うので、なるべくフランクに。

    --
    「こんなの些細なことかな」「言ったら馬鹿みたいかな」って思わせちゃうとまた出てきませんもんね。

    坂川の顔坂川
    そうそう。そこはなんでも大丈夫なんだと思ってもらいたいですね。「とりあえず言ってみな」くらいのテンションで。もちろん真剣に聞きますけど、深刻になりすぎない、ちょうどいい塩梅で一緒に考えられるのが理想。

    それは実はお客さんに対しても同じなんです。自分を開いておかないと相談もしてもらえない。あとから「実はこんな問題がありました」って言われるといろいろ辛いことになっちゃうので。

    --
    自分を開いている人は確かに相談しやすいと思います。自己肯定感が低い人や自分を卑下してしまっている人だと対話がうまくいかない。

    坂川さんの視点が上がって、ソニックガーデンの視点と揃うことで何でも言うことができるようになった、ということですね。

    坂川の顔坂川
    そうですね、視点を揃える。自分を引き上げることで相手をちゃんと見ることができた。僕としてはもがいた時間がありましたけど、そのおかげでやっと、目線を上げて見られるようになったので。

    --
    今は優しい、とても良い自信に溢れていますね。本日はどうもありがとうございました!

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