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型を身につけることが成果につながる───新人合宿を開催しました

入社3ヶ月のメンバーが、これまで学んだ仕事の型を復習する機会として、「新人合宿」を開催しました。

ソニックガーデンでは、プログラマとしての実務経験がほぼない新入社員には親方がつき、親方のもとで経験を積んでいきます。

今回の合宿は、そんな新入社員8名と、去年新卒で入社した2名、そして引率の倉貫・高木を合わせた総勢12名で開催しました。

2日間で、フラフープを使ったアクティビティや、チームに分かれてのワークショップを実施。普段の業務とは全く違う活動でありながら、参加者それぞれがソニックガーデンで学んだ仕事の型を再確認し、今後の仕事に生かす機会となりました。

今回はソニックガーデン入社2年目の小澤が、合宿で行ったアクティビティと、それを通して学び直した仕事の型を紹介していきます。


目次

    1日目:「ヘリウムリング」と「会社説明ワークショップ#1」

    「小さく試す」「ゴールを確認する」ことの重要性を確認

    1日目最初のアクティビティとして、「ヘリウムリング」を行いました。

    「ヘリウムリング」は、フラフープを数人のグループで取り囲み、全員の人差し指で支えながら地面まで下ろすというゲーム。指が離れたら最初からやり直しです。

    見た目より難易度の高い挑戦で、惜しいところまでいったのですが残念ながら成功できないままタイムアップ。

    その後、「何が起きた?」「どう思った?」「仕事に活かすなら?」という項目でポストイットに書き出しふりかえりをしていきました。

    ふりかえりで出てきたのは、「小さく試す」「ゴールを確認する」というワード。

    「ヘリウムリング」は大人数でやるほど難しいゲームです。何度やっても上手くいかず、「本当に下がるのか?」と一旦3名でトライする案が浮上。試してみると数秒で簡単に床につきました。

    それをみていた参加者の一人から、「指を3点に集めて下げたらどうか」というアイデアが。実際に試してみるとぐんぐんとリングが下がっていきました。

    そんな「起こったこと」から、参加者が「仕事に活かすトライ」としてあげたのが、「小さく試していくこと」「まずは小さくデモを行ってみること」でした。

    小さく試してうまくいったら、目的の機能開発を進めていく。

    ソニックガーデンでは基本ともいえる仕事の進め方を、「ヘリウムリング」によって再確認することになりました。

    「3点接地方法」で下がるようになったフラフープ。しかし最後の最後に「どうすればゴールなのか」という点で認識のズレが発生しました。

    指がついたら終わりなのか。手の甲がついたら終わりなのか。フラフープを落としたら終わりなのか……みんなで話している間に無情にもフラフープは上へ上へと上がっていきました。

    そんな体験から、参加者が「仕事に活かすトライ」として参加者があげたのは、「作業に取り掛かる前にゴールをイメージして、わからない場所は擦り合わせる」「”これが出来たら終了”と言えるまでまで細かく見ていく」というもの。

    仕事においても、ゴールがわからないまま闇雲にタスクを進めていると、やめ時がわからなくなる時があります。たとえばミーティングなどでも、終わりを決めていないと、その日決める必要のないことまで話してしまったりしますよね。

    参加者の中には、「仕事では意識できていたけど、合宿という非日常の中で発揮できるほど身にはついてなかったんだな」という気づきを得た人も。最初から学びの多いアクティビティになっていました。

    実は身についていなかった「タスクばらし」

    「ヘリウムリング」で参加者の緊張も解れたところで、次に行われたのは「会社紹介ワークショップ」です。

    ワークショップという名称ではありますが、実際に社外のメンバーに対してプレゼンをする想定で高木が依頼したもの。説明資料を模造紙を準備し、10分で発表するまでが1日目の課題として伝えられました。2つのチームに分かれて発表準備を行います。

    すこし時間が押しつつ行われた発表会では、発表に対して、他のチームや2年目メンバー、そして依頼者である高木からのフィードバックが行われました。

    また、発表後には、KPTに沿ってのふりかえりも実施。

    KPTは、ソニックガーデンのメンバーが日々の仕事で常に行っているふりかえりの型です。

    「Keep=よかったこと」「Problem=悪かったこと」「Try=次に試すこと」の項目に分けて、発表の内容をふりかえっていきました。

    フィードバックを経て両方のチームから、「発表練習の時間を一度も取れなかった」「優先順位も決められなかった」などのProblemが。

    そんなPに対するTryとして、「タスクばらし」という言葉が挙がりました。

    タスクばらしとは仕事に取り掛かる前に、その仕事の要素を分解し、どのように進めるか道筋を立てることです。タスクばらしを行うことで、どれくらい時間がかかるか、リスクは何か、見通しを得ることができます。

    「いつもやっているはずのタスクばらしをせずに取り掛かってしまった」という言葉も参加者から出ており、発表を通じてタスクばらしの重要性を再確認するきっかけとなりました。

    2日目:「フープリレー」と「会社説明ワークショップ#2」

    ふりかえりで気づいた「ふりかえり」の重要性

    2日目のアクティビティとしては、「フープリレー」を行いました。 フープリレーは、手をつないで輪になり、全員がフラフープをできるだけ短時間でくぐることを目指すもの。

    目標は10秒でくぐることでしたが、16秒台までいったところでタイムアップ

    初日に引き続き、残念ながら目標達成とはなりませんでした。

    初日の「ヘリウムリング」と同様、「何が起きた?」「どう思った?」「仕事に活かすなら?」という観点でふりかえります。

    参加者からは

    「解決の方向性が見えない状態になったとき、手当たり次第試しても上手くいかない。」「そもそも何でうまくいっていないのかの理由を探り、ふりかえり、考えていく必要がある。」

    という言葉が出てきました。

    「立ち止まってふりかえることがまだまだできていない」という気づきを得ている参加者もおり、ふりかえりの重要性を見つめ直すきっかけになるアクティビティとなりました。

    依頼者とチームになる、「問題 vs 私たち」を知る

    合宿最後は、1日目も行われた「会社紹介ワークショップ」の発表内容をブラッシュアップしていきます。資料をGoogleスライドで作り直し、再度10分間で発表を行いました。

    前日のふりかえりで出ていた「タスクばらし」について全体でおさらいしてから、早速チームごとに分かれ発表準備をしていきます。

    双方のチームとも「一日目にできなかった発表練習までできた」とのことで、「タスクばらし」によって準備のやり方ははるかにアップグレードされていました。

    一方、

    「言われたことばかりに気を取られて、設定されたゴールの意図や目的を全く考えられていなかった。」

    「いつの間にか業務を依頼した人へのプレゼンになってしまっていた」

    などのふりかえりも出てきました。

    実際今回は2つのチームとも、依頼者である高木の思っているものとズレた「会社説明」になっていました。

    こうした状況を見た倉貫のフィードバックで出たのは、「問題 vs 私たち」という言葉です。

    本来、仕事には目的があるから、依頼が行われます。依頼者の要望は、言われた通りものを作ってもらうことではなく、課題を解決することや、目的を達成することにあります。

    しかし、今回の発表は「依頼者 vs 自分たち」になっていたなというのが気づきとして出ていました。「依頼者 vs 自分たち」は、依頼者に喜ばれるように、依頼者がOKを出すように、依頼の通りのものを作ることを一番に考えている状態です。

    そうすると、依頼者に対して「もっとこうした方がいいんじゃないか?」という提案は出てきません。ソニックガーデンで行う納品のない受託開発では、お客様の問題を解決するために受託脳ではなく、提案脳であることが必要不可欠です。提案脳であるために、問題に対し、お客様を含めたチームで取り組むという「問題 vs 私たち」の考え方を大事にしています。

    「この合宿で、“問題 vs 私たち”の意味が以前よりも腑に落ちた。」という感想も参加者からは出ていて、失敗したことで本質への理解が深まる良い経験になっていました。

    日々の仕事につながる、学び直しの場としての合宿

    仕事の型を学び直し、重要性を再認識した

    合宿を終えて、メンバーそれぞれが合宿全体を振り返っての「気づき」「学び」を社内掲示板で共有しました。

    その中で、ソニックガーデンで大事にされる仕事の型について、理解が進んだことが伺える言葉もみられました。

    合宿を通して、タスクバラシや小口化の重要性を再認識することができました。

    いかにばらしの精度を細かくするか、また何をすればタスクのゴールなのかを最初に定義することで、仕事の目的に沿った作業ができると学んだ。

    これまで仕事する上で、仕事を依頼する・受ける関係性のイメージが潜在的にあり、問題vs私たちの考え方ができていなかったと気づいた

    仕事の型について学び直しが進んでいる一方、「問題 vs 私たち」になれていないことに気づくきっかけにもなった合宿でした。

    日々の仕事に直接つながる学びを得られた

    また、「仕事でも言われていたことなのに」「次からの仕事ではこう生かす」という言葉も目立っていました。

    普段のふりかえりで「ゴールを確認する」「認識を合わせる」とTryにしているのにも関わらず合宿でも同じようなことが起きてしまったので、あぁこれはまだまだTryが身についていないなとも思った

    合宿を通して、作業の選定すらまともにできていないと痛感した。仕事を達成するためには、作業を自分で選定する力がないといけないし、作業の能力をあげないことには成果がでない。まずはタスクばらしの精度をあげることから始めてみようと思う

    チームで認識合わせをする場面が多く、話が進まなかったり、認識が何度もずれてしまったりすることもあった。正しく正確に伝える、受け取る力が必要だと思ったし、日々の仕事でも指摘をもらうことが多いので、ふりかえりをして改善していきたい。

    合宿という場は非日常であり、普段の仕事とは違うことを行う場です。しかしその中で、各々が日常の仕事に生かせる気づきを、ふりかえりによって得ていました。

    運営側の目的「3ヶ月で学んだ仕事の型を復習する」を達成した、参加者にとっても意味のある合宿であったことが伺えます。

    以上、新人合宿について参加者のコメントとともにご紹介してきました。参加者のふりかえりからは、ただ楽しいだけでない、学びある合宿になっていたことが伺えます。

    この合宿での経験は、仕事での成果を上げることにも繋がっていくことでしょう。若手メンバーの今後の成長に期待です。2日間お疲れ様でした。

    ライティング:小澤 未花
    2022年に株式会社ソニックガーデンに入社。 弊社運営の初学者向けプログラミング合宿「ソニックガーデンキャンプ」の運営や、広報に携わる。
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