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全国からリモートワークなのに、ザッソウ(雑談+相談)してるってホント?―「管理ゼロ本」の会社の社員に聞いてみた!(中編)

2019年に出版された
『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』

その表紙には次のような刺激的な言葉が並んでいます。

▶上司なし
▶決済なし
▶副業OK
▶給与は一律
▶賞与は山分け
▶評価制度なし
▶売上目標なし
▶ノルマなし
▶経費は承認なく使える
▶休暇は取り放題
▶最高に自由に働ける会社の“究極のマネジメント”

表紙を読むだけで「本当なの~?そんなの不可能でしょう」と、首を捻りたくなる単語のオンパレード!これらの単語を読んで「まさか…」と思った方や、「本当ならぜひ詳しく知りたい!」と思った方に向けて、この本の内容の真偽を確かめるべく、管理ゼロ本の舞台であるソニックガーデンの皆さんにお話を聞いてきました。


前編:上司なし、評価なし、ノルマなし、働く時間と場所の縛りなし!「管理ゼロ本」の会社の本当のトコロ、社員に聞いてみました!

目次

    全国各地からリモート勤務の皆さんですが、本当に掲示板でザッソウ(雑談+相談)できているのですか?

     私たちの会社では、社内のコミュニケーションには雑談も仕事の話も同時に流れるように、ツールを分けないようにしています。仕事の話の合間に、だれかの雑談が流れてくることもあります。仕事中に雑談を書き込んでくることに目くじらをたてるより、読むだけなら一瞬だし、不要なら読み飛ばせばいいのだから、書き込むことに躊躇しなくていいほうが大事です 真面目なことも、しょうもないことも、同じ場所で流れているくらいでちょうどいいのです。本来の“いいオフィス”って、そんな雰囲気だったと思いませんか。
    「管理ゼロで成果はあがる」96ページより抜粋

    社内の掲示板で雑談が交わされているのは本当ですか!?
    池上の顔池上
    本当です(笑)掲示板での雑談、実際に毎日しています。冒頭で高松から千葉に引越すとお話ししましたが、場所の相談などを掲示板でしたところ、関東に住んでいるメンバーからたくさんアドバイスを貰いました。

    本当に仕事と関係のないことを書いているんですね!
    門田の顔門田
    僕も毎日何か呟いてはいますが、適当な内容すぎて中身は覚えていませんね(笑)
    荻原の顔荻原
    私は自分で呟くよりは、見ている方なのですが、最近面白かった雑談は「夫婦間での、夫の思いと妻の思い」というやりとりですね。みんなこんな風に考えているのかと思い、印象に残っています。赤裸々過ぎてちょっと公開はできないですね(笑)

    ザッソウ(雑談+相談)の効果、感じていますか?

     報告・連絡よりも私たちが重視しているのは「ザッソウ」、つまり雑談と相談です。 報告と連絡にかけていた時間を相談にかけると、仕事がよりスムーズに進むようになります。お互いの時間を取って話しあうことで、抱えている問題の解決に至るからです。
     さらに私たちの会社では、報告と連絡を効率化して時間の余裕を作ることで、社員同士が雑談することを推奨しています。雑談をする中で仕事のアイデアが出ることもあれば、互いのことをよく知りあうことでチームワークが醸成されることもあるからです。
     気軽に雑談しあえるチームは心理的安全性がある証拠です。なにより、そんな気軽に雑談が飛び交うチームで働くのは楽しそうです。
    「管理ゼロで成果はあがる」91ページより抜粋

    ソニックガーデンでは掲示板での文字のやり取り以外のコミュニケーションも活発なのですか?
    門田の顔門田
    はい。掲示板上のザッソウだけではなく、テレビ電話でのザッソウも活発です。

    画面越しに話し相手になってもらうだけで、自分の中で情報が整理されて問題が解決できたり、実際に話すことで心理的安全性も高くなったり、自分にない視点をもらえることもあります。顔を合わせて話すのは掲示板でのザッソウともまた違って、良いものがあるなと思っています。
    確かに表情や声から得られる情報はたくさんあるので、テレビ電話で喋る時間も大切ですね。
    池上の顔池上
    私は週に1回チームでザッソウの時間を確保しているんです。

    本当にどうでもいい話をしていたり、その中で「最近ここが分からないんですよね」という相談をしたりもします。先ほどお話したふりかえりをしている3人とは別のメンバーでチームを組んでいるのですが、他のメンバーが参加してもいいので、テレビ電話をしているURLは掲示板上に公開しています。

    雑談のための時間を確保するというのは、なかなか斬新だと思います!
    門田の顔門田
    池上さんたちの雑談タイムに、僕も1回参加させてもらったことがあります。その時は祭りの話をしていましたね(笑)

    池上の顔池上
    そうでしたね(笑) 祭りの話から真面目な話まで、本当に様々なことを話しています。カレンダーを見ると、他のチームも枠をとって開催していますよ。
    楽しそう!いい文化ですね。
    荻原の顔荻原
    そうですね!私の感じているザッソウの効果は、孤独を感じないことなんです。リモートなので実際に会うことは少ないですが、掲示板に書くザッソウとテレビ電話で話すザッソウの両方があることで、「自分はソニックガーデンの一員なんだな」と感じられます。

    話題となったザッソウだけに特化した書籍が出たそうです。
    【ザッソウ 結果を出すチームの習慣 ホウレンソウに代わる「雑談+相談」】


    タスクばらしって何ですか?

     セルフマネジメントで目指す最初のレベルは「自分に与えられた仕事を一人でできる」という段階です。何かしら成果の見えるひとまとまりの仕事を与えられたときに、その仕事の中身を分解してタスク一覧をつくり、タスクの順番と優先順位を決めて、時間管理をしながら仕事を終えて報告できる、という段階です。
    (中略)
     この段階ではまだ仕事を与えるマネージャーの存在は必要ですが、与えた仕事は細かく管理しなくても成果を出してくれるならば、それほど大きな負担にはなりません。ただし、与えられた仕事を闇雲に始めてしまうと、途中で「今どこまでできているのか」「残りはどれくらいの時間がかかるのか」が自分でも分からなくなってしまいます。そうならないようにタスクばらしをしておき、素早く進捗状況を把握できなければなりません。
    管理ゼロで成果はあがる」121ページより抜粋

    タスクばらしとはどういったものですか?
    門田の顔門田
    仕事が来たら、ひとつひとつのタスクを順番にやっていくと、最後にはその仕事が完了するという形にまで仕事を分解します。

    タスク管理のための自社システムがあり、優先順位の高いものから並べます。お客様の開発であれば、そのタスク一覧を一緒に見ながら進めていきます。
    池上の顔池上
    私の場合、自社のタスク管理システムはお客様との約束として一覧にしたものなので、自分用にもう少し細かくタスクをバラしたものを作ることがあります。

    1項目30~1時間で終わる単位でタスクにし、それを一個ずつ消していくイメージで仕事を進めていきます。

    それって本当に効率が良くなるんですか?もしくは効率のためではなく、やる気のためにやっているのですか?
    池上の顔池上
    そこまで分解しておくと、やる気に依存しなくなるんですよね。「よし、やるぞ!」と気合を入れなくても、「次はこれをやるのか」と淡々と進めていける仕組みです。
    門田の顔門田
    タスクにバラしておくと、仕事の進捗を把握することにも繋がりますね。

    あとはタスクばらしの際には、完了までの道筋をある程度把握しないとバラせないので、早い段階で何に取り組まなければいけないか気づくことができます。「この段階でこういうタスクがあるから、お客様に早めに質問しておこう」というような段取りが事前に組めるところがメリットですね。
    行き当たりばったりではなく、計画的に進めていくことにも繋がるんですね。
    門田の顔門田
    あとは大きい単位のままだと、なかなか終わらないこともあってダラダラ取り組んでしまうかもしれませんが、小口化しておくことでテンポよく進めます。何かに躓いたときも、どこに躓いているのか明確ですし、途中で中断しても戻ったときに仕事の再開がし易いです。
    効率化にも繋がっているんですね。
    門田の顔門田
    結果として小口化が有効だという結論になったのは、ふりかえりを通じてですね。直面した問題があり、そこを改正していくひとつの方法としてタスクばらしを採用することになったという感じです。

    管理されないことで、働き過ぎてしまうことや、サボってしまうことはありませんか?

     「自分で仕事を見つけて成果を出す」このレベルになれば、ついに他人から管理されることは不要になります。自分自身の裁量で、その会社やチームにとっていいと思えることであれば何でもやるし、リソースの管理も自分で考えるようになります。つまり、自分で仕事を見つけたり、自主的に仕事に取り組む能力が求められます。
     しかし、何をしてもいいわけではありません。組織やチームに所属しているからには、その組織のビジョンや目的を理解した上で、「どの戦場で戦うのか、それとも戦わないほうがいいのか」「目的を達成するためにはどういった貢献をすればいいのか」といったことを考えなければなりません。また、一般や企業文化なども無視できません。もはや、会社や組織の経営を担うレベルだといえます。
    管理ゼロで成果はあがる」125ページより抜粋

    ソニックガーデンの皆さんは、上司もいなければ、働く時間も自由ですよね。そういったまったく管理されていない状態であることで、働き過ぎてしまうことや、サボってしまうことはないですか?
    池上の顔池上
    やる日とやらない日の波があったりするので、自分で調整している感じですね。

    なので答えとしては働き過ぎてしまうこともないしサボってしまうこともないです。そういったコントロールをすべて自分でやらないといけないので、そういう意味では管理されているよりも大変かもしれないですね。

    門田の顔門田
    僕の場合はついつい働き過ぎてしまう傾向がありますね。パソコンさえあれば割とどこでも仕事ができしまうので、時間があったらちょっとやろうかなと思ってしまうんです。
    プログラミングが好きだからこそ、ついつい仕事してしまうんですね。
    門田の顔門田
    そうですね。なので、思っていた以上にサボらないですね。

    ビジネスモデル的に、お客様に「一週間後には、ここまで開発しますね」とお話ししますので、そこまでは見せてあげたいという気持ちもあって、ついつい働いてしまいますね。
    お客様の反応を自分で受け取れるビジネスモデルが、管理されなくても働ける背景になっていますね。
    荻原の顔荻原
    私もトータルの勤務時間で計算すると、働き過ぎでもないしサボってもいないと思います。

    でも子供のことがあったりで仕事から抜ける時間帯がちょこちょこあるので、そこを補う意味で、平日の日中とは違う時間帯に働くことがあるのですが、それは家族からは不評ですね(笑)

    後編はこちら


    『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』 https://www.amazon.co.jp/dp/4297103583/


    「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」のマネジメント部門にエントリーされました

    管理ゼロ本が、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」マネジメント部門にエントリーされました。
    1部門につき1人3票まで投票可能となっておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
    (投票期間:2020年1月上旬頃まで)

    「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」

    ライティング:岡田由美子
    早稲田大学第一文学部在学中より、物書きを目指してひたすらに原稿用紙に文字を埋める日々を過ごす。卒業後、EC系のベンチャーで新規事業の開発に取り組む。現在は二児の育児の傍ら、インタビュー記事や、商品紹介のキャッチなど、また文字の世界へと戻る。
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