やる気がなくても成果が上がる仕組みがあるってホント?―「管理ゼロ本」の会社の社員に聞いてみた!(前編)

2019年に出版された
『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』
その表紙には次のような刺激的な言葉が並んでいます。
▶上司なし
▶決済なし
▶副業OK
▶給与は一律
▶賞与は山分け
▶評価制度なし
▶売上目標なし
▶ノルマなし
▶経費は承認なく使える
▶休暇は取り放題
▶最高に自由に働ける会社の“究極のマネジメント”
表紙を読むだけで「本当なの~?そんなの不可能でしょう」と、首を捻りたくなる単語のオンパレード!これらの単語を読んで「まさか…」と思った方や、「本当ならぜひ詳しく知りたい!」と思った方に向けて、この本の内容の真偽を確かめるべく、管理ゼロ本の舞台であるソニックガーデンの皆さんにお話を聞いてきました。
愛媛・高松・埼玉から、それぞれ管理ゼロ本の真実について語ってくれるメンバーの紹介





生産性を高めるための「ふりかえり」とは?
たとえば、一度でも進捗遅れを残業でカバーしてしまうと、その先もずっと残業でカバーし続けることになってしまいます。刃こぼれした斧でも切れてしまうと、斧を磨こうとはなりません。がんばってカバーできてしまうと、それがまちがった成功体験になって続けてしまうのです。しかしそれではいつか破綻してしまいます。やはり抜本的にやり方自体を見直していくことが求められるのです。
そうした仕事のやり方を見直す時間を「ふりかえり」と呼んでいます。文字どおり、現場の活動をふりかえり、改善のアクションを考える時間です。定期的に実施して、仕事の進め方を見直すことで、抜本的な問題解決と、高い生産性を実現することが狙いです。
「管理ゼロで成果はあがる」26ページより抜粋



入ってすぐのメンバーはとにかく頑張って仕事する傾向がありますが、「本当にそれが今必要なのか? こういう視点で考えたら、求められているものが全然違うのではないか?」 そんな風に視点を一段階上げるという点も、ふりかえりの価値があるところだと思います。

上手にふりかえりできたから評価されるわけでもないですし、自分にとって価値のあるふりかえりであればいいというのは、大事なポイントだと思います。

私の場合はメンターと私の他に、もう一人別のプログラマも一緒にふりかえりをしています。自分以外のメンバーのふりかえりを聞くことになるんですが、そうすると自分では辿り着けなかった気づきに触れることができるので、すごくいいですね。

前職でもふりかえることはしていましたが、半年に1回目標を書いて半年後にふりかえるというペースだったので、ふりかえる頃には完全にやったことを忘れています(笑)
また、上司に見せることが目的だったので、自分が本当にやりたいことを書くと注意を受けたり、書き方に注意しなければいけなかったり、本質的なふりかえりではありませんでしたね。
やる気を無理に上げない。それでも成果が上がる理由は?
高い生産性や品質を実現するためには、スキルや能力もさることながら、本人の仕事に対する気持ちも非常に大きな影響があります。だからといって「やる気も出せ」と指示をしてやる気が出るのなら苦労はありませんし、そもそもやる気など他人がかんたんにコントロールできるものではありません。
「管理ゼロで成果はあがる」60ページより抜粋


もしくは、「やりたくないことは一人ではできないから、他の人を巻き込んで一緒にやる」とか「誰にでも得意不得意はあって、好き嫌いでやる気が出たり出なかったりするから、別の人にタスクごと渡してしまおう」という選択肢を提示してもらえます。



やる気に頼らない仕組みとは?
マネジメントで何とかしようとしても、本人のプライベートで辛いことがあったりすれば、やっぱりやる気は出ません。むしろ、そんな状況の時にまでやる気を出させようなんて、酷な話だと思いませんか。
やる気なんてものは、上がったり下がったりするものです。なので、やる気などなくても一定の成果が出せるような仕組みやチームを作ることがすべきことで、「やる気があればさらにいい」という状態を作った方がいいでしょう。
「管理ゼロで成果はあがる」70ページより抜粋

しかしやるべきこととしてスケジュールに入れてしまえば、やるしかないという状態になります。

新しい機能を追加するといったような表に見えて変わる部分ではないので、ついつい後回しにされがちなんですけれど、セキュリティの観点であったり開発の効率化のためには、各種ツールのアップデートは必須です。
そういったアップデートを確実に行うための仕組みとして、僕は週に1回チームでメンテナンスの機会を作っています。先にスケジュールに入れておくことで、メンテナンスで必要なものチーム全体で共有し、確実にアップデートしていく仕組みになります。
<中編はこちら>
『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』
https://www.amazon.co.jp/dp/4297103583/
「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」のマネジメント部門にエントリーされました
管理ゼロ本が、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」のマネジメント部門にエントリーされました。
1部門につき1人3票まで投票可能となっておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
(投票期間:2020年1月上旬頃まで)

- ライティング:岡田由美子
- 早稲田大学第一文学部在学中より、物書きを目指してひたすらに原稿用紙に文字を埋める日々を過ごす。卒業後、EC系のベンチャーで新規事業の開発に取り組む。現在は二児の育児の傍ら、インタビュー記事や、商品紹介のキャッチなど、また文字の世界へと戻る。