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やる気がなくても成果が上がる仕組みがあるってホント?―「管理ゼロ本」の会社の社員に聞いてみた!(前編)

2019年に出版された
『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』

その表紙には次のような刺激的な言葉が並んでいます。

▶上司なし
▶決済なし
▶副業OK
▶給与は一律
▶賞与は山分け
▶評価制度なし
▶売上目標なし
▶ノルマなし
▶経費は承認なく使える
▶休暇は取り放題
▶最高に自由に働ける会社の“究極のマネジメント”

表紙を読むだけで「本当なの~?そんなの不可能でしょう」と、首を捻りたくなる単語のオンパレード!これらの単語を読んで「まさか…」と思った方や、「本当ならぜひ詳しく知りたい!」と思った方に向けて、この本の内容の真偽を確かめるべく、管理ゼロ本の舞台であるソニックガーデンの皆さんにお話を聞いてきました。

目次

    愛媛・高松・埼玉から、それぞれ管理ゼロ本の真実について語ってくれるメンバーの紹介

    門田の顔門田
    門田です。2019年2月に入社したので、8ヶ月になります。前職は受託開発の会社で約10年勤めていましたが、娘が小学校に上がるタイミングで愛媛にUターンするために、リモートで働けるソニックガーデンに入りました。
    池上の顔池上
    池上です。門田さんと同じく2019年の4月に入社したので、ちょうど半年経ちました。今は香川在住ですが、もうすぐ千葉に引越します。
    香川から千葉!引越しても、職場を変わらなくてもいいのが、ソニックガーデンの良いところですね。
    池上の顔池上
    夫が転勤の多い仕事なので、場所にこだわらずに自分の仕事を続けられる職場を探していて、ソニックガーデンのことを知りました。前職では個人事業主として受託開発をしたり、地域の高等専門学校で技術補佐員もしていました。

    荻原の顔荻原
    荻原です。埼玉に住んでおり、池上さんと同時期に入社しました。前職は、新卒で入社した受託開発をする会社にずっと在籍していました。
    長く勤めた会社をご退職されたのですね。
    荻原の顔荻原
    そうですね。転職した理由は2つあり、1つ目は「そろそろプロジェクトの管理をする側に進んで」と言われたのですが、自分はそういうことをしたいと思えなかった点です。もうひとつは通勤時間がかなり長い上に、子育てのため時短で働いており、家事もしなければいけないしで、仕事の時間を確保するのが難しくなったという点です。
    自宅からリモートワークできれば、時間を有効に使えるようになりますよね!

    生産性を高めるための「ふりかえり」とは?

     たとえば、一度でも進捗遅れを残業でカバーしてしまうと、その先もずっと残業でカバーし続けることになってしまいます。刃こぼれした斧でも切れてしまうと、斧を磨こうとはなりません。がんばってカバーできてしまうと、それがまちがった成功体験になって続けてしまうのです。しかしそれではいつか破綻してしまいます。やはり抜本的にやり方自体を見直していくことが求められるのです。
     そうした仕事のやり方を見直す時間を「ふりかえり」と呼んでいます。文字どおり、現場の活動をふりかえり、改善のアクションを考える時間です。定期的に実施して、仕事の進め方を見直すことで、抜本的な問題解決と、高い生産性を実現することが狙いです。
    「管理ゼロで成果はあがる」26ページより抜粋

    ソニックガーデンのみなさんが行っている「ふりかえり」とは何ですか?

    門田の顔門田
    僕の場合は週に1回メンターと話をする時間があるのですが、 その1週間で行ったことに対して良かったことや、こういうことがあったので、それを元に次はこれをしていこう、というのを考える場がふりかえりです。使っているフレームワークはKPT(KEEP、PROBLEM、TRY)です。

    門田の顔門田
    経験のあるメンターと話すことで、「それはこう考えた方がいいじゃないかな?」というアドバイスを貰えたり、どんな風に仕事を進めるのかというのを知ることができる大切な時間です。
    業務そのものというよりも、仕事の進め方について話すんですね。
    門田の顔門田
    そうですね。また、文化のような暗黙知を聞けるのがいいところですね。弊社では「そもそもそれどうなんですか?」という会話をよく耳にしますが、ふりかえりを通じて「そもそもから考えていくという考え方」を知ることができました。

    入ってすぐのメンバーはとにかく頑張って仕事する傾向がありますが、「本当にそれが今必要なのか? こういう視点で考えたら、求められているものが全然違うのではないか?」 そんな風に視点を一段階上げるという点も、ふりかえりの価値があるところだと思います。
    ふりかえりは、文化が浸透していく大切な要因になっているんですね。
    門田の顔門田
    もう一つポイントだと思うのは、普通の会社だと上司部下という関係がありますが、ふりかえりの際にもそういう関係性が介在しない点です。上下がないので、相手の評価を気にする必要もないし、あくまでも自分のためのふりかえりなんです。

    上手にふりかえりできたから評価されるわけでもないですし、自分にとって価値のあるふりかえりであればいいというのは、大事なポイントだと思います。
    池上の顔池上
    私も1週間に1回、ふりかえりをやっています。必ず自分の1週間をふりかえるんです。

    私の場合はメンターと私の他に、もう一人別のプログラマも一緒にふりかえりをしています。自分以外のメンバーのふりかえりを聞くことになるんですが、そうすると自分では辿り着けなかった気づきに触れることができるので、すごくいいですね。
    確かに自分以外の人がどう省みて、どう改善してくのか知ることができるのは、学びが大きそうですね。
    荻原の顔荻原
    私はすごく小さなTRYを決めてやっていけるところが、ふりかえりのいいところだと思っています。

    前職でもふりかえることはしていましたが、半年に1回目標を書いて半年後にふりかえるというペースだったので、ふりかえる頃には完全にやったことを忘れています(笑)

    また、上司に見せることが目的だったので、自分が本当にやりたいことを書くと注意を受けたり、書き方に注意しなければいけなかったり、本質的なふりかえりではありませんでしたね。
    1週間に1回という頻度と、自分自身のためにふりかえるから、ふりかえりには価値があるのですね。

    やる気を無理に上げない。それでも成果が上がる理由は?

     高い生産性や品質を実現するためには、スキルや能力もさることながら、本人の仕事に対する気持ちも非常に大きな影響があります。だからといって「やる気も出せ」と指示をしてやる気が出るのなら苦労はありませんし、そもそもやる気など他人がかんたんにコントロールできるものではありません。
    「管理ゼロで成果はあがる」60ページより抜粋

    やる気が出ないときでも、なぜ成果が上がるのでしょうか?
    荻原の顔荻原
    自分自身がお客様と常に連絡を取り合っており、お客様と近い状態なので、緊張感を持って仕事に向き合っているというのが理由のひとつです。あとはお客様とも定例で会議をしており、次の会議には成果物をお見せしなければいけないので、やる気がなくても、やるべきことをやるしかないですね。
    池上さんは、やる気が出ないとき、ありますか?
    池上の顔池上
    やる気が消えることもあります(笑)あるんですけど、「やる気がなくなった」とふりかえりで相談したら、「やりたくないことはやめよう」と言われました(笑)

    もしくは、「やりたくないことは一人ではできないから、他の人を巻き込んで一緒にやる」とか「誰にでも得意不得意はあって、好き嫌いでやる気が出たり出なかったりするから、別の人にタスクごと渡してしまおう」という選択肢を提示してもらえます。
    実際そのやる気が出ないタスクは人に渡す予定なんですか?
    池上の顔池上
    まずはそのタスクが得意で好きな人に、「やる気が出ないんだけれど、どういう仕組みだったらやる気に頼らずにできるのか?」というのを正直に相談してみようと思っています。やりたくないことを「やりたくない」と正直に言えるのは、特殊な環境だなと思いました。
    そうですね、本当に独特なカルチャーだなと思いますね。
    門田の顔門田
    ソニックガーデンには「やらなければいけないこと」「これをしてください」というのがほぼないんです。上司はいないので、上から決められてやるのではなく、手元にある仕事は自分から「やります」と宣言したもののみです。だからやるしかない(笑)

    門田の顔門田
    それでもやる気が出ないときは、頑張りでどうにかするのではなく、仕組みで解決するという文化があります。「やる気が出ないという状態」を個人の問題にするのではなく、「やる気がないという事実」に対してどうアプローチするか仕組みを考えましょうという話になるのです。
    なるほど。すごく気になります。どう仕組み化しているのか、次にお聞かせください。

    やる気に頼らない仕組みとは?

     マネジメントで何とかしようとしても、本人のプライベートで辛いことがあったりすれば、やっぱりやる気は出ません。むしろ、そんな状況の時にまでやる気を出させようなんて、酷な話だと思いませんか。
     やる気なんてものは、上がったり下がったりするものです。なので、やる気などなくても一定の成果が出せるような仕組みやチームを作ることがすべきことで、「やる気があればさらにいい」という状態を作った方がいいでしょう。
    「管理ゼロで成果はあがる」70ページより抜粋

    門田の顔門田
    やる気に頼らずとも仕事を前に進められる一番いい方法は、スケジュールに入れてしまうことかもしれません。色々なことをやるので、頭から離れたタスクはどうしても優先順位が下がってしまいます。

    しかしやるべきこととしてスケジュールに入れてしまえば、やるしかないという状態になります。
    その時間に何をすべきか、悩まない状態を作っているということですね。
    門田の顔門田
    あとはシステムの開発をする上で、目に見えない部分のメンテナンスが必要になってきます。

    新しい機能を追加するといったような表に見えて変わる部分ではないので、ついつい後回しにされがちなんですけれど、セキュリティの観点であったり開発の効率化のためには、各種ツールのアップデートは必須です。

    そういったアップデートを確実に行うための仕組みとして、僕は週に1回チームでメンテナンスの機会を作っています。先にスケジュールに入れておくことで、メンテナンスで必要なものチーム全体で共有し、確実にアップデートしていく仕組みになります。
    意識していなくても、その時間がくれば確実にメンテナンスができるという仕組みですね!

    中編はこちら


    『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』 https://www.amazon.co.jp/dp/4297103583/


    「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」のマネジメント部門にエントリーされました

    管理ゼロ本が、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」マネジメント部門にエントリーされました。
    1部門につき1人3票まで投票可能となっておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
    (投票期間:2020年1月上旬頃まで)

    「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」

    ライティング:岡田由美子
    早稲田大学第一文学部在学中より、物書きを目指してひたすらに原稿用紙に文字を埋める日々を過ごす。卒業後、EC系のベンチャーで新規事業の開発に取り組む。現在は二児の育児の傍ら、インタビュー記事や、商品紹介のキャッチなど、また文字の世界へと戻る。
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