ソニックガーデンは「プログラマを一生の仕事にする」というビジョンを持っています。
難しい問題を解決する「顧問プログラマ」として、お客様と直接やりとりをしながら、すべての判断を自分自身でできる大きな裁量を持った仕事をしています。
その分、見るべき範囲や責任も大きく、お客さまの顧問として相談に応えるためには、プログラミングの実力はもちろん、日々技術を磨いていく姿勢が求められます。
その一方で、私たちはプログラマの「時間」こそもっとも大事な資源だと考えています。一生懸命働くことは大事なことですが、家族や人生を犠牲にしてまで事業が成功することを目指していません。
「今を生きている時間」を大切にするために、仕事だからといって我慢をしたり、ストレスを感じながらお金を稼ぐのではなく、毎日の仕事だからこそ”楽しむこと”を忘れずにいたいと思っています。
それがソニックガーデンの「遊ぶように働く、働くことを楽しむ」というカルチャーです。
今回はソニックガーデンのプログラマ4人に、この「遊ぶように働く」を実際どのように体現して、仕事を楽しんでいるのかを座談会で話してもらいました!
登場人物

仕事と趣味の境目がないくらいプログラミングを楽しんでいる
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ソニックガーデンにおける「遊ぶように働く」ってどういうこと?というのを今日は伺いたいのですが……。皆さんは、普段仕事とプラベートをどのように過ごしていますか?例えば一般的な会社員だと、仕事とプライベートをしっかりと分けていたりすると思うんですが。

遠藤
プライベートと仕事かぁ……そう考えると、そもそもその境目はないですね。

野上
何をプライベートとして、何を仕事とするのかの定義が難しい。

遠藤
そう、趣味はプログラミングだしね。ゲームも好きだけど、やっぱりそこでもプログラミングしてるし(笑)
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ということは、みなさん趣味も仕事もプログラミングなんですか?

大野
新しい技術を始める時に急に仕事で使うと危ないので、趣味でその技術を試して、実際に使えそうだなというのを掴んでから仕事で使ったりするんです。そういうところが、仕事とプライベートで地続きになっている感じがしますね。

栩平
18時まで仕事でプログラミング書いて、18時からプラベートでプログラミング書くみたいなね。

遠藤
例えばアプリを使っていて、操作方法が面倒だったりすると、どうしたらもっと使いやすく自動化できるかを考えてしまう。それはゲームで遊んでいる時でも同じで。
そして自動化するなら、せっかくだから新しい技術を使おうとなる。それで遊んだ結果が仕事に繋がる。
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じゃあプライベートでリフレッシュするために、プログラミングとは全く別なことをすることはあまりない?

遠藤
ないですね。技術的なことが好きなので、遊び時間もプログラミングをする。新しい技術がでたら、それを使って遊びたくなるし触りたくなる。
なんか一日中趣味で遊んでいるような……、いや仕事はしているんですけど、でも遊んでいるような感覚です。

大野
俺もテニスとかドラムとか他の趣味はあるけど、それがリフレッシュになるわけではなくて。
プログラミングは大好きだから、常に頭の中にあるという感じ。なんか、ずっと考えているっていうのとも違うんですよね。
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他の方もプログラミングのことは、仕事の時間外にもしている感じですか?

野上
そうだね。風呂に入っていたり他のことをしていても、プログラムのことをパッと思いつく時があって。そうなったらもう「すぐ書きたい!」ってなる。

遠藤
そのまま風呂場で書きたくなるっていうか(笑)

野上
でもまぁ、俺たちは皆いいパパでもあるから、もちろん家族優先だけども(笑)
それでも常にプログラミングのことが頭にあるというか。仕事でも趣味でもアイデアが降ってくるという感覚ですね。極端な話、夢の中でもアイデアや直し方が閃いたりするし。

栩平
俺は考えているときは閃いたりはするけど、夢の中で閃くことはないかも。

大野
でもたぶん、とっちー(栩平)のそれが普通なのかも?

遠藤
確かに、俺らがおかしいのかもしれない。

栩平
だから、俺は4人の中で一番普通だよって言ってるじゃない(笑)
各自が責任を持って「無駄な開発はしない」働き方ができる
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趣味と仕事に境目がないというこのお話って、「遊ぶように働く」にすごく通じているなと思います。皆さんはリモートワークの環境で、ご自身でタスクを管理しながら仕事を進めていますが、仕事のモチベーションなどはどのように保っていますか?

遠藤
うーん、モチベーションを保とうと思ったときがないかなぁ。

野上
モチベーションがない時、俺はあるよ。そういうときは、エコーかけて歌ってる。気分上がるよ(笑)
ビジネスロジックな側面だと、毎週お客さんとのミーティングがあるから、”やるべきこと”が毎週出てくるというのがあって。そういう環境だから、モチベーションの有無は関係なく、やらなければならないという感じかな。

大野
仕組み上そうしなきゃいけないから「やるしかない!」だよね。

栩平
毎週ソフトウェアをリリースし続けてるような働き方だから、ダレる隙間もないし。

遠藤
でも、1週間単位の時間のコントロールは最高にしやすい。僕たちの仕事は成果を上げることであって、何時間働くことではないからね。毎週のミーティングで、その週に作るものを決めて、それが成果物になる。

栩平
僕たちは、趣味でもあるくらいにプログラミングが大好きなので、モチベーションの高さはすでにあるんですね。
その上でモチベーションが下がること、つまりお客さんにとって価値のないことや無駄な開発の提案を「これは必要ないです」と直接言える環境にあるので、納得できない仕事をすることがないんですね。

大野
自分がやる仕事をお客さんに自ら提案して、責任持って開発をしているから、仕事に納得感があるよね。

野上
本当にそうだと思う。あと、単に自分のモチベーションを高めるという点では、少し無理めな作業時間の設定をして、それを達成できるように夢中になってプログラミングするというやり方を俺はしているかな。
プログラミングに関わらず、モノづくりって楽しいもの
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好きな仕事である以外にも、納得感のある仕事をすることがモチベーションにも繋がるんですね。確かにそれってとても大切なことだと思います。仕事をしていて楽しい!と感じる瞬間はどんな時ですか?

栩平
新しいプログラミングを実装する時は、ものすごくテンション上がりますね。そしてやりすぎちゃったりもします。

野上
俺は作りたいものがパッと見えて、自分の持ってるスキルが存分に活かせるという時にかなり熱中します。それこそ仮想オフィス「
Remotty」を作ったときは、寝る間を惜しんでやっていました。

ソニックガーデンで自社開発した仮想オフィス「Remotty」。メンバーの働いている様子が一覧で表示されます。
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プログラミングの仕事、なんでそんなに楽しいんですか?

野上
難しい質問だなぁ〜。でも、そもそもプログラミングに関わらず、モノづくりって楽しいものですよね。人間が道具を使うようになってから、一定数の人はモノを作ることをずっと生業としている人もいるし、そういうもんなんじゃないかな?人間って(笑)

大野
俺も自分用に作るアプリなんかは、それができて便利になったということよりも、それを作っている最中がものすごく楽しい。うまく積み木が組めた!という感じとか、そこにかける作業時間が減って上達した感じとか、そういう過程が楽しいんですよね。

栩平
何かを作る人って、その小さな世界を作ったり組み上げることに満足感を感じるのかなと思います。僕もそうですし。

遠藤
俺はひたすら作ることとか、物事の理を調べることがすごく好き。プログラミングって自分の指先だけで、想像を超えるような色んなものが作れるから、単純に作ることを楽しんでますね。
ゴールがない環境で開発するには自分自身をマネジメントすることが必要
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皆さん本当にプログラミングが大好きなんですね……!ソニックガーデンにとって「遊ぶように働く」というのは、仕事を夢中になって楽しんでいるという意味なんだなと、少しづつ分かってきました。そして、これを実現するためには「セルフマネジメント」がキーワードだと伺ったんですが、これについてはどう思いますか?

野上
ソニックガーデンに入る以前って「これを作ってください」という受託納品型の働き方だったから、言われたことをやる感覚でした。でも今って「納品のない開発」、つまりゴールがない環境で毎週開発をしているので、自分自身でいい感じにマネジメントしないといけない。だからセルフマネジメントが身についたというのはあります。

遠藤
受託納品型の会社だったら、遊ぶように働くのはちょっと難しいのかもしれない。仕事の裁量が少ないからね。
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なるほど。プログラマーがお客さんと直接話をして自分のタスクを決められるから、セルフマネジメントがしやすい背景があると?

大野
そうですね。直接お客さんと話をして、自分で自分のタスクを決める。それがセルフマネジメントのスタート地点のような気がします。

野上
でも今いるこのメンバー全員が、初めからセルフマネジメントができたわけでもなくて、それぞれ紆余曲折はあったよね。

遠藤
俺も最初は大変だった。お客さんとのやり取りがうまくいかなかったこともあるし、そういう失敗の中で学んだっていうのはあるよね。

栩平
開発の量、どれくらいしなきゃいけないんだろう、とかそういう部分のコントロールも難しかった。

野上
毎週やらなきゃいけないことがあるから、プレッシャーはいつもあって、”それを達成するためにはどうしなければならないか?”を自分で考えないと仕事が進まない。そういう環境で働くうちに、セルフマネジメントが上手くなったっていうのはあると思います。
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仕事のタスクを自分で決めることで、一つ一つの仕事をより自分事として捉えるようになる。それが責任感にも結びついて、セルフマネジメントが上手くなるというのはありそうですよね。
リモートでも毎日気軽にコミュニケーションをとればチームで自然と助け合いができる
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ソニックガーデンは、リモートだけどチームで働く「リモートチーム」の働き方が特徴ですが、皆さんいつも顔を合わせて仕事をしているんですか?

栩平
週に1度は、小さなグループ単位で進捗や困っていることを話し合ったりはしています。でもそれ以外で一斉に集まることはないかな。
とはいえ、毎日誰かとはオンラインで話しています。「ちょっといい?」という感じで声をかけて。

遠藤
すぐにZoomを繋いでカジュアルに話すよね。話す内容は、仕事をしている中で疑問に思ったこととか、こうしたらもっと良いかもといったような、ちょっとした相談が多いと思う。

野上
他には、ソニックガーデンではお客さんとのミーティングの際に2人体制で参加するので、ナビゲーターとしてサポートしてくれる人とその前後に打ち合わせで話したりもします。
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「リモートだけどチームで働く」って、具体的にはどんな風に働いているんですか?

野上
例えば、自社開発している仮想オフィス「
Remotty」は俺がWebサイトを作って、ぴーちゃん(大野)がアプリを作っているんですけど、その役割分担も特に話し合いで決めたわけではないんですよね。
自然と役割が分担されて仕組みができあがっていく感じで、そういう部分がすごく助かるなぁと思います。

遠藤
皆それぞれが自分の得意分野やできることで勝手に協力し始めて、支え合っている感じだよね。

大野
そう、助け合い方に流れがあるというよりは、それぞれやりたい仕事だけをやっているという感じ。「
Remotty」内では、
いま誰が何を作っているのか?ということが、他の人にも分かるようなっていて、その中で誰かが手伝ったり、分からないことがあったら助けを求めることがチームとしてできる。

野上
情報に関しては、最近は人も増えてきたから社内報でも共有されているよね。

大野
あとはオンライン納会みたいなことをやっているので、そこで発表をしたり。

栩平
日常的なものだとソニックガーデンで使っている「
Remotty」の中に
日記という機能もあって、そこで「今困ってる」って書くこともできるし。日記は社内用のFacebookのようなSNSみたいな感じですね。
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それを各自が見ていて、誰かが困っていたら「助けるよ」って声をかけるような感じなんですか?

遠藤
そうですね。「困ったなぁ」とか「誰か知らない?」とか、そういうのをタイムライン上でカジュアルにコメントしていて、そこに得意な人が反応して助け合っている感じです。社内全員がそんな感じだから、チームで働けている。

「Remotty」の掲示板上で困りごとを聞いてみると、誰かしら反応してくれます。
リモートで協力しながら書籍を執筆
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それぞれの得意なことで相手の困りごとをサポートして、チームワークで働いているんですね。お互いを信頼しあって、気負わない関係性の中で楽しく仕事をしている様子がうかがえます。そんな皆さんが、まさにチームで書かれた書籍が今年の6月下旬に出版されましたが、どのように協力して執筆を行なったのですか?夜はゲームをしながら書いていた、という噂もあったりなかったり……(笑)

大野
そんな噂が…(笑)
最初は俺がこの書籍の話を受けたんですけど、一緒に書く人がいればと思って掲示板で呼びかけたんですね。そうしたら、せーじ(野上)が「参加するよ」と声をかけてくれて。そしてそのすぐ後に、社内イベントのハッカソン*があったんです。
*「ハッカソン」(hackathon)とは、広い意味でソフトウェアのエンジニアリングを指す“ハック”(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた米IT業界発祥の造語で、もともとはプログラマーやデザイナーから成る複数の参加チームが、マラソンのように、数時間から数日間の与えられた時間を徹してプログラミングに没頭し、アイデアや成果を競い合う開発イベントのことをいいます。(weblioより)

過去のハッカソンの様子。このときのお題は「Alexaスキルを作って荒稼ぎハッカソン!」

野上
ソニックガーデンでは、毎月ハッカソンを行なっているんですけど、オンライン対戦ができるカードゲームを作ろう!ということでこの4人で集まって。
その時に2人で本を書くという話をしてるうちに「お前らも書く?」っていう感じで、みんなで書くことになったんです。

遠藤
その時のハッカソンでカードゲームを開発したので、せっかく作ったらやっぱりみんなで遊びたいじゃないですか。

野上
でも本を書かなきゃいけないから、夜な夜なオンラインで集まって書籍の章を分担して書くことに決めて。「ここまで書けたらその後一緒にゲームをしよう!」と頑張りました(笑)

遠藤
Zoomで繋いで、スプレッドシートを開いて、それぞれのノルマをわーっと書いて、「終わった?終わった?ゲームやる?」って言いながら。

Googleスプレッドシートで同時編集しながら執筆する様子。

大野
一応分担はしているんだけど、早く終わった人は遅い人のところを手伝ったりして、勝手に仕事が奪われていって。

栩平
みんなで早く終わらせたら、その分一緒にゲームができるしね(笑)
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笑!最高のチームワークですね。なんかその過程って、先ほど話していたソニックガーデンのリモートチームでの働き方と同じですよね。

野上
まあね。でもこれって「遊ぶように働く」じゃなくて「遊ぶために働く」だよね(笑)

遠藤
言葉の意味を履き違えちゃったね。

インタビュー中も楽しそうな4人。
ITツールに馴染みのない人におすすめ「できるfit Slack&Zoom&Trello テレワーク基本+活用ワザ」


栩平
この書籍は、リモートワークに最適なツールの使い方が分かる本です。さまざまなツールの使い方を解説しているので、急にリモートワークをしなければならなくなった人や、会社でITツールに馴染みのない人におすすめの本になっています。

遠藤
突如として在宅ワークになってしまった人や会社が、うまくツールを使いこなせるように、ITツールの基本的な使い方とプラスアルファの便利な使い方を載せています。

野上
それから、リモートワークを推進している会社などが、普段ツールに馴染みのない従業員の参考書として活用してくれても嬉しいですね。

大野
会社でもいいし、個人でもいいし、ITツールを使わなくちゃいけない状況になって困っている人にぜひ読んでいただけたら。また、そういう人が周りにいたら薦めてもらえたら嬉しいです。
⎯
ITツールとリモートワークに長けた4人からのアドバイスが載った書籍とのこと、私もぜひ読んで見たいと思います。今日みなさんからお話を伺って、”仕事ってもっと楽しみながら、夢中になってやっていいんだな”とわくわくした気持ちになりました。そして、自分の得意なことや好きなことで人の役に立つ、という仕事の仕方ができれば「遊ぶように働く」が実現できるのではとも思いました。本日はどうもありがとうございました!
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- Interview/Text: sasaki
- 編集者/ライター フルリモートでBtoBtoC領域の広報&採用のコンテンツ作成・企業サイト・コピー・各種広報ツール作成など企業のことば周りを支援している。ディレクション、アドバイス、壁打ちの段階から参画し、企業における情報資産の言語化をサポートする日々。海外在住。詳細はこちら