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いつでも、どこでも働けるスタイルへ〜ソニックガーデンmaedanaがアイルランドで挑戦 【後編】


パスポートどころか、本州から出たこともなかった前田さん。合宿で宣言してしまった手前引くに引けなくなり、カナダでの準備期間を経て、いよいよ本命の地へ。

いよいよアイルランド編へ

さて、いよいよ本番のアイルランド編ですね。今度は用意万端、余裕しゃくしゃくだったんですか?

申請手続きの詳細は国毎に違いますし、本申請の前に帰りの航空券も用意していないといけませんでしたから、ビザが降りるまでは大変でした。いざ出発の段になってしまえば、2回目だけに、漠然とした不安はなく、とにかくウキウキしていましたね。15時間のフライトやイギリスでの入国審査 *1 はちょっと大変でしたけれど。でも、準備については、やっぱり出発前は慌ただしくなってしまって…。ホテルは一週間分予約してありましたが、現地で滞在先を探してくれるコーディネータさんとは連絡がついたばかりでした。空港への出迎えもなかったので、宿泊先のホテルまで自力で行って、ロビーで待ち合わせました。

そんな段取りでもウキウキしていたとは、やっぱり"海外力"はずいぶんレベルアップしたんですね。ところで、アイルランドの滞在事情はどうなんですか?

カナダでは、ほとんどえり好みしなかったんで、すぐ見つかったんですけれど、今回はそうはいきませんでした。首都ダブリンの中心部でフラットシェアしたいという条件を付けたら、見合う物件がなかなかありませんでした。フラットシェアっていうのは、3LDKとか4LDKとかの住居の居室部分が賃貸されているイメージです。LDK部分は共用になります。7月の終わりに入国したんですけれど、決まるまでに1ヶ月ほどかかりました。

それは大変でしたね。次は、やはりアイルランドでの海外勤務についてお聞きしないといけませんね。

カナダ同様、youRoomもSkypeも問題なく使えて、そのおかげで会社のメンバーともお客様とも、日本にいたときと変わらぬ意思疎通ができました。アイルランドのインターネット回線の品質は、日中みんなが使うようになると落ちてしまうんですけれど、僕が日本とコミュニケーションしていたのは、朝早くだったので、さほど影響はありませんでした。

肝心の生活サイクルはどんな感じだったんですか?

日本の9時-17時は、アイルランドの0時-8時にあたります。それではさすがに厳しいので、お客様の了承をいただいて、日本の13時-21時にシフトさせてもらいました。でも、もともと打ち合わせが午前中に入ることは珍しかったですし、急な変更に対応したりする上でも、この時間変更はお客様にとっても好都合なところもあったと思います。ちなみに、この時間帯はアイルランドでは4時-12時になるんですが、夜は10時に寝てしまうことも珍しくない朝型人間の僕にとってはこれが最高でした。午前中に仕事を終えられて、午後から自由時間に充てられましたから。

※1イギリスでの入国審査:イギリスは乗り継ぎのための立ち寄りに過ぎないが、入国審査は必要。なお、ヒースロー空港の入国審査は世界でも厳しいことで有名。

あこがれの欧州を股にかけ、海外勤務を堪能

それで、あこがれの欧州を堪能したんですね。

はい。滞在していた一年の間に、スペイン(バルセロナ、マドリード、バレンシア)、イタリア(ベネツィア)、アイスランド(レイキャビク *2 )、イギリス(ロンドン、マンチェスタ、ベルファスト)と行ってきました。欧州は航空券がとても安いので、その分宿泊費に回すことができました。たいてい週末利用だったんですが、バレンシアとレイキャビクは5日間ほど滞在して、現地でも仕事してました。

普通の会社員なら「有給休暇はないの?」って聞くところですね。

海外で働いていたこととは関係なく、ソニックガーデンで働いていると、曜日とか時間単位で休暇を取るってことに固執しなくなりますね。休暇が取れないってことではなくて、自分で「この時間は仕事した方がいいな」って思ったら仕事するんです。逆に自分の時間がほしければ、短い時間でミッションをコンプリートすればいいわけです。何時間働いたかではなく、何を実現したか。プログラマの評価法としては、しごく自然なことだと思います。来週一週間、アイルランドでルームメイトになった日本人女性のいる九州に遊びに行くことになっていますが、旅行先でも仕事をこなしていると思います。

日本人女性がルームメイトだったということですが、他の人たちはどんな構成だったんですか?

選んだところは、3人でシェアするタイプだったんですが、僕が入ったときは、他にイラン人男性と日本人女性が入居していました。日本人女性はその後スペイン人女性と入れ替わりました。ちなみに、アイルランドでは、成人するととにかく家を出るという文化風土にあるので、アイルランド市民が国内でフラットシェアを利用するのは珍しくないそうです。それと、若い女性が恋愛関係にない男性とフラットシェアをすることも日常的で、性差はあまり意識されていませんね。仕事の関係で生活サイクルが違いましたけれど、すんなり溶け込めました。

実は「父親の仕事の関係で世界を転々としてきた帰国子女」なのでは?

とんでもない。僕は石川県の出身ですが、25歳くらいまで県外で暮らしたことはありません。転職をきっかけてに上京して一人暮らしを始めたんです。ただ、しばらくしたら一人暮らしに飽きてしまって、東京でも30人ほどでマンションを一棟シェアする大規模シェアハウスみたいなところで暮らしていたこともあります。外国人も5、6人はいたと思います。ぽつんと一人暮らしするより、みんなとわいわいやっている方が楽しい性分であることは確かですね。

※2レイキャビク:アイスランドの首都。この南西にあるブルーラグーンは世界最大の露天温泉(5000㎡≒競泳用長水路プール4つ分)として知られている。

アイルランドに行ってみて、そのBefore&After

そうして、一年間の楽しい海外勤務を終えて帰国されたわけですが、前田さん自身、ここが変わったって点はどこですか?

そうですね。まずは、「自分はこの身一つあればどこででも仕事はできる」って自信がつきました。僕は仕事をするにあたって、「誰と働くか」「何をするか」の二点には強いこだわりがありますが、「どこで働くか」はあまり気にしていませんでしたが、その気持ちも強くなりましたね。それと、モノを所有することに対する意識が変わりました。例えば、洗濯機とか冷蔵庫は所有してしまうと、自分の機動性が損なわれるので、むしろいらない、いう気持ちが強くなりました。

では、ソニックガーデンという組織においては、前田さんがアイルランドに行く前と帰ってきてからで変わったところはありますか?

そうですね。最近新入社員を採用したんですが、その人の居住地が兵庫県だということが、採用に全く影響を与えなかったところは、変化と言えば変化でしょうね。

前田さんのように場所に縛られない働き方を目指す人たちにメッセージをお願いします。

場所に縛られることなく働くには、周囲の人たちとの信頼関係が大前提です。同じチーム、同じ会社のメンバーとの信頼関係、お客様との信頼関係がきちんと築けること。それができるか、そのためには、何をしなければならないかということを忘れないでください。

そうそう、最後の質問です。英会話力は向上しましたか?

…(しばし沈黙&苦笑)。そうですね。聞き取る力は間違いなく向上しました。伝える力にも自信がつきました。唯一実感できなかったのが、しゃべる力の向上ですね。こればっかりは、もっと会話する必要に迫られないとダメみたいです。帰国してからは、またシェアハウスに引っ越して、外国人の友人に囲まれているので、地道に上達させていきたいです。

ありがとごうざいました。


 インタビュアー/ライティング:古田英一朗

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