新人プログラマと”FireStarter”の挑戦 〜「技術書典15」出展の舞台裏〜
2023年11月に開催された「技術書典15」に、ソニックガーデンのメンバーが出展者として参加し、「はじめてのHotwire」と「Firebase Tutorial」の2冊を販売しました。
「技術書典」は、ITに関するさまざまな技術書に出会える、技術書オンリーイベントです。プロの出版社だけでなく、非商業目的の個人やグループも自由に自分たちの作った技術書を販売することができます。
ソニックガーデンとしての参加は、今回で3回目。オフラインでの頒布会が11月12日(日)に池袋サンシャインシティにて開催され、著者のプログラマ自ら、制作した技術書を販売してきました。
今回参加したのは、初の書籍制作となった入社2年目の若手チームと、3冊目にして過去最大ボリュームの本を作ったFireStarter(※)チームです。
※…「FireStarter」は、Firebase案件に取り組みながら社内にFirebaseを広げる活動もしているメンバーたちの通称です。
プログラマ歴が浅い中で出展に挑んだ新人プログラマ4人と、社内での活用も見据えた3冊目の技術書制作を行ったFireStarterの3人。
各チームが挑戦した内容と、その結果のあらましをお届けします。
入社2年目のメンバー4人で作り上げた、初めての書籍
今回ソニックガーデンのメンバーが制作した1冊目の技術書は、「はじめてのHotwire〜Railsで作るSPA風チャットアプリ〜」です。
「はじめてのHotwire」を制作したのは、入社2年目の若手プログラマ、菅原・橋本・遠藤・長野の4人。 全員が、技術書典に来場者として参加したことはあっても、出展者としての参加は初です。親方である野上の勧めで、プロジェクトとして技術書の制作に取り組み、無事完成させることができました
「はじめてのHotwire」は、Hotwireを、実際に使ってみながら学べる形で解説した本で、対象読者は「Railsの基礎知識がついていて、Hotwireを使いだしたい方」。初参加かつ、ページ数も多いわけではありませんでしたが、オンライン・オフライン合わせて現時点で合計30冊、手にとっていただけました。
「作り上げたことがすごい」という社内の意見とは裏腹に、「プロジェクトの進め方はもっと工夫できた」「ターゲティングの部分がズレていて、企画はもうすこし考えられた」など、厳しく自分たちのプロジェクトをふりかえった4人。
次に参加した際は、きっとより良い技術書を生み出してくれそうだ、という期待が持てました。
技術書制作の知見を生かし、社内にFirebaseを広げていく
今回制作された2冊目の技術書は、「Firebase Tutorial— 持続可能な Firebase プロジェクトを目指してⅢ」です。
社内でFirebaseを使った案件に携わっているメンバー3人(広上・小嶋・近藤)で制作した、「Testable Firebase」「Practicable Firebase」に次ぐ、3冊目となる書籍で、 Firebaseを使った簡単なWebアプリケーションが作れるチュートリアル本になっています。
これまでの二冊もかなりボリュームがありましたが、「Firebase Tutorial」は三冊目にして過去最高の厚さに。会場で手にとってくれた方に「重っ!」と言われる一幕もあったほど、気合いの入った一冊になりました。
実は今回の技術書制作には、とある裏目的がありました。それが、「Firebase案件の統一感を出すためのテンプレートの作成」です。
Firebaseの先駆者として取り組んできたFireStarter3人の力もあって、ソニックガーデン内でもFirebaseシステムを使った案件は徐々に増えてきています。しかし、新しく他のメンバーが案件を始めたいとなった時の、土台となるやり方に関しては明文化がされていませんでした。
「FIrebase案件を始めるハードルを下げてより社内に広げるためにも、FireStarterの良いと思うコードの書き方などを記したテンプレートの作成をしたい。」そう思っての、今回3冊目の書籍制作だったのです。
今回の技術書の制作によって、そのテンプレートの作成が大きく進む結果に。これまでも、技術書典で出した書籍をきっかけに、自発的にFirebaseに触れた若手メンバーも現れたりしていましたが、今回の書籍がより一層社内のFirebase案件の広がりや質の向上に繋がっていくと感じられました。
2年目にしてチームでの技術書制作・販売という挑戦をし、しっかりと売り上げも出した「はじめてのHotwire」制作チームと、社内での活用を見据えた技術書を制作し、かつ過去最大量を書き上げた「Firebase Tutorial」制作チーム。
設営準備も含め大変なイベントだったと思いますが、とても身のある挑戦になったと思います。
参加した皆さん、本当にお疲れ様でした!
制作した技術書の紹介
「はじめてのHotwire」と「Firebase Tutorial」は、現在も技術書典オンラインマーケットで購入可能です。興味がある方は手にとってご覧ください。
以下では、それぞれの書籍の目次を抜粋して紹介します。
はじめてのHotwire 〜Railsで作るSPA風チャットアプリ〜
◆第 1 章 はじめに
◆第 2 章 Turbo Drive
◆第 3 章 Turbo Frame
◆第 4 章 Turbo Stream
◆第 5 章 Stimulus
詳しい目次や、試し読みは技術書典マーケットをご覧ください。
Firebase Tutorial
◆第 1 章 Firebase を始めよう
◆第 2 章 ESLint と Prettier の設定
◆第 3 章 Functions の初期設定
◆第 4 章 共通モジュールの作成
◆第 5 章 サンプルアプリの説明
◆第 6 章 アプリケーションのベースを作る
◆第 7 章 エンドユーザー向け画面の認証
◆第 8 章 scripts ディレクトリ
◆第 9 章 管理者認証
◆第 10 章 書籍の登録
◆第 11 章 書籍一覧ページの作成
詳しい目次や、試し読みは技術書典マーケットをご覧ください。
過去に制作された技術書についても、弊社ブログで紹介しています。よければ合わせてご覧ください。
→メンバー執筆の技術書を紹介します